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【卒業生の今】ビヨンドトゥモローで培った、私たちだからできること。

こんにちは、インターン生のマナカです!🐦🌈
今回は、私と一緒に2023年度の「ジャパン未来スカラーシップ・プログラム」に参加していた同期の、松岡結衣さんとサラさんにインタビューしました!👏👏

プロフィール

松岡結衣(20) 長野県出身 看護学科2年 
2022年度エンデバー・プログラム
2023年度ジャパン未来スカラーシップ・プログラムに参加
サラ(20) 教育学科2年
2023年度ジャパン未来スカラーシップ・プログラムに参加

*エンデバー・プログラム:児童養護施設などの社会的養護の施設および里親家庭に暮らす、進学を目指す高校生に受験費用10万円の補助と1年間の人材育成プログラムを提供する奨学プログラム
*スカラーシップ・プログラム:親との死別・離別や虐待などの社会的困難を経験した大学1年生に返済不要の奨学金50万円と1年間の人材育成プログラムを提供するもの。

―2人は何を目指して、大学でどんなことを学んでいますか

(結衣)地域のお父さんお母さんが頼れる環境や仕組みづくりのために、今は「母性看護」っていって母子について詳しく学んだり、大学に行って助産師の資格を取るために勉強しています!
(サラ)私は幼少期の経験から誤解や偏見のない世界を作りたいと思っていて、大学では特に、人々に触れやすくて力のある映画を使ってより良い世界を作るアイデアを勉強しています!

大学での結衣さん

―なぜビヨンドトゥモローに参加しようと思ったのですか?

(結衣)高校2年生の9月、養子縁組手続きをしようと思っていた矢先に里父が亡くなってしまって、その直後に児相からビヨンドトゥモローの冊子をもらって、「これは行くしかない」と思ったんだよね。これは里父からの挑戦してみろっていう最後の贈り物だと思って応募しようと思ったんです。あと同じ境遇の仲間と出会ってみたいなと思ったかな。
(サラ)私が応募したのは総合選抜型入試が終わった後で、学費と生活費を今後自分で払っていくために必死に奨学金を探してた(笑)。東京って場所にすごい憧れを持っていたし、当時コンプレックスだった「片親」っていうのも強みにして応募できることにすごくいいなって思いました。

2024年度最後のプログラムで高尾山に上ったサラさん奨学生たち

―応募した時や、初めて参加したスプリング・プログラムはどんな気持ちでしたか

(結衣)エンデバー選考のzoom面接では、見るからに偉い人がいたり話のハードルが高くて(笑)、受かるかなってすごく心配だったけど、とても優しく丁寧に話を聴いてもらえて、緊張したけど安心したのを覚えてる。初めてのスプリング・プログラムは沖縄だったんだけど、みんな初めて会ったのにそんな気がしないくらい温かくていい人たちだった。たくさん話しかけてくれたりもして、そうだね、「温かい」っていうのがすごく印象に残ってるかなあ。
(サラ)いい経験になるなって思って応募したから、正直受かるなんて微塵も思っていなくてビックリした。スカラーの二次面接で招かれた日本橋の会議室には本当に度肝を抜かした(笑)。スプリング・プログラムでは、「逆境」を経験した子たちが全国から集まったことに感動したな。ビヨンドトゥモローは、一回きりのイベントじゃなくて年間を通した仲間ができる場所だから、なんだろう、境遇を体験した仲間と会えることに「人生変わるかも」ってすごく希望が持てたかな。

エンデバーとして初めて参加する結衣さん

―1年間のスカラーの活動の中で特に印象に残っていることを教えてください

(結衣)8月のサマーキャンプと、最後の3月のクロージング・プログラムが自分の中で特に印象に残ってる。サマーキャンプは「自分たちで実際に実現可能なものを提言してください」って言われたことが新鮮で、こうやってスタートを切っていくんだなって実感して印象に残っているかな。あとビヨンドトゥモローのオフィスに行って提言作成した時間も自分にとって大事だったなって思ったな。クロージング・プログラムではリーダーだったんだけど、うまくまとめたりできずに落ち込んでいて、夜のリーダー会議の時にいっぱい吐き出したんだよね。そしたらみんながアドバイスをくれたり励ましてくれて、「ああそうだ、ビヨンドってこういう温かいものだよな」って思って再度実感できてすごく印象に残ってるかな。
(サラ)活動では常にエンデバーという後輩がいたので「お手本にならないと」という意識があった。だから同じ立場のスカラーのみのプログラムでは、プレッシャーや変な焦りがなくて印象に残った。みんなを信頼してるからこそ余裕が持てたりとか、議論の場でも取り繕うことなく本気で話し合えたりとか、すごくよかったな。

提言をチームで作成する結衣さん
プログラムで発言するサラさん

―あなたにとってビヨンドトゥモローはどんな場所ですか?

