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「無意味に思える」手話でどう訳す? 

▶ Contributions(寄稿)yuka (BeOneプロジェクト代表)
※私ども「ハニポ」 はBeOneプロジェクトの活動・運営を無償サポートしています

歌詞を手話に訳す作業が深い理解に繋がっていく

「BeOne手話ソングプロジェクト」では、手話に限らず、色々な活動をしていますが

メインとなる「手話歌の動画リモート制作」の企画で、
手話初心者にとって「面白い〜!楽しい~!」と思うエピソードがあったので、共有します♪

現在、第3期と称して、この活動のseason3の時期として企画が進捗しているところで

BeOne東北チーム
BeOneどなたでも参加できるチーム
Antelope(UTAさん×三浦大知くん楽曲)

と3つの動画制作企画が進行中。

Antelope」は、BeOne手話ソングプロジェクトとして初めて、
BeOne」以外の楽曲を振付から行う、というチャレンジをしています。

「Antelope」は、三浦大知くんとしては
『こんな時代だからこそ生まれた曲。 誹謗中傷などが目に付く世の中だけど、愛を届けたい』
…という思いを込めた曲。

その「Antelope」に、

-------
答えなんてなくて
でも答えが欲しくて
何処にいても「無意味に思える」
今だからこそ

-------

という歌詞があるのですが、その「無意味に思える」という部分について、「どう解釈・意訳するか」というやりとりをした時の話です。

当初の手話経験者さんによる振付では
「意味なく思う(否定的)」という手話で振り付け。

手話の解る難聴者さんの監修では
「無意味に思う事が出来る(肯定的)」となり。

この『出来る』という手話を取るかどうかで
「どっちも歌詞は合っているのに、相反しちゃうの、ナゼ?」 という状態に。

「意味なく思う事が出来る」…この解釈は、じゃあ歌詞としてどうなんだっけ?

と、手話以前に日本語の難しさに
企画サイドが揃って頭がこんがらがり(笑)

そこで、第2期で 「UTAさん&三浦大知くんファンチーム」 に参加して下さったBeOne手話歌ファミリーの皆様に、相談。

※こうして、企画が終わった後も、参加者同士でワチャれるところが、このコミュニティの良いトコロなのですが

皆であーでもないこーでもない、と(笑)

-------
「答えなんて無いけど、答えが欲しい。だって何処にいても無意味に思っちゃうから…」
(コロナ禍で何が正解か、解らない世界になっちゃったから)
「でもそんな時だからこそ、岩をも砕くような愛の力が必要なんだ~!」
-------

という解釈だったら、
・無意味に「思う事が出来る(思う事に対して肯定的)」
よりも
・無意味に「思っちゃう(思う事に対して否定的)」
が、しっくり来るのでは?

いやしかし、「無意味に思える」を英訳すると
『I think 無意味』
となるけど、これを日本語特有の微妙なニュアンスにしたら
『I can think 無意味』
となるのでは?

前者は直訳すると、
「無意味に思う」になる
それを
「無意味に思える(思う事が出来る)」
とすることで、少し自虐的や絶望的な要素を演出することが出来ているのでは?

と。

さらに、ここの訳詞の難しいトコは

・「無意味」に「思う」
を、言い換えて
・「意味」が「あるとは思えない」

と、するかどうか、という部分にあって
言い換えるとしたら さらに

否定語を
「意味」に載せるのか → 無意味(意味が無い)
「思う」に載せるのか → 思わない

どっちがどうなるんだ??? となり。

…結果、どういう振付になったかは、今後をお楽しみに! 

こういうやりとりをする事で、改めて皆とのコミュニケーションが生まれる事自体が楽しいのですが、

「へー!」とか「ほー!」とか、皆で意見を出し合って、色々考える事で

・手話への理解が深まったり
・難聴者さんの意思疎通の難しさについて発見する事ができたり

「難聴」や「手話」というモノに対して学べている、という有難い環境が出来てきた!

そして「音楽」というモノに対しても

・歌詞に込められた思いを深く読み取る事

など、ただ耳に流し込むだけではなくて意味をよく感じ取り、より一層理解が深まって
「この曲、好き♪」「音楽、好き♪」「この曲を作ったアーティスト、リスペクト♪」からの

「これが手話や手話表現の面白いところかぁ!」と、一周回って「手話歌、楽し♪」となったりしています。

手話の奥深さや性質、その言語の持つモノ、歌詞の解釈、
そうした説明の難しい事を、体験しながら皆で少しずつ学べている事が
すごく、面白いコミュニティになって来たなぁと思いました!

一緒に考えて下さった皆さま、どうもありがとうございました♪


※私ども「ハニポ」 は「BeOneプロジェクト」の活動・運営を無償サポートしています

▶『ハニポ』
・活動拠点➡ 『ハニポ』手話歌の入口コミュニティ 
(Instagram / @honeypaw.music )

元々は「BeOne手話歌」の活動をきっかけに「BeOneプロジェクト」という企画で繋がったメンバー数名が、BeOneプロジェクトの活動のサポートをする目的で2021年に発足。

その後「手話に特化した活動」に幅を広げ、ボランティアで手話を教える、
教育機関への手話歌活用の投げかけなど、様々な活動と啓蒙を行うチームへと進化。

テーマは「手話への壁を低く、楽しく」
1000の単語でネイティブな手話言語が出来る人を10人作るより
10の単語で簡単な挨拶が手話で出来る人を1000人作るという活動を行っています。

▶『BeOneプロジェクト』(旧:BeOne手話ソングプロジェクト)
・発信拠点➡
 参加型 音楽コミュニティ♪『BeOneプロジェクト』 BeOne手話歌公式
(Instagram / @miura0824yuka.beone )

「音楽で繋ぐ」 をテーマに、誰でも共に音楽を楽しめるようにと願いを込めて2020年4月に発足。

楽曲 「BeOne~僕らにできる事~」 をきっかけに、代表作「BeOne手話歌」のほか、ダンス、歌、演奏、手話歌 等 様々な表現方法で音楽を奏でる 「リモート動画制作」 を行い、誰でも参加できる、誰とでも音楽で繋がれる場を作っている、SNS上の 音楽サークル。 (非営利団体/参加費無料)

2023年までに 参加者延べ人数700名を越え、
動画制作だけでなく、多様性を認めあうきっかけ作りの交流の場ともなっています。

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