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1on1をする際に考えてほしい大事な前提――実は部下の言うことは上長にほとんど伝わっていない

こんにちは、bizlogueです。

今回のテーマは1on1をする際の「前提」として考えてほしいことについて。

前回の対談ではbizlogueメンバーで『ヤフーの1on1』、『1on1ミーティング』の著者である本間浩輔がカナダでの出来事を熱量タップリに語ったものの、同じメンバーの吉澤幸太にはまったく伝わっていないというまさかの展開に……。

このことに本間は大きなショックを受けたわけですが、一方で同じことが1on1でも起こっていると再認識。つまり、話した内容を分かっているようでいて、実は相手にほとんど伝わっていない――これは1on1において非常に重要なテーマです。


本間さんの言うことが、私には全然伝わっていない

吉澤 前回収録したとき、本間さんはカナダのウィスラーからオンラインで参加していただきましたが、その際に何か思うところがあったとか。

本間 うーん……もう、一番恥ずかしい思いをしましたね……。

吉澤 え、恥ずかしい?

本間 ええ。今思い出すとですね、あのときは僕が興奮して「カナダは凄かった」だのと言っていたわけですよね。それで吉澤さんは「どこが凄かったですか?」と聞くので、僕は「空港が凄かった」とか「景色が凄い」とか言いました。

吉澤 そうでした。

本間 でもやっぱり、僕が吉澤さんに伝えたかったことは全然伝わらないんだなと。それで、あなたもあなたで大変失礼な言い方をしましたよね(笑)。

吉澤 いや、ちゃんとは覚えていないんですけど(苦笑)。素直に答えていたのかもしれないですね。

本間 「本間さんの言うことが、私には全然伝わっていない」と、こう言ったんです。あの後、僕は結構落ち込まして……本当に。

吉澤 そうでしたか、大変失礼しました(苦笑)。

そもそもお互いに見ているものが違う

本間 それでこの収録分はお蔵入りにしようかなと思いながら、1日、2日考えて……

吉澤 え、そんなに?

本間 ええ。でも、まあコミュニケーションって、そういうものかと。

吉澤 ほう、どういうものなんですか?

本間 やっぱり、僕が見ているものの全てが吉澤さんに伝わるわけではないということですね。

吉澤 うん、まあ、そうですよね。

本間 これは1on1でも同じことだと思うんです。1on1でも僕が見て思っていることが、前回のカナダ編のように相手側にうまく伝わらない。ただ、相手側も経験があるので、僕の見ているカナダではなく、例えば吉澤さんの知っているカナダを勝手に想像して僕に対してアドバイスをもらっている。こういうことかなと思ったんです。

吉澤 まあ、そうですよね。僕が思い浮かべられれば何か言っていたかもしれないですよね。何か熱量は伝わってくるけれど、中身というものが分からなかったと言いますか。その中身の部分をもうちょっと聞くことができれば、と思いながら「伝わってきません」と発してしまった言葉だったかもしれません。それが本間さんに刺さっちゃった、と。

本間 うん、「熱量はあるけど伝わらない」。それが今回の重要なポイントで、熱量があるから吉澤さんも「え、それはどういうこと?」と頭の中で勝手に妄想して、それに対してアドバイスをして、それを僕が聞くみたいな感じになっている。なんだろう、1on1って言語で話しているようでいて、上長も分かっているようになっているけれど、実は部下の言うことなんてほとんど伝わっていない。今回はカナダという分かりやすい例でしたし、僕と吉澤さんの人間関係があるからバサッと言ってもらえました。でも、ビジネスの場合は上長も何となく同じような経験がありますし、アドバイスしたくなっちゃうから何か言ってしまうけど、そもそも見ているものが違う。1on1はこの前提に立ってやっていかないといけないのかなと思いました。

吉澤 そうかー。見えていないことをちゃんと言える関係ならいいですけど、その関係まで行くことはなかなか難しいことだと思います。だから、本間さんが今言ったことを前提に1on1では向き合っていくといいですねと、こういう話ですかね。

本間 ええ、そうですね。今回お話したことは1on1においてとても重要なテーマですので、皆さんも一度考えていただければと思います。


bizlogueではYouTubeでも情報発信を行なっています。

■ヤフーの1on1―――部下を成長させるコミュニケーションの技法
(著・本間浩輔)

■1on1ミーティング―――「対話の質」が組織の強さを決める
(著・本間浩輔、吉澤幸太)

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