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石垣の手

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石垣島、莫大なる現象とぽっちの自我。

石垣島、莫大なる現象とぽっちの自我。

うちは何線もの鉄道の線路に囲まれた14階建てのマンションが3棟建つ場所で育った。新幹線も見える、山も川も無い都会とも田舎とも言えない場所だった。
学校が終わってエントランスに行くと誰かしら友達がいた、ゲームボーイでポケモンを遊んでいる。ミニ四駆の改造をしている、このマンションには通称「大きい公園」と「ゾウさん公園」と「ウォーターランド」と呼ばれる噴水と人工の小さな川の流れる公園があった、沢山の子ど

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石垣島、半死半生のビルと無関心

石垣島、半死半生のビルと無関心

かいです。
今回は石垣最終日、ついに石垣での撮影の話。

2023年11月6日。
石垣島での最終滞在日。滞在期間は3日。ようたさんの撮影で訪れたはずなのだけど、石垣島には美味しいものも美しいものもたくさんあって、それらを享受していたらあっという間に2日が過ぎていた。最終日にあせって宿題を終わらせる小学生の夏休みと同じ心理で、撮影の準備をした。

上の記事と地続きです。

唐人の墓

10時ごろ起床

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石垣島と絵、ライブドローイングへの変化の過程。

石垣島と絵、ライブドローイングへの変化の過程。

自分の絵のスタイルはライブドローイングである。
描く土地土地で五感で得られるものを掬い取って、時に人と対話したり、一本の線を形にしていくのが好きだ。
流動的で制限がない、自由に描く。今しかないこの時間をどう落とし込むかを楽しむ。絵というのはもっとラフでもっと行儀悪く楽しめば良いと思う。
このスタイルに辿り着く前はミリペンで細密画を描いていた、只管に無心で描くと言う所では繋がっているのだが産み出すた

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海に潜り、ついでに、社会性を捨てる

海に潜り、ついでに、社会性を捨てる

かいです。
石垣島第2弾。今回も童貞をキッチリ捨てて参ります。(前回の続きです)

原付大コケ童貞、卒業。2023年11月5日。
一通の道を逆走してしまったことに気づき、慌てて原付を降りてUターンする。その時誤ってアクセルを回し、原付が勢いよく加速する。私の握力は15。ハンドルは私の手から即離れて目の前の花壇に激突、ごろんと転がり、私は投げ出されて膝からこけて流血。軽に乗った通りすがりのおばちゃん

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石垣の胎譚

石垣の胎譚

かいです。
今回の記事は昨年敢行された石垣島探訪について。ようたさんにおんぶにだっこだった3日間の、乳臭い記事を書く。

はじまりは2023年8月の新宿。ようたさんと喫茶店で新宿の撮影についての打ち合わせ中、ようたさんがふと顔を上げる。

「うち9月半ばから石垣なんですけど、かいさんも来ます?石垣。」

私は石垣童貞で、石垣島の知識といえばようたさんのInstagramを介して見た島の風景くらいだ

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石垣島の神様が手を取る。

石垣島の神様が手を取る。

石垣島で初めて長期滞在をしたのは2020年2月6日から2月23日だった。
石垣在住の写真家、ハヤシヒロヤスさんに写真を撮ってもらう為の18日間だった。
それ以降1年に数回に分けて1、2ヶ月単位で石垣で生活しているのを考えると今では長期滞在だとは言えないのだが。持病もあるし毎日飲まなきゃいけない薬もある。
自分とってはこんなに長く家を空けるのは不安でいっぱいだった。
そんな石垣では咽頭炎が大爆発し4

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