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型を作るために「型」を破れ。再現性のある組織成長のための考え方

ビットキーは、会社として大切にしたい価値観を“Value”として表現しています。これはメンバーにとっての行動指針でもあり、人事評価の指標や社内の表彰制度とも連動することで社内に浸透してきました。

これまで紹介してきた3つのValueから、最後に深掘りするのは“Scale Value”です。これは、「創造性(ブレイクスルー)」「再現性 (ノウハウ化・型化)」「定着性 (伝搬・浸透・定着)」を通じて、新たな価値の創造・浸透を目指すというもの。急成長を続けている今のビットキーにこそ、必要な価値観だと言えるかもしれません。そして、ビットキーのリーダーたちはこのValueをどのように解釈し、体現しているのでしょうか。

▼ ビットキーのValueに関する記事はこちら

#01#02 に続いて今回のValues Talk #03 は、Workspace & Experience事業を牽引する石政健人さん、コーポレート領域をリードする髙橋直輝さんの2人を迎えて、“Scale Value”の意義を語り合ってもらいました。

髙橋 直輝(写真左)

1984年生まれ。公認会計士事務所を経て、EY新日有限責任監査法人に中途入社し、大手企業・テック企業を中心に数々のプロジェクトを推進。その後はコンサルティングファームでの事業立ち上げやモバイルゲーム開発会社の経営管理責任者を経て、2022年ビットキーに入社。現在はコーポレート領域の部門責任者として経営管理、IPO準備等をリードしている。

石政 健人(写真右)

1990年生まれ。ワークスアプリケーションズに新卒入社し、新規開拓営業や顧客の業務改善を推進するプロジェクトを経験。2019年にビットキーへ入社後は、CEO直下の特命任務としてカスタマーサクセスやリーガルなど複数部門を立ち上げたほか、オペレーション設計・運用改善、コーポレートおよびECサイト構築等のマーケティング領域での仕組み構築にも従事。現在はWorkspace & Experience事業にて顧客体験全般の責任者として事業を牽引している。

正しい方向へ進むために「型」を作り続ける

—— 創業以来の急成長を経て、さらなる価値を安定的に発揮するため、ビットキーは「創造性」「再現性 」「定着性 」をScale Valueとして定義しています。2人は直近の組織の状態をどのように見ていますか?

石政:創業期はとにかくがむしゃらに目の前のことに取り組んでいました。そのため、結果としてハードワークなメンバーもいたのですが、当時と比べて今は業務が整理されてきたので、働く時間や働き方自体も柔軟かつ多様になってきましたよね。

計画を立てて、それ通りに進めていく。その予実管理をしていくことで、改善のサイクルを回していく、という企業としては当たり前のことだとは思いますが、当たり前のことが当たり前にできるようになってきていると思っています。
 
髙橋:私は2022年の入社ですが、石政さんが入った創業初期の2019年からの変化で考えると、だいぶ変わってきているのですね。そうした変化はいつ頃から感じるようになったんですか?
 
石政:2022年の事業計画の策定に事業責任者として関わったタイミングからだと思います。私自身が事業計画立案に直接関わったことで、事業の目標達成に向けた道筋をメンバーに今まで以上に解像度高く、分かりやすく語れるようになりました。
メンバーもマネジメント陣に指示されて動くのではなく、それぞれが当事者意識を持って行動することができるようになったと感じています。
 
髙橋:私が担当するアカウンティングも、メンバーが徐々に自走してくれるようになってきましたね。ただ、仕事に再現性を持たせるための「型作り」という意味ではまだまだ。仮に私がいなくなってしまったら業務が回らなくなるのではないかという危機感もあり、可能な限りメンバーが担当できるように型を作っているところです。

石政:既存の枠組みと新たに作る「型」とのバランス、そのチューニングはどう考えて取り組んでいますか?
 
髙橋:コーポレート領域について言えば、ビットキーが目指す成長を実現するためにはまだまだ多くの仕組みづくりが必要な状態だと思っています。例を挙げるとキリがないですが、私が入社したタイミングは創業から約3年半経っていたため、当然のことながら「今まではこうしてきた」というような正解が無数にありました。

そのなかで、まず「過去のやり方を踏襲すべき部分」と「新たに型を作ったり、改善していくべき部分」を分けました。さらに「あるべき姿は何なのか?」を考え、新しいことを取り入れやすい環境を整えてきました。これを行うのは従来の組織や慣習・文化の話にも関係してくるため、そう簡単ではありません。そこは私が主に担当して決めて、進めていかなくてはいけない部分だと思っています。

