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毎日のお祈り――神道、仏教編

はじめに

 私は6年間、仏教系の大学で宗教学を学んだ。またかれこれ10年以上、キリスト教についても学んでいる。宗教というものに学問的な関心があり、イスラームや新宗教も興味の対象だ。
 しかし自分の信仰はなにかと聞かれたら、神道と仏教、そしてジェダイになる。ジェダイは半分冗談だが、マスターヨーダの教えを生きる指針にしているのは事実である。
 ではどのように信仰を現しているのか、少し書いてみたいと思う。

神道

 まず神道だが、うちには神棚というか神道系のお札やお守りをまとめた祭壇みたいなものが、背の高い本棚の一番上にある。
 お祀りしているお札は、まず伊勢の神宮のお札である神宮大麻、そして氏神神社の大麻である。さらに御祈祷を受けて木札を頂戴している神社としては、寒川神社、出雲大社、桜神宮の三社である。寒川神社と出雲大社は1年に1回御祈祷を受けるようにしているが、桜神宮は3年以上正五九参りを続けている。
 正五九参りとは、正月、五月、九月のように、一年に3回御祈祷(もしくはお参りをする)を受けるという正式なお参りの作法の1つである。私は持病を発症してからずっと「心身強健」をお願いしている。一時期は働けないほど衰弱していたのが、今は非常勤講師として大学院まで出た知識を生かせているので、大神様たちの御導きがあると思っている。
 その他祭壇には、神祇大社や熊野神社などのお札に加え、守公神、『わたしの幸せな結婚』コラボお守りなどの御守り、御朱印帳などを安置している。
 ちなみに神様が喧嘩していると感じたことはない(そもそも霊感がない)。

 さて神棚拝礼についてだが、よく聞くお作法としては、朝夕2回お供え物をして祝詞をあげよというものがある。これは例えば伊勢の神宮の神官たちがやっている作法でもあるし、私が前鳥神社に御祈祷していただいたときも、朝夕祝詞をお唱え下さいと指示された。
 これに対して、いつでも好きなときにお参りをしてよいとする者もいるようだ。
 私自身は体調の関係でなかなか朝夕2回の拝礼は厳しかったりする。なのでひどく体調が悪く寝間着から着替えられないときは、拝礼をお控えさせていただいている。また着替えられても時間がない場合には、略式拝礼をすることが多い。そして時間があるときは私になりに真心を込めて拝礼をしている。
 略式拝礼のときは、お供え物はせず、2礼、4拍手、1礼の作法でお参りし、神恩感謝→1日の予定報告と無事→縁結びのお願い→母の病気平癒→日本と世界の平和祈願→天皇陛下の御代が末永く続くように、などを祈願する。

 2礼、4拍手、1礼は出雲大社と桜神宮の作法に合わせてのものである。

 正式な拝礼の時はまずお供え物として米、塩、水を用意してから灯りを灯し、2礼ののち、祝詞を奏上する。まずは祓詞からだ。

掛けまくも畏き 伊邪那岐大神 筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原に 禊ぎ祓へ給ひし時に 生り坐せる祓戸の大神等 諸々の禍事 罪 穢 有らむをば 祓へ給ひ清め給へと 白すことを聞こし召せと 恐み恐みも白す

https://shirayamahime.jimdofree.com/%E7%A5%9E%E6%A3%9A%E3%81%AE%E7%A5%80%E3%82%8A%E3%81%8B%E3%81%9F/%E7%A5%93%E8%A9%9E-%E7%A5%9E%E6%A3%9A%E6%8B%9D%E8%A9%9E/

 続いて神拝詞、まずは寒川神社でいただいた寒川大明神様への神拝詞をお唱えする。

掛けまくも畏き寒川大明神の大前に 恐み恐みも白さく 大明神の広き厚き御恵の蔭に隠ろひ 日に異に心安く楽しく有経ることを 嬉しみ辱けなみ奉りて 拝み仕へ奉る状を美らに広らに聞食して 今も往先も神随霊幸はい座す 八方除の御霊験を弥益に蒙ふらしめ給ひて 我が家には内より起る禍事なく外より入来る災難なく 親族家族諸々高く尊き神教のまにまに 直き正しき真心もちて身を修め心を励まし 負ひ持つ業に恪しみ勤めしめ給ひて 楽しみの尽くることなく 喜びの絶ゆることなく家門高く広く立栄えしめ給ひ 弥遠永に幸く真幸く守り恵み給へと 恐み恐みも白す

相模國一之宮 寒川神社 「神拝詞」
コピー元は以下HP
http://furube-yurayurato.seesaa.net/article/268878434.html

 そしてさらに神棚祝詞をお唱えする。

此の神床に坐す 掛けまくも畏き(これのかむどこにます かけまくもかしこき)

天照大御神 産土大神等の大前を 拝み奉りて(あまてらすおおみかみ うぶすなのおおかみたちのおおまえを おろがみまつりて)

恐み恐みも白さく(かしこみかしこみももうさく)

大神等の広き厚き御恵を 辱み奉り(おおかみたちのひろきあつきみめぐみを かたじけなみまつり)

高き尊き神教のまにまに(たかきとうときみおしえのまにまに)

直き正しき 真心もちて(なおきただしき まごころもちて)

誠の道に違ふことなく(まことのみちにたがうことなく)

負ひ持つ業に励ましめ給ひ(おいもつわざにはげましめたまい)

家門高く 身健に(いえかどたかく みすこやかに)

