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株を10年やってみた感想

株を初めて今年で10年になりました。元々はブランド戦略をやっている会社にいたときに、社内に株主優待が好きな先輩がいて、株主優待について教えてもらったことがきっかけでした。

その会社には投資が好きな人が沢山いて、ボーナスを全額投資信託につぎ込んだ人もいました。さすがにそれはやりすぎですが、投資好きな人が多い環境が、私に株を始めるきっかけを与えてくれました。

そんなわけで10年経ったので振り返ってみました。大して儲かってはいませんが、振り返りは大事です。


株はとてもお得な仕組み

リスクに対してリターンが大きい

株を10年やってみて感じたのですが、リスクは思ったより小さいです。小説などで株で借金したという話が出てくるから(かの有名な半沢直樹の第一作もそうでしたね)、株は怖いというイメージがあるのかもしれません。

怖いのは信用取引です。あれは証券会社から借金をしてレバレッジをかける(損益を数倍に増やす。例えば10万円の値上がりを30万円に増やす一方で10万円の損失も30万円に増えてしまうなど)ことですから、上手くやらないといけません。上級者向きでしょう。

つまり株はリスクは小さいけれど、毎年数万円のリターンが得られます。これはとってもお得な仕組みですね。

時間と労力ではなく知識で稼げる

仕事は普通は払った時間と労力に対して対価が発生します。知識や技術が必要な仕事でも、成果を出すためには時間と労力が必要です。そして売上はほぼ時間と労力に比例します。言わずもがな給料は労働時間で決められています。

インセンティブ制の仕事は話が違うように思えますが、たとえインセンティブ制であっても稼ぐためには時間と労力がかかります。

しかし株は違います。不労所得であり、基本的にはほったらかしです。時間や労力と言えば売買するときの情報収集くらいです。

利益額でいえば資産額ですので、お金持ちの方が有利です。しかし利益率でいえば知識や情報がものを言います。知識さえあれば時間や労力を払わずとも稼げるのが株の特徴です。

よって株は本業に加えてやった方がお得なのです。知識で稼げるし、本業をやっている間にも収入が入るからです。

過去にやった分が積みあがっていく

株は今年サボったとしても、去年までの積み上げ分がお金を生み出してくれます。5年やれば6年目はサボったとしても、5年分の収入が得られます。

普通にやれば過去5年分+6年目の分が収入になります。

普通の仕事だったら去年までどれだけバリバリ働いて出世しても、今年は退職してしまったら収入は0です。退職金や失業手当はありえますが。こう考えると株はとってもお得な仕組みですね。

資本主義社会において投資家と経営者が労働者より多い収入を得られる理由はこれです。投資家と経営者は資産で稼ぐ仕事だから、資産が多ければ多いほど収入も増えるのです。そして基本的に人に働いてもらう仕事です。

しかし労働者は自分が時間や労力を提供した分しか収入を得られません。知識や技術、実務経験、実績などがあれば収入は増えますが、上限がある程度決まっています。

色々な会社・事業を知ることができる

株をやっていると、投資先企業について調べますし、投資した後には株主向け資料を読むことになります。するとよく知ってる会社がこんな事業をやっていたのかとか、こういう会社もあるのかと思うことがあります。

株を通して企業を知ることもあるのです。私は株主優待によって知ったお店がいくつかあります。今もそれらのお店に通っています。

向き不向きは性格による

株を10年やってみて思ったのですが、向き不向きは性格によりそうです。最近は東洋経済でメンタル面が投資の成否に影響するという記事を読みました。なるほどと納得してしまいました。

私個人の感想ですので人それぞれ違う意見があると思いますが、下記のような人はリスクが高いのであまりやらない方がいいかもしれません。

  • 積極的

  • 楽観的

  • ギャンブルが好き

  • 目先の収入につられる

  • その場その場で判断する

  • せっかち

  • 欲張り

逆に下記のような人は意外と向いているかもしれません。

  • 臆病(臆病過ぎては行動できないのでダメですが、多少臆病なくらいでちょうどいいと思います)

  • 慎重

  • 堅実

  • コツコツやるのが向いている

  • 長期的な視点で考えるのが得意

  • 勝負のタイミングを見極めるのが得意

  • 戦略を立てるのが得意

株は基本的には慎重にリスクを洗い出しながら進めます。そして攻めるべきタイミングで積極的に攻めます。これをしないと大きく損をする可能性がありますし、タイミングを見誤れば買い損ねたり売り損ねたりします。

夢は見ない方がいい

以前から投資には億り人とかFIREというものが存在します。そういうものを目指したくなる人は少なくないかもしれませんし、憧れる人は少なくないと思います。

しかしそれらを実現することはとても困難です。お金持ちで初期投資から1000万円など高額を用意できるなら話は違うと思います。しかし一般的な労働者でそんな金額をポンと出せる人なんてまずいないでしょう。

更には億り人やFIREを実現するには、何十年にも渡って高い利回りを実現する必要もあります。しかし最も堅実とされるインデックスファンドでも利回りは3~4%あればいい方です。株でも調べたところ5~8%くらいで、高くて10%のようです。

投資の神様と呼ばれるウォーレン・バフェットですら平均利回りは20%だそうです。

アクティブファンドは10~20%くらいの利回りが出ることもありますが、マイナスになることもあり、長期的にはインデックスファンドに劣ります。これはヘッジファンドの経営者が書籍で書いている現実です。

つまり大きな収益を得るにはよほど幸運でないと難しいです。それかよほど自分に合ったやり方を見つけられて、その上でそれを継続できる必要があります。かなり非現実的だと思います。

終わりに

10年間株をやってみて、私にとっては楽しいと解りました。もちろん人それぞれ向き不向きはあります。

ここに書いた内容でピンときて、やってみて上手く行くなら向いているでしょうし、上手く行かなければ向いてないでしょう。

また投資にリスクは付きものであり、株だってどんなに頑張ってもリスクを0にすることはできません。私も10年間で1回だけ損切をしたことがありますし、塩漬け株を2つ持っていて、いつ損切りするか困っています。

くれぐれも投資は自己責任でリスクを承知した上でやってください。私があなたの投資のリスクを負うことはできませんし、あなたに合った投資スタイルを提案することもできません。

私はこれからも株を続けて行きます。

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