管矢と弓戦の話 〜ビザンツ帝国と中東〜
1 十字軍と管矢1250年、ルイ9世の下で第7回十字軍に従軍したジャン・ド・ジョアンヴィルがエジプトのマンスーラの戦いで体験した逸話は、当時の弓矢の威力を語る際によく引き合いに出されます。
多数の矢を射かけられた彼は、偶然みつけたサラセン人のギャンベゾンを盾にしたこともあり、彼自身は5箇所、馬は15箇所の傷を負いながらも大事には至りませんでした。
その夜、彼と騎士たちは傷のせいでホーバーク(鎖帷子)を着ることができず、敵襲に備えて王に助けを求めざるをえなくなりました。