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ニューヨーク金融市場

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#原油

原油ETFがまた招いた混乱。米国ではトランプの支持低下が目立つ

原油ETFがまた招いた混乱。米国ではトランプの支持低下が目立つ

原油安の原因は"また"ETFのUSOだった
本日も原油が大幅安。初めは先行きの需要懸念(=景気減速)が高まっているのかと思ったが、その後、このブログでも何度か取り上げている米大手原油ETFのUSOが再び限月交代を行なっているということが判明した。

今回の報告書によると、本日から4/30までに先物の限月ロールを行う模様。
元々は直近限月(2020年6月)を100%保有する形式のETFであったが、そ

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全ての限月で下落した原油価格

全ての限月で下落した原油価格

全ての限月で下落した原油価格
昨日は主に直近限月(5月受渡)がマイナス価格へと下落し、話題になったが、本日は6月限以降の先物も下落しており、カーブ全体に売り圧力が見られている。(5月限は本日が最終取引日)

最大手の石油タンク運営会社であるロイヤル・ヴァパックのCEOが「石油を貯蔵するキャパシティーはほぼ完全に売り切れた」と述べるなど、そう簡単には保管場所の問題が解決されないとの思惑も台頭している

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なぜ"原油の大暴落"に市場は反応しなかったのか

なぜ"原油の大暴落"に市場は反応しなかったのか

WTI先物は史上初となるマイナス価格まで大暴落。
しかし、より正確に言うのであれば、「5月限の原油先物が大暴落」して、「限月間スプレッドが拡大した」というのが正しい表現だろう。

なぜ、限月間スプレッドが拡大してきたのかは前回、記事にしているので参考にしていただければと思う。

前回の記事で書いた理由は3月以降に起きた「中期的な理由」であるが、本日はそれに「短期的な理由」が加わり、5月限の原油価格

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来週の火曜の原油に注意!原油の限月間スプレッドについて

来週の火曜の原油に注意!原油の限月間スプレッドについて

3月のOPECが仲違いに終わった後、急速に広がった原油先物の限月間スプレッドが話題になっている。

マーケットでは、"原油価格"というと通常は"期近の"原油先物の価格を示すが、これは今だと5月受渡のもので、足元では1バレル$20を下回る価格で推移している。

しかし、これに次の限月(6月受渡)を重ねてみると実は見え方がだいぶ変わって来るのだ。

上のグラフは青が先ほどと同じ期近の原油先物の価格、赤

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「原油戦争」の仕掛人はプーチンだと思う理由

「原油戦争」の仕掛人はプーチンだと思う理由

ご存知の通り原油価格は今月に入り急落している。

世間一般の解釈は「サウジアラビア」が仕掛けたとされる、今回の米シェール企業をターゲットにした価格競争であるが、私はそうは考えていない。

確かに、OPECの交渉決裂後にすぐさま増産を発表したのはサウジアラビアであるし、二大石油大国であるロシアは「サウジアラビの脅しには屈しない」と話しており、表面的にはロシアよりもサウジアラビアが仕掛けたとように見え

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サウジ、逆ギレで増産へ。他の王子は粛清。

サウジ、逆ギレで増産へ。他の王子は粛清。

OPEC+で大規模な減産を提案していたサウジアラビアですが、ロシアが減産に反対したことで、OPEC内でも収集がつかなくなり、金曜に会合は破談しました。

ここまでは金曜日のニューヨーク市場で織り込み済みでしたが、週末にはサウジアラビアが「言うこと聞かねぇなら増産してやるよ!価格競争だ!」と言って週明けの原油価格は先物で30ドル台まで暴落しています。(チャートは1バレル当たりの原油価格$)

また、

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