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#世界史がすき

遂に一般向けのヒッタイト概説書が出版されました。

 時々チェックしている歴史ブログ「現在位置を確認します。」さんに、こんな記事が出ました。

 ヒッタイトと言えば、自分がやっている世界史シリーズで、ヒッタイトを取り上げた時のことを思い出します。最初は教科書通りヒッタイトは製鉄技術を独占しその力で大帝国を築いたが、海の民によって滅んだ。ヒッタイトの滅亡で製鉄技術が広まった。というラインで纏めようと思っていたのですが、それを全面的に再考せざるを得なく

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四大文明概念を批判する

四大文明概念を批判する

 時間がなくなかなか進まないながら「メソポタミアとインダスのあいだ」という本を読んでいます。タイトルの通り、メソポタミアとインダス文明の領域の間で両文明間の交易に携わった、イラン高原とペルシャ湾岸の「文明」について述べた本です。
 かつては「四大文明」という言葉が広く使われていたのは、ある程度の年齢以上の方ならご存知でしょう。古代中国に複数の文明が存在したことが明らかになった後も、「黄河文明」を「

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間違えて借りた本

 上の子が読みたがっていた本を図書館で予約した時、同じ著者の別の本も間違えて一緒に借りてしまったのですが、せっかくだから読んでます。「危険な世界史(運命の女編)」中野京子・著。2ページ程度の短い歴史エピソード集。こういう本を読むのも久しぶり。紙の本を読む能力が衰えているのをけっこう感じていたのですが、この程度の軽い読み物ならスイスイ読めます。

 ところでこの本に登場する歴史エピソードにはそれぞれ

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「マイナー部族」に違和感

 講談社選書メチエの新刊「中華を生んだ遊牧民 鮮卑拓跋の歴史」の紹介記事。拓跋部について『あえて「マイナーな部族」に光をあてた』という記述に違和感がありました。誰でも知っているほどメジャーではないでしょうが、高校世界史ではそれなりに重要語句だったと思うんですが。