見出し画像

神無月末そして霜月初頭のテクスト:寒風と大きな街

 街、とひと言云ってもまあ色々あるわけで、なにを知っているわけでもないのだが、しかしとりわけ大きな街というのはなにか心強いものがある。

 なにをするわけでもないのだが、そこに目印をもとめる人が絶えないかぎり街はありつづけるのだろう。繁華街の大きな映画館だって、実際に遊戯場などの娯楽建物の類いとしてとらえているよりかは記念スポットとして物見遊山に組み込まれているかのようなものだろうし、ただの象徴としての空間として名の知れたエリアも多くある。

 思えば疫病禍のなかにあって、夜の寒風のなかでも都市の煌めきはその勢いを失うどころかいよいよ多様多極化をみせつけているし、それでいいのだ、とされているのだろう。

 街のエネルギーにおのずから与することは中々なくとも、それらからまだ見ぬ新しいなにかを見出すことはあるのかもしれない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?