忘れられない夏の景色がいまここに
うわぁ~、なんておいしそうなんだ。
子どもの頃、田舎をもたないわたしは『となりのトトロ』に出てきた川でトマトときゅうりを冷やして食べるシーンに猛烈にあこがれていました。
家族でキャンプに行っては、河原で石をならべて、水の流れをつくってそこに野菜をうかばせてみたりもした。
それ以来、ばくぜんと野菜作りに興味をもってきました。
時の流れは止まらずわたしは大人になったが、トトロは色あせない。
あのサツキとメイのかぶりついた野菜の記憶も色あせない。
その想いを30年近く持ち続けて、この春はじめて借りた区画貸し農園。
見よう見まねで、わき芽かきや誘引、猛暑が心配になり早朝に水やりをした。
嵐の夜は不安でいっぱいになり、翌朝無事に立っていたトマトに歓喜したこともありました。
すべてはこの時のために。
川で冷やすことはできないけど、トマトは流水で冷やして、枝豆は塩ゆでして、ビールと合わせる。
わたしのトトロへの憧憬は、子どもに引き継がれて、今は子どもがトマトに目を輝かせている。
ちょうどサツキとメイくらいの年頃の娘ふたり。
ひとりで食べるよりも、みんなで食べる方がよりおいしい。
この瞬間を30年間待っていたと思うと、最高ではないか。
この記事が参加している募集
都会で実践できる農ライフ、読書、ドイツ語、家族などについて「なぜかちょっと気になる」駄文・散文を書いています。お読みいただき、あなたの中に新しい何かが芽生えたら、その芽に水をやるつもりでスキ、コメント、ほんの少しのサポートいただけると嬉しいです。