ほとんどの人が日焼け止めを正しく塗れていないらしい
暑い夏は日焼け対策が欠かせません。一般的には日焼け止めを塗って対処しますが、日焼け止めにはSPFという数値が記載されていますよね。これが一体なにを意味する数字かご存知でしょうか? 数字が大きければ大きいほどいい、と思っている人もいるかもしれませんが、そこまで単純な話でもないようです。むしろ、十分な量を塗っているかどうかを気にすべきなのかもしれません。
日焼け止めのSPFってなに?
夏真っ盛りの北半球では、日焼け止めを手にする機会も多くなります。
日焼け止めにはSPFの数値が大きく書かれていますが、大抵の人は数字が大きいほど日焼け止めの効果が高いと思っていますよね?
実際はその通りだとも違うとも言えます。もう少しこみいった話なのです。
はっきり言ってしまえば、SPF30程度で十分です。むしろ効果がある十分な量を塗っているか、といったことのほうを気にするべきでしょう。
SPF(Sun Protection Factor 紫外線防御効果)とは、太陽からの紫外線が肌に当たった際のダメージを、日焼け止めを塗らない時に比べてどれくらい減らせるかを数値化したものです。
地球に届く紫外線には、UVAとUVBの2種類があります。両者はエネルギー量に違いがあり、肌に与える影響もわずかに違います。
日焼けの主な原因となるのはUVBで、皮膚がんの直接的な原因ともされています。UVAが当たると、肌は皮膚細胞が受けるダメージを減らすための物質を作り出し、それも日焼けの原因になります。
アメリカではUVBをどれぐらい防げるかによってSPFの値が決められています。UVBの健康へのリスクだけがわかっていたのでそれが基準となったのです。
つまりSPF30を塗ると、化学物質が紫外線を吸収したり反射したりして細胞に取り込まないようしてくれるので、日焼け止めを塗らないときに比べてUVBの吸収量が30分の1になるということですね。
ざっと計算するとSPF30でUVBの96.7パーセントをブロックできます。SPF40なら吸収量が40分の1になるので、UVBの97.5パーセントをブロックできます。
さらに上がったSPF100なら99パーセントブロックできます。……大した違いはありませんね。
ほとんどの人はSPF50以上を使っても大した違いはないでしょう。普通はSPF30で十分です。
ですがこれは正しい量の日焼け止めを塗った場合の話です。大抵の人はきちんと塗れていません。例えば最初に塗る際にも、ほとんどの人は本来塗るべき3分の1しか塗れていないのです。
当たり前ですが塗るときには汗をかいています。汗や水があると日焼け止めが流れてしまいやすく、ウォータープルーフの日焼け止めであっても2時間もすれば流れたり効果がなくなったりしてしまいます。それで専門家は、SPFの値に関わらず2時間おきに塗りなおすように勧めています。
ですが日焼け止めを正しく塗っても、すべての日差しから守れるとは限りません。
初めにSPFの基準を取り上げましたが、UVAとUVBどちらの紫外線もDNAや肌の細胞にダメージを与え、肌の老化や皮膚がんと密接に関係しあっています。万全を期すためにはUVAとUVBどちらにも対応した、広範囲対応SPFの日焼け止めを使いましょう。
SPFはもちろん重要です。ですが塗り方はもっと重要なので正しく使うようにしてくださいね。
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