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!T40 ~知的財産権について~

Introduction

普段は、基本情報技術者試験のための勉強をしています。
今回は「知的財産権」についての勉強をします。
主に、「いちばんやさしい」技術者に向けての対策本を参考にしております。ぜひよかったら、お手元にどうぞ。私がよく使っているものです。
全然関係はないのですが、作者の地元が一緒なので勝手に親近感が湧いているというだけです。ベストセラーですので、実績もありとても良本だと私は思います。

前回と前々回のものはIndexに載せています。

Main

--法律を学ぶ意味--

 今日の情報社会は、ヒト、カネだけの社会だったのが、
さらにモノとチエが追加されました。ヒト・モノ・カネ・チエの社会では、目にみえる財産だけでなく、目に見えない財産もあつかう必要が出ます。
このような財産のことを、「知的財産」と呼びます。
 
 仕事でパソコンを使っていて、知的財産を、知らず知らずのうちに
法律違反を犯してしまうというリスクがあるのです。そのために、著作権は自分の身を守るために学ぶ必要があるといえます。これは覚えておいてください。

--知的財産権とは--

 ここで、みなさんは「著作権」と「知的財産」を区別できますでしょうか。私は、二つとも同じものだと思っておりました。ここで知的財産とは、
人の知恵から生み出された発明やデザインのことで、「形のない財産」のことを言います。この財産を所有できる権利のことを知的財産権と言います。

この知的財産権は3つあり、
 ・著作権
 ・産業財産権
 ・その他の権利 に分類されます。
まさにこの知的財産権は今日の情報社会でいう「チエ」になります。

・著作権

 知的財産権の1つ目である著作権についてです。これは創作物に対する権利になります。著作物を創作した時点で、自動的に発生するというものです。本、音楽、写真、映像、美術作品・・・などなどたくさんありますが、
その中でもITに特化したものがプログラムです。これは保護されるのでしょうか。

 その答えは、保護されるということです。例えば、ソースプログラムオブジェクトプログラムは保護されます。

しかしながら、これらは保護されないことが注意です。
 
プログラム言語
 
アルゴリズム
 
プロトコル
この3つがないと、そもそもプログラムを作ることすらできません。
なので、保護対象から外れるということになります。

・産業財産権

 その名の通り、産業分野に関わる知的財産権になります。この種類は主に4種類あり、
 ・特許権
 ・実用新案権
 ・意匠権
 ・商標権 に分類されます。

特許権・・何か新たに発明されたものに与えられる権利です。高度な技術が必要なので、審査は厳しいそうです。
実用新案権・・物品の形状の考案を保護する権利。物事を便利にするアイディアであればOK。
意匠権・・物品のデザインを保護する権利。
商標権・・トレードマークなどを保護する権利。

これは、スマートフォンで言えば、
特許権はタッチディスプレイ
実用新案権はホームボタン
意匠権はそのデザイン
商標権は🍎
みたいな感じですね。

・その他の権利

 主に、営業秘密というものがあります。これは、
秘密管理性・・マル秘というような書類。よく見ますね。
有用性
・・営業上で役に立つ情報。顧客情報など。
非公知性
・・一般的に知られていない情報。プライバシーですね。

 例えば、これに権利がなかったら、この情報を持っている人や企業がその分野を独占してしまったり不正な競争が行われることになります。
不正競争防止法があるおかげで、他社商品の不正コピーや他社を中傷する行為が行われないようにする必要があります。

--セキュリティ関連法規--

 法律の中でも、セキュリティについても考えなくてはいけません。
知らず知らずのうち、というよりも、それを知った上でサイバー攻撃をされたり人や国を守るためにサイバーセキュリティ基本法という法律があります。全ての人や組織が守らなければいけない法律になります。

・刑法

 コンピュータ犯罪などもあるのですが、
電子計算機損壊等業務妨害罪・・他人のコンピュータを破壊すること。
コンピュータウイルスに関する罪
・・ウイルスについて作ったり、使ったりすること。これらの二つがあります。

・不正アクセス禁止法

 アクセスとは、コンピュータに接続すること。
不正アクセスというのは、
なりすまし
セキュリティホール
他人のIDとパスワードを取得する
許可なく、他人のIDやパスワードを無断で誰かに教える
の4種類があります。