(結衣)「自分の挑戦を後押ししてくれる場所」です!ビヨンドトゥモローに参加してから、自分の挑戦してみたいことや自分で行動を起こしてみようってことができたんだよね。新しいことに挑戦するとき、どうしよう、不安だなあって思うけど、そういう時にビヨンドトゥモローに参加している学生やスタッフの顔がパッと浮かぶのね。なんでかなって考えたときに、プログラムで色んな学生がメンターさんたちに、今こういうこと活動しててこういうことで困ってるんです、今こういうものを立ち上げようと頑張ってるんです、って話す姿が多くあった。きっとそういう姿を多く見たから、何か挑戦しようと思ったときにビヨンドが後押ししてくれてるんだなって思ってるかな。
(サラ)ビヨンドは私にとって、文字通り「第三の居場所」です。家でも学校でもない、素の自分をさらけ出せて、素の自分を許してくれる場所だと思ってて、いわば自分のアイデンティティを作ってくれた場所なのかなって今は思ってる。自分のことを社会に出たら替えの利く歯車の1つのように感じていたけれど、プログラムで「自分たちだからこそできる提言」を考える中で、「自分にしかできないことってあるんだな」って思わせてくれたのもすごく大きかったね。

久々に再開した23年度スカラーシップ・プログラムの奨学生たち

―ビヨンドの経験を生かした、それぞれの今の取り組みを教えてください!

(結衣)私は去年「まちあかり」という団体を作りました!地元の新潟県柏崎市は若者がどんどん流出している市で、「地域の魅力を知る高校生を増やす」という取り組みを行ってきました。今年の3月には、柏崎市の高校生が柏崎市の事業者さんのところへインターンに行くという企画を行ってみました!ビヨンドトゥモローに参加してから、自分の経験や思いを形に表す先輩たちの姿をたくさん見てきたことが、今の活動の原動力になってるなと思う。それと自分が里家にいるときに一時保護で預かる小さい子たちが時々いたんだけど、お母さんたちが支援を受けられなかったり地域に頼れなくて施設に預けるしかないっていう事情が多かったのね。地域の中で育てられる空間を作るために、今はそういう知識とか自分の体験や経験を増やしているかな。そうやって今後は自分の境遇をメインで入れた活動ができたらいいなと思っています!
(サラ)私が今所属している学生団体が、映画を中心に据えて、東アジアの歴史問題について考えて対話を生むっていう団体になります!11月31日と12月1日の2日間にわたって開催することになっていて、今は脚本と映像の公募を締め切って、着々と映画祭に向けて準備を進めています。ビヨンドトゥモローではいつも何かしらの社会問題がテーマとしてあって、色々な人から話を聴いて、みんなで議論を重ねて、「自分たちだからできる解決策」っていうものを1年間かけて導き出して、それとつながるなって思ったことがあって。歴史問題ってセンシティブな分野で、対話が生まれにくかったりするんだけど、私たちは一般大衆と学問の世界を繋げる立ち位置にあると思っていて、それを映画っていうポップカルチャーと学生が担うっていうことで、これも「自分たちだからこそできること」なんじゃないかなって思いながら日々活動しています!

「まちあかり」で活動する結衣さん
学生団体の仲間とサラさん

―未来のビヨンド生へ、メッセージをお願いします!

(結衣)今の時代、どれほどの人が自分と向き合い、そしてそれを信頼する人に話しているでしょうか?それから、「人のために」と思い生きる人はどのくらいいるでしょうか?ビヨンドの経験は、今の時代に生きる人々が忘れている感覚を取り戻すことができると思っています。私はビヨンド卒業生として、そしてこれからを生きる人として、自分の経験を無駄にすることなく人に寄り添った行動ができる人になりたいと思っています。皆さんの人生が明るいものになることを祈っています。
(サラ)ビヨンドの活動は、たくさん頭を使って、たくさん気も使います。参加するのにエネルギーが必要です。でも、それと同じくらいエネルギーをもらえるプログラムでもあります。同世代との出会いはもちろん、ビヨンドに関わらないと出会うことのない人がたくさんいて、ビヨンドでしかできない経験がたくさんあります。いまあなたの感じる「逆境」が、気づけば自分にしかない強みに変わっていると思います。

23年度サマー・キャンプのBBQにて。結衣さんと昨年度インターン
23年度スカラーシップ・プログラム奨学生の三人

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