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「癌ははやく治した人間が偉いんじゃない。長く生きた人間が偉いんだ」【悪性リンパ腫闘病日記3】

なぜ今頃になって、闘病記なるものを書き始めたのか?悪性リンパ腫の中でも相当珍しい縦隔腫瘍。
 縦隔とは、肺と心臓の間の部分で、そこに腫瘍ができ、気管や心臓を押し潰しながら癌が成長していき、さらに腫瘍が成長すると、胸をおしあげながらが癌が肥大化していった。のちに血液内科の主治医になる先生に言わせると、これが肺ガンだったら、完全に手遅れだった。悪性リンパ腫だから、抗癌剤がきくから、まだラッキーだった、とか。
 32才で縦隔という珍しい悪性リンパ腫。
マスコミが食いつくかもしれない。
もし、驚異的なスピードで癌を直したら、世界最年少記録で「アンビリーバボー」とかで取り上げられるのではないか、と本気で思った。しかし、それを主治医に話したら、「癌ははやく治した人間が偉いんじゃない。長く生きた人間が偉いんだ」
 再発が多く、寛解が難しいこの厄介な病気そのものを含んだ深い言葉だった。
 それ以来、ミーハーな気持ちで、闘病日記や癌をウリにしようとするのは、辞めようと思った。当時やたら癌を売りやネタにする人が多く思えた。   
 悪性リンパ腫は再発の多い病気だ。
もし、闘病日記なるものを書くとすれば、寛解してからでないと、真剣にこの病気に取り組む人に情報としても失礼な気がしたからだ。
 自分も悪性リンパ腫になってから、悪性リンパ腫の治療をする人のブログを読んだりしたが、抗癌剤治療中は病体や体調が激変する。抗癌剤を打てば採血の結果も悪くなるし、体調や気分の落ち込みもある。
 当時の一喜一憂した記事よりも、もう少し後になってから振り返った記事の方が救われる人がいるんじゃないかと思った。
 当時の僕がそうであったように。ちなみに自分は有り難いことに一度も再発していない。

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