世のため人のために尽さしめ給へと(よのためひとのためにつくさしめたまえと)

恐み恐みも白す(かしこみかしこみももうす)

https://www.manner-kamidana.com/hairei102

 最後に出雲大社の神語をお唱えする。

「幸魂(さきみたま) 奇魂(くしみたま) 守給(まもりたまい) 幸給(さきはえたまえ)」

http://www.izumooyashirokyo.or.jp/550_kanyuu_goannnai.html

 祝詞等の順番は我流であるが、気持ちを込め、声量は近所迷惑にならない程度にお唱えしている。神語まで唱え終わったら1礼し、略式参拝同様各種の祈りを心の中で述べる。その後2礼、4拍手、1礼をし、軽くもう一度1礼をしてからお供え物を下げている。

 ここまでが神棚の話だ。うちにはさらに祖霊舎(神道の仏壇)があり、祖父と祖母を神として祀っている。そのため、次は祖霊舎へのお参りをする。
 略式の場合はお供え物はなしで、2礼2拍手1礼をし、「御霊安らかに、子孫繁栄、家内安全のご加護をお与えください」と心の中で祈る。またその日の予定を報告することもある。これも我流である。

 正式参拝のときは、お供え物として米、塩、水を用意する。さらにロウソクを灯してから祝詞を奏上する。まずは祓詞ないしは略祓詞からだ。因みに私が用いる略祓詞とは以下のことである。

祓へ給へ 清め給へ 守り給へ 幸へ給へ

http://yanyamo.fc2web.com/newpage12.htm

 そして祖霊拝詞をお唱えする。

限りなき恵みを垂れて守ります我が先祖の御心に副ひ奉らむと今日も亦新たに己を慎み世の為人の為雄雄しく楽しく労き務めむ守り給へ幸へ給へ

http://yanyamo.fc2web.com/newpage12.htm

 そして1礼、ご祈念のあと、2礼、2拍手、1礼をし、再度軽く1礼をしてからロウソクの火を消し、お供え物を下げる。

仏教

 うちには祖霊舎の近くに、成田山新勝寺の別院でいただいた「一陽来賽御守」があるので、祖霊舎の次はこちらにお参りする。手で印を組み、「オンバサラダドバン」と7回以上唱えて終わりだ。その後部屋を移動し、仏壇に向かう。
 勘違いされがちだが、仏壇は故人を祀るという意味よりも、ご本尊(仏像)をお祀りするという意味合いが強い。うちの仏壇には位牌も一応あるが、御霊入れもしていないし、戒名もないものがほとんどだ。仏像としてはどこの宗派にも属していないが、私と親の守り本尊を参考に、勢至菩薩様、阿弥陀如来様、観音菩薩様、大日如来様など6柱の仏様をお祀りしている。
 仏像に加えて浅草寺でいただいたお守り、成田山新勝寺別院でいただいたお札、そして大明王院で御祈祷してもらった開運祈願のお札を祀っている。
 お寺でもらったお札も神棚に祀るべきとの考えもあるが、私は神仏分離令に従い仏壇でお祀りしている笑。
 仏壇も時間がないときはおりんを鳴らして手を合わせ、毎日のご加護への感謝と今日の予定の報告と無事、開運・良縁をお祈りするだけになってしまうが、時間があるときは違う。
 まずお茶をお供えし、その後お経などを読んでいく。まずは懺悔文。

我昔所造諸悪業(がしゃくしょぞうしょあくごう)

皆由無始貪瞋癡(かいゆうむしとんじんち)

従身語意之所生(じゅうしんごいししょしょう)

一切我今皆懺悔(いっさいがこんかいさんげ)

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%87%BA%E6%82%94%E5%81%88

 続けて開経偈。

無上甚深微妙法(むじょうじんじんみみょうほう)
百千万劫難遭遇(ひゃくせんまんごうなんそうぐう)
我今見聞得受持(がこんけんもんとくじゅじ)
願解如来真実義(がんげにょらいしんじつぎ)

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%96%8B%E7%B5%8C%E5%81%88

 そして有名な般若心経をお唱えする。そのあと観世音菩薩様、阿弥陀如来様、そして不動明王様への帰依を宣言する。いわゆる南無〇〇というやつだ。南無とは帰依するという意味である。
 続けて不動明王御真言をお唱えする。

ノウマク・サンマンダバザラダン・センダ・マカロシャダ・ソワタヤ・ウンタラタ・カンマン

https://www.yoriso.com/sogi/article/fudomyoo/

 不動明王御真言を3回、南無大日大聖不動明王というご法号を唱えるのを3回やる。そのあと別の不動明王御真言を7回以上唱える。

ノウマク・サンマンダバザラダン・カン

https://www.yoriso.com/sogi/article/fudomyoo/

 さらに大日如来様、聖観音様、阿弥陀如来様の御真言もお唱えし、最後に回向だ。

願以此功徳 普及於一切 我等與衆生 皆共成仏道

https://www.sougi.info/column/column_360

おわりに

 以上、神様・仏様に対する私の祈り方をご紹介した。だいたい朝20~30分くらいかけて行っている。SEだったころは祈りの時間など取れなかったため、朝ゆっくりお祈りできる今の生活は結構気に入っている。
 ただ夕方や夜は倦怠感が強くまだお祈りできていないのが現状だ。

 なんにせよ、いろいろな信仰のカタチがあるなあとお楽しみいただけたのなら幸いである。

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