見出し画像

マラグーティをご存知ですか?そしてそのエンジンは…。①

 マラグーティは、現在でもメーカーとして存在しているのだが、NEWモデルのリリースはしておらず、今まで販売していたバイクの、リペアパーツを生産販売している状態だ。
 日本に於いては、正規販売代理店が稼働しているため、パーツの供給は問題なく、価格もユーロ相場頼りなので、PIAGIOなどのヨーロッパ勢と変わりない。
 パーツは、国内在庫が有れば1週間、無ければ、ほぼ1か月で入荷する。コロナの時期を除いて、私は大体このタイミングでパーツを受け取っている。
 私が現在所有しているのは、新車からの機体で、初期型マジソン3だ。それ以降はマジソン3を所有したまま、新車でブログ125ie、チェントロ160ie、チャックマスター200、中古でパスワード250と所有していたことがある。だが、どれも短期間の所有であった。その理由は、エンジンにある。

 マラグーティは、基本的にエンジンが作れない。設計はできるようだが、生産ラインが無い。しかし、私は、0からのエンジン設計はできなかったと考えている。過去においてはオリジナルのエンジンもあったようだが、現在のような厳しい排ガス対策が施されたエンジンは無理だったと考えている。その証拠に、ブログとチェントロは中国CFモト製、チャックマスターは、台湾KYMCO、パスワード250はイタリアのミナレリヤマハで、マジェスティCのSG03Jで採用されたエンジンを搭載していた。日本でもおなじみのエンジンである。  
 CFモトのエンジンは、ホンダのSH125にも採用されていた。SHのエンジンとはクランクシャフトの径が違っていて、マラグーティのオファーで若干太くなっていた。
 私は、ブログの125ccと160ccの両方に乗ったが、流石にイタリアンマシンらしくデザインは上品でかっこいい。実際マラグーティのデザインは、イタリア本国でも評価は高いそうだ。余談ながら、ヤマハの2代目マジェスティは(バカ売れしたSG03J)マラグーティデザインらしい。しかし、このエンジンの出来が全く良くなかった。最初のフィーリングは悪くないのだが、15000Kmを超えてくるとメカノイズが大きくなり、パワーも落ちてくる。20,000Kmを超える頃には両排気量とも、クランクベアリングがダメになっていた。125も160もエンジンの印象は最悪だった。また、ブレーキの引きずりも両車で経験している。
 多分日本国内で1番売れたマラグーティがブログだと思うので、ブログのせいで、マラグーティの評価は地に落ちたのだと思う。
 
 しかしその後私は懲りずにチャックマスター200に乗り換えた。チャックマスターのディテールは、エンジンはKYMCOで、スタイル的には、クラシックな外観のハイホイールだ。 ベースとなったモデルは、海外仕様のKYMCOの初代ルッカ―である。搭載されたエンジンは、輸出向けの160ccエンジンで、吸気はキャブレターだ。仕様はこの時点ですでに1世代前の物だった。当然ユーロ3には適合せずヨーロッパでは終売となった。もしかしたら、イタリア本国の売れ残りを、日本で売っていたのかもしれない。
 パワー的には200を謳ってはいるが、実質160ccなのでかなり非力だった。確かエンジンパワーは9㎰だったと記憶している。ハイホイール特有の緩やかな加速なので、高速の合流では気を使う。ただ、他の12インチホイールを採用した同クラスのスクーターよりは走行安定性があって、細かいギャップを拾わない分快適ではあった。特に以前足としていた、SYMのファイターZR150と比べると、高速の継ぎ目で盛大に跳ねるファイターより全然安心感があった。しかし、エンジンとなると、ファイターの方がパワーに勝り乗りやすい。チャックマスターは、とても高速に乗る気など起きないエンジンだった。
 
 同じハイホイール繋がりで、パワー的に物足りなかったチャックマスターから、パスワード250を中古で探して乗ってみた。もう少しハイホイールというカテゴリーに浸ってみたかったからだ。残念ながら新車のリリースは終わっていたので、選択肢は中古しかなかった。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?