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「動物」

動物だった、俺たちは、
何を錯覚していたのだろう、
昨日の朝に目覚めたときは、四つん這いにて、
汚れたあぶくの浮く川の、泥水だって啜っていたのに、
道端の、倒れた誰かをせせら笑って、
いまや、見ないふりさえ決め込んで、
人らしく、なんて、妄言まで吐き出す始末、
不愉快だった、人にまで堕落した自分のことが、
愛と謳う楔を引き抜き、荒野へと、
走り出そうと俺は思った、

動物だろう、俺たちなんて、
不良が集う森にて吸ったタバコには、麻薬の甘いにおいが続く、
そのとき吐いた煙が落ちた、垢と煤で青い湖、
その傍ら、力尽きて倒れた人は、その腹を蹴飛ばされ、
いないことにされていた、いまはどこで眠っているのだろう、
人間らしさなんて要らない、昨日、死んだ野生の猫が不味そうに、
人の子供の死骸を食べてた、
愛だと言う、呪いに一歩を踏み込んで、
そいつに付着してくる心の機微に火を点けたかった、

この体の中心に打ちつけられた、楔を引き抜くことにするから、
首輪も鎖も断ち切りたい、野生に還りたいだけさ、
ならないぞ、人なんて、
優しさなんぞ欠片も持たない夜の野生の四足歩行に戻るんだ、
月に向けてひと吠え吐いて、捕食者として獲物を追うんだ、
動物に還るんだ、荒野をゆくんだ、

photograph and words by billy.
#秋の写真撮ってみた
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