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南イタリアの海

毎年恒例となったヨガリトリートの専属セラピストの仕事。今年は、南イタリアはサレント半島にあるMasseria Limbitelloというオリーブとレモンの木に囲まれたヴィラのあるアグリツーリズモに滞在。

朝と夕方のヨガ、朝夕の食事の材料は全てそこの有機農園(もしくは近所の農園)で採れたもの。日中は各自好きなことをして過ごす。併設の海水プールでのんびり日光浴をする人もいれば、何人かで連れ立ってビーチへ行ったり、車で少し離れた街に行ったりする人も。仕事をするノマドワーカーもいる。そして私はこの自由時間の間に施術を提供。

今年で5年目のこの仕事。イタリアのイスキア島、インドネシアのバンカ島、イタリアの北サルディニア、ギリシャのパクソス島、そして今年のサレント。毎年始まってみないとどれだけの需要があるかわからないし、それでも否応無しに経費はがっつりかかるのだけれど、夏でも数えるほどしか暑い日がないロンドンを離れて、少しの空き時間でもプールや海に飛び込める環境と気候、綺麗な空気と太陽をたっぷり含んだ味の濃い野菜をはじめとする食事、と気分はほぼホリデー。

ありがたいことに、今年はとっても沢山の施術依頼があって、終わってみればロンドンでのそれに比べて8割増の施術数だった。

それでも真ん中で丸1日の休みを取って、みんなでボートに乗って、サレント半島の東側半分を海から洞窟探検に出かけた。海の真ん中でボートから海に飛び込んで泳ぐのがなによりも大好きな私は始終にっこにこ。

透明で果てしない深さの海面に大の字に寝転がるようにして浮かんで目を閉じると、海の音と、閉じた瞼の上に感じる太陽の光と、自分の心臓の音が溶け合って、地球の中心部と空よりずっと高いところと一体化したような感覚に包まれる。どうしようもないはどの幸福感の中で、このままずっと、ただひたすら身を任せて、自然に還っていけたらいいのにと思う。

それでも仲間たちのきゃっきゃと騒ぐ声に我に返り、船上に戻って、カルツォーネの揚げたのやアランチーニをおつまみに、甘くないサングリアのようなフルーティかつ味わい深い赤ワインとで、キャプテンも交えての船上酒盛り。さっきの透明な気分はハートの隅っこに追いやられたようだ。

私は集団行動が苦手なので、毎晩10数名の大きなテーブルを囲んでの騒がしい食事にはぶっちゃけ精気を吸い取られ、はやくウチに帰って静かに過ごしたいと思っていたけれど、ロンドンに戻って2日でやっぱりこちらも忙しない街の空気とモノや人の多さ、そして何より果てしなくグレーの空に、自転車に乗って20分以上こがないとお店すらない不便さや、言葉は分からないけれど身振り手振りと笑顔でなんとか会話をしていた南イタリアがすでに恋しくてたまらない。

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