【読書感想】旅するモヤモヤ相談室


『旅するモヤモヤ相談室』

 本書は、様々な学者へのインタビューからなる、タイトル通り「相談室」のような本だ。

 インタビューを受ける学者たちは皆、何らかの形でフィールドワーク研究を行っている人たち。その語りを読みながら、読者は多種多様な文化について、その一端知ることができる。

 世界には、およそ想像もつかないような世界観を持った文化がある。そういった「異文化」の描写は、日本社会では「常識」とされていることを相対化する視点をもたらしてくれる。

 この本を読んで、日々の悩みが一気に解消、なんてことはないかもしれない。だが「悩み」の形を把握して解きほぐし、少しばかり心を軽くすることにはきっと役に立ってくれることだろう。

 また、各章末に「処方箋」として掲載されているブックガイドも、SF小説から経済学などなど、読者の生活を豊かにしてくれる好著ばかりだ。

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