—— 事業や部門に責任を持つ立場になるまでの過程で、2人の視点にどのような変化があったのかも聞きたいです。
 
石政:私はもともと、自分のクリエイティビティに自信がなく、ひらめきで他者より抜きん出るタイプではないと自覚していました。前職時代は同期のなかでもマネージャーに昇任するのが一番遅かったし、ビットキーに入社した当初も、CEOの江尻からは厳しく指導されていたんですよ(笑)。
 
「石政のプランがイマイチだと、メンバーを窮地に追いやってしまうかもしれない。徹底的に勝てるプランを描かなければいけない」と言われていましたね。だからプランに自信を持てるようになるまで経営陣にレビューをたびたび依頼し、鍛えてもらいました。

髙橋:石政さんはCEO直下で数々の特命任務をこなし、そのうえでWorkspace & Experience事業の実質的な責任者を担うようになったんですよね?
 
石政:そうですね。以前は住所不定のような形で「リーガルの石政」「マーケティングの石政」など複数の顔を使い分けていたというような感じです。

そうやって企業経営におけるあらゆる領域で一通り、手を動かした経験も役立っていますね。エンジニアの気持ちもコーポレートの気持ちも分かるので、どの情報をどんな形でやり取りすればメンバーみんなが働きやすくなるのかを自然と考えるようになりました。また、スクラップ・アンド・ビルドを試しながら組織作りを担ってきました。
 
—— 髙橋さんは大手監査法人をはじめとした他社での経験が豊富ですが、ビットキーに加わってからは、どのようにチームづくりを進めているのでしょうか。
 
髙橋:入社当初の3カ月は、ビットキーがどのようなビジネスを目指し、どのような方向へ進みたいと考えているのか、CEOの志向性を把握することに努めていました。そのうえでコーポレートの現状を見て、「上場を目指すにあたって、まだまだ整えていく必要がある」と感じました。
 
先ほども話題に出ましたが、数年という短いスパンで急成長したがゆえに、企業としての基盤が追いついていない現実があったんです。まずは手探りでアカウンティングの体制を見直し、徐々にメンバーも集めていきました。現時点では、私が理想とする状態の75パーセントくらいまで来ています。もう少しで、上場企業として運営できる体制になると思います。

仕事で得られる「報酬」とは

—— 2人は、チームを率いるうえでどんなことを大切にしていますか?
 
髙橋:アカウンティングの場合は決算など、瞬間最大風速的に力を発揮しなければならないタイミングがあります。そのため、私はメンバーの士気を高めることがとても重要だと考えています。

士気が高い状態とは、メンバーが「自律的に考えて行動」できている状態。それを邪魔するものはできるだけ排除していきたいと考えています。だから、チームとして大事にしているのは「とにかくやってみよう」というスタンスですね。経営への説明は私が責任を持つから、メンバーには試行錯誤してPDCAを回し続けてもらいたいな、と。

石政:私はシンプルに「やっていて楽しいかどうか」を重視していますね。仕事も組織も、世の中には無限に選択肢があるじゃないですか。ならば、そのなかでもやっぱり楽しく働きたいし、人から喜ばれるチームでありたい。
 
「やっていて楽しいということ」と「結果が出るということ」は近しい関係にあると思っているので、私が勝てるプランを描くことでメンバーの成功体験となり、楽しく働ける状態につながっていけばいいなと思っています。
 
—— そうした価値観をメンバーに伝えるために、日頃のコミュニケーションで工夫していることはありますか?
 
髙橋:「報酬」に関する会話です。メンバーには、人事評価の結果フィードバック資料を活用し、どんな仕事に挑んでどのように報酬を得たいかを聞いています。たとえば「3年後に年収900万円を実現したい」と考えているメンバーがいれば、その実現に向けて、どんなことができる状態になっているべきかを一緒に考えていますね。
 
石政:実は私も、直近の半年間くらいは「報酬」が大事なテーマになっていました。メンバーの給与が上がることを重視して、個々の出せる価値がどうすれば高まるのかをずっと考えていたんです。
 
現状の仕事で成果を出せているメンバーにも「こうすればもっと良くなるかもしれない」と伝えています。最終的には事業が目指す方向へともに進んでほしいし、そのほうが楽しく働けるはずだと思っていて。 
 
髙橋:同感です。ちなみに、「報酬」とは必ずしもお金だけを意味するのではなく、「どんなスキルが身につくか」も、一人ひとりにとって大切だと思うんですよね。この「スキルが身につくこと」も「報酬」だと言えます。
 
アカウンティングでいえば、ビットキーのビジネスモデルは非常に多様かつ複雑で、会計的にはめちゃくちゃ難しい論点が多い。そこを整理し、会計的な正しさと事業成長とどう両立させていくかを考えていくのは非常に高いスキルを求められます。

それを上場企業レベルの状態にまで作り上げていくことをひとつのマイルストーンとして考えていくのは、非常に鍛えられるはずですし、成長機会でもあります。だから、この環境で通用する人材は他社でも活躍できるはず。そうしたスキル獲得の意義もメンバーには伝えていますね。

組織的な「学習」こそが事業スケールのためのカギ

—— 2人とも、仕事を通じた経験価値の意義づけを丁寧に進めているのですね。

石政:そうですね。自分のできることが増えれば、仕事はさらに楽しくなるはずですから。私が教わってきたことをメンバーに伝えるため、最近は座学にも力を入れているんですよ。「売り上げとは?」「プロジェクトマネジメントとは?」などのテーマを設け、継続的に勉強会を開いています。

—— OJTで背中を見せるだけではなく、あえて時間をかけて座学の場を設けていると。
 
石政:部門が50人を超えたあたりから、個別でコミュニケーションをとっていくことの限界を感じ始めたことが背景にあります。
OJTで直接教えるのは物理的に限界がありますが、勉強会のコンテンツは一度実施すれば残るし、動画にして繰り返し見てもらうこともできる。コンテンツによって自分の分身をつくっているイメージです。

髙橋:まさに私が型を作るときと同じ発想です。また、石政さんの言う「分身を作りたい」という思いにも共感します。私も入社直後に、アカウンティングのメンバーとして知っておくべき知識をメンバーに教えるため、座学を開いていました。

新しい型を身に付けるためには、これまでの型を破らなければならない面がある。それを理解してもらううえでも、貴重な場になったと感じています。

石政:実際に、メンバーが日々の業務の意味を体系立てて理解できるようになったり、日常的に使う言葉が変わっていったりと、新しい型を身に付ける効果が生まれていますよね。
 
髙橋:コーポレート側はまだまだ人数が少ないので、OJTも含めて今がチャンスですね。一人ひとりとのコミュニケーションが取れるうちに、人材育成を進めていきたいです。

CEOが負っている責任・役割を私たちで分担をしていく覚悟で

—— 今後、ビットキーがさらに飛躍していくためには何が必要だと思いますか?
 
石政:私は、ビットキーという会社はもっともっと伸びると思っています。マーケットと直接相対していると、他社にはない考え方で時代のニーズに応えられていると感じるんです。
 
一人ひとりのクオリティを底上げし、100万ユーザーを支えられるようにしていきたい。そのために、より高品質でシステマチックな価値をつくり、一人ひとりが力を発揮しやすいようにしたいですね。

髙橋:勢いのある会社を本当に伸ばすためには、「コーポレート部門が無理とは言わない」ことが必要だと思っています。なので、可能な限り社内のニーズを受け入れられる状態を作っていきたいですね。

たとえば、直近の3カ月間でも、アカウンティングは改善の道筋を作り、管理会計の超高度化に向けて進んでいます。アカウンティング部門と同様にコーポレート部門全体を強くしていかなければいけません。

石政:向き合っているミッションは違いますが、現在の仕事のやり方や、今の価値提供のままでは、この先の成長を支えられないという点で共通していますよね。
 
髙橋:はい。だからこそ「これからの型」を作っていかなければいけないし、型を作るためには既存の型を破り続けなければいけないのだと強く感じます。
 
—— それぞれの領域を超え、組織全体に向けて取り組んでいきたいことはありますか?
 
石政:私はCEOの方針ありきにならず、非連続な事業成長を生み出し続けられる状態をつくりたいです。現時点でCEOの江尻が抱えている役割やその責任をひとつでも多く、私たちが担えるようになれば、ビットキーは次のフェーズへ羽ばたけるはずです。
 
そのために必要なひとつの到達点は、私が本当の意味でP/Lの責任を持てるようになること。だから最近は髙橋さんに相談する機会がとても増えているんですよ。これからも思いきりお世話になりたいと思っています(笑)。
 
髙橋:石政さんの言う通り、いつまでもトップに頼るのではなく、メンバーそれぞれが自律・自走して事業と組織を進化させていくべきですね。組織がさらに急成長していくためには、ある一定の領域でCEOの能力を超える人が現れないといけない。そうなれば会社をさらに底上げできるはずです。
 
石政:最近、社内ではよく「このフェーズを乗り越えたら、本当に唯一無二の存在になれるね」という話をしているんですよ。

ステークホルダーからの期待をひしひしと感じながら、ビットキーが市場で圧倒的な価値を発揮できる状態をイメージして、ワクワクしながら戦っています。この感覚を、より多くのメンバーと共有していきたいですね。

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