【読書】あなたは日本語で作文できますか?

こんばんは、つちいじりです。

現在、本多勝一『【新版】日本語の作文技術』を読んでいます。

一言でいえば、ゾクゾクしながら読んでいます。

長きにわたる文章術のベストセラーです。

冒頭でも書かれている通り、読み手にとって分かりやすい文章の書き方にフォーカスした本です。

というのも、著者の本多勝一は新聞記者です。

新聞記事は、小説や日記とは違い、ノンフィクションが求められます。
分かりやすい文章を書くプロなのです。

その書き方には、いくつかの原則があるそうです。

特に、語順句読点の正しい用法をしっかり理解すれば、文章が劇的に分かりやすくなります。

その極意については後日、できれば読書記録として触れたいと思いますが、
本書を読むと、読書感想文を書くことへ並々ならぬプレッシャーを感じます。

なぜかというと、日本語教育や作文について、著者はとても示唆に富んだことを言っています。

日本語が西洋言語に比べて、非論理的だという言説のは間違いだということです。
日本語を西洋言語の文法観や記述法によって、理解し、解釈しようとしてきたことが、日本語教育を遅らせてきたとも言っています。

言語とはすなわちその社会の論理である。

本書P22-23より

著者に言わせれば、日本語も日本語として論理的な言語であって、他の言語と比較するべきものではないと言っています。

ただし、それを使う人間が論理的だとはかぎらないということも言っています。

日本人によって日本語が正しく使われていないことは、日本社会や文化の衰退そのものだという危機感を持っているのかもしれません。

そのため、外国語の文法や記述法を習うのと同じように、日本人は日本語の作文技術を学ぶことの重要性を著者は説いています。

読書感想文の書き方ではなく、作文の基本的技術を習得することを。


本書の初版は1982年に刊行されました。
つまり今から40年前です

40年後の現在これを読んでいるわたしは、日本語の基本的な作文技術(ルール)をまったく知らなかったのだと恥じながらページをめくっています。

ここに書いている文章も本書に沿って添削したらきっと真っ赤だろう。

ということは、今も日本社会の文化的衰退は止まっていません。

名著、名文は色褪せない。
それを未来へつなぐことこそが文化を守り、育てるということだと思います。

本多先生、勉強させてもらいます!

ではまた。

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