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超獣ギガ(仮)

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昭和九十九年、東京。 晴海埠頭にモンスターが現れた。彼らは超獣ギガと呼ばれる、地球の正統進化外生命体。しかし、その出現は予期されていた。 圧倒的な力に蹂躙される人類。 反撃を開始… もっと読む
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2023年7月の記事一覧

連載小説「超獣ギガ(仮)」#24

連載小説「超獣ギガ(仮)」#24

第二十四話「呪縛」

 昭和一〇〇年、一月四日。
 午前五時。神奈川県横須賀市。

 その、某所。
 内閣直属の国家公安維持機関、冥府。その実働部隊である、隠密機動部隊、通称ケルベロス。それはあくまで通称である。隠密ゆえに呼び名を持たなかった彼らを、地獄の番犬と称した、あるいは評した、しかし、場合によってそれは揶揄にもなった。番犬。鎖に繋がれた生き物は、誉め言葉には使われない。その身を拘束された者

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連載小説「超獣ギガ(仮)」#25(終)

連載小説「超獣ギガ(仮)」#25(終)

第二十五話「彼等」(終)

 昭和一〇〇年一月四日、午前五時八分。
 神奈川県横須賀市。横浜ベイブリッジ付近。

 「さあ、総理。何が訊きたい? 何が知りたい?」
 ハンドルを握る文月玄也の質問から始まる早朝の横須賀。その国道。白み始めた景色を、駆け抜けてゆく軽トラック、勇み足の大型トラック。人々の営みが再開する時間だった。
 指揮司令車ミカヅキ。そう呼ばれている装甲車は白く塗装され、傍目には、公

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