 セキュリティホールとは、システムのセキュリティ上の弱点を悪用してアクセスすること。セキュリティの抜け穴(ホール)なので、
いわゆる欠陥です。【脆弱性】と呼ばれます。

・個人情報保護法

 この法律で守られているものは、主に3つです。
・氏名と住所
・社員名と役職
・個人が識別できる映像と音声 これらがきちんと守られているのです。

--労働関連法規と取引関連法規--

 労働者を守る権利をここでは紹介します。これがないと、企業が利潤だけを儲けることを考えた時に、労働者の権利が守られません。つまり、労働環境の悪化になります。

雇用契約・・労働者から直接、会社から来ようと指示を受ける労働形態のこと。
労働者派遣契約・・労働者が派遣元から雇用をうけ、派遣先から指示を受ける労働形態のこと。
請負契約・・発注者と受注者の間で請負契約書を作成し、請負契約を結ぶ。

 請負契約は、指示者と雇用主が一緒です。
労働者派遣契約では、派遣先が指示を出せる。
請負契約では、派遣先は指示を出せない。

なお、請負契約の特徴は、
完成責任・・直接指示は出せないので、仕事の完成を持って報酬を支払うことになる。
契約不適合責任・・逆に、完成した仕事に不適合な部分があった場合は指示を出した請負会社が責任を負う事になる。

Exercise

第1問

労働者派遣における派遣元の責任はどれか。

平成26年春期 問80
1問目/選択範囲の問題数69問

  • ア派遣先での時間外労働に関する法令上の届出

  • イ派遣労働者に指示する業務の遂行状況の管理

  • ウ派遣労働者の休日や休憩時間の適切な取得に関する管理

  • エ派遣労働者の日々の就業で必要な職場環境の整備

解説

派遣労働者はまぎれもない労働者であるため、言うまでもなく労働基準法などの各種の労働法が適用されます。

労働基準法第32条には「1週40時間、1日8時間」という法定労働時間が定められていて、これを超える労働を行うためには労使間で36協定を締結し、所轄の労働基準監督署長に届け出を行わなくてはなりません。
(労働基準法第36条)

派遣労働者と雇用関係にあるのは「派遣元事業者」ですから、派遣労働者が派遣先で時間外労働を行うためには、労働者派遣契約に時間外労働や休日労働の条項を記載するとともに、派遣元事業者が派遣労働者と36協定を締結し届出を行う必要があります。

したがって派遣元の責任で行われることとして適切なのは
「派遣先での時間外労働に関する法令上の届出」です。

第2問

図のような契約の下で,A社,B社,C社の開発要員がプロジェクトチームを組んでソフト開発業務を実施するとき,適法な行為はどれか。

平成21年秋期 問802問目/選択範囲の問題数69問
  • アA社の担当者がB社の要員に直接作業指示を行う。

  • イA社のリーダがプロジェクトチーム全員の作業指示を行う。

  • ウB社の担当者がC社の要員に業務の割り振りや作業スケジュールの指示を行う。

  • エB社の担当者が業務の進捗によってC社の要員の就業条件の調整を行う。

解説

  • A社の担当者がB社の要員に直接作業指示を行う。
    請負契約では、受注側の要員は受注側の指揮命令の下で業務を行います。よって、A社はB社の要員に直接作業指示を行うことはできません。

  • A社のリーダがプロジェクトチーム全員の作業指示を行う。
    A社とB社は請負契約です。B社は成果物を完成させる責任があり、その方法は問われません。よって、A社のプロジェクトの下で作業を行う必要はありません。

  • B社の担当者がC社の要員に業務の割り振りや作業スケジュールの指示を行う。
    正しい。派遣契約では、派遣元の要員は派遣先の指揮命令の下で作業に従事することになります。

  • B社の担当者が業務の進捗によってC社の要員の就業条件の調整を行う。
    B社とC社に所属している要員との間に雇用契約はありません。派遣元企業に所属する要員の就業条件の調整は派遣元企業が行います。

第3問

シュリンクラップ契約において,
ソフトウェアの使用許諾契約が成立するのはどの時点か。
令和元年秋期 問79
3問目/選択範囲の問題数69問

  • ア購入したソフトウェアの代金を支払った時点

  • イソフトウェアの入ったDVD-ROMを受け取った時点

  • ウソフトウェアの入ったDVD-ROMの包装を解いた時点

  • エソフトウェアをPCにインストールした時点

解説

シュリンクラップ契約とは、ソフトウェアの購入者がパッケージを開封することで使用許諾契約に同意したとみなす契約方式のことです。
パッケージの表面に使用許諾契約が印刷され、透明フィルムで包装された市販のパッケージソフトなどに適用されるケースがあります。
シュリンクラップ(Shrink-wrap)とは、製品の包装のことです。

したがって使用許諾契約が成立するのは「包装を解いた時点」となります。

第4問

著作権法に関する記述のうち,適切なものはどれか。

平成17年春期 問80
4問目/選択範囲の問題数69問

  • アインターネット上に流れる情報は有形な複製物を介さずに流通するので,著作物の複製に関する規定は適用されない。

  • イ絵画などのアナログ情報をコンピュータ処理によってディジタル情報に変換する行為は,情報の質を変化させるので,著作権法でいう複製には該当しない。

  • ウ写真集に掲載された写真を無断で複製して自宅の居間に飾ることは,私的使用になるので著作権の侵害にはならない。

  • エ他人の著作物を無断で個人のホームページに掲載しても,だれからも参照されていなければ,権利の侵害にはならない。

解説

  • インターネット上に流れる情報は有形な複製物を介さずに流通するので,著作物の複製に関する規定は適用されない。
    著作権法には、著作権を侵害する自動公衆送信(インターネット通信など)を受信して行うデジタル方式の録音又は録画に対しても複製に関する規定があります。

  • 絵画などのアナログ情報をコンピュータ処理によってディジタル情報に変換する行為は,情報の質を変化させるので,著作権法でいう複製には該当しない。
    著作物を録画・録音したり、印刷や写真にしたり、スキャナなどによって電子的に読み取ることも複製行為に該当します。

  • 写真集に掲載された写真を無断で複製して自宅の居間に飾ることは,私的使用になるので著作権の侵害にはならない。
    正しい。自分自身や家族など限られた範囲内で利用するために著作物を複製することは「私的使用のための複製」として著作権法上でも許可されています。

  • 他人の著作物を無断で個人のホームページに掲載しても,だれからも参照されていなければ,権利の侵害にはならない。
    ホームページに掲載された著作物は誰もが自由にダウンロード(受信)できる状態になるため、著作者の公衆送信権を侵害する行為になります。

第5問

経済産業省が策定した“ソフトウェア管理ガイドライン”はどれか。

平成18年秋期 問68
5問目/選択範囲の問題数69問

  • アアプリケーションソフトウェアの開発工程で,開発管理者が最低限実施すべき事項を取りまとめたもの

  • イソフトウェアの違法複製などを防止するために,法人,団体などがソフトウェアを使用するに当たって実施すべき事項を取りまとめたもの

  • ウソフトウェアの品質保証のために,ソフトウェア管理者がチェックすべき事項をガイドラインとして示したもの

  • エソフトウェアパッケージの適正な利用を促進するために,ソフトウェア管理者が策定すべき管理規則や,ソフトウェアの利用手順のひな形を示したもの

解説

ソフトウェア管理ガイドラインは、ソフトウェアの違法複製を防止するため,法人,団体などを対象として,ソフトウェアを使用するに当たって実行されるべき事項をとりまとめたものです。ソフトウェア管理責任者、ソフトウェアユーザといった対象ユーザごとに実施すべき事項を、管理方法や管理体制といった点から具体的に取りまとめています。

参考URL: 経済産業省「ソフトウェア管理ガイドライン」
 http://www.meti.go.jp/policy/netsecurity/downloadfiles/softkanri-guide.htm

第6問

図は,企業と労働者の関係を表している。企業Bと労働者Cの関係を表す記述として正しいものはどれか。


平成29年秋期 問796問目/選択範囲の問題数69問
  • ア"契約"が請負契約で,企業Aが受託者,企業Bが委託者であるとき,企業Bと労働者Cとの間には,指揮命令関係が生じる。

  • イ"契約"が出向にかかわる契約で,企業Aが企業Bに労働者Cを出向させたとき,企業Bと労働者Cとの間には指揮命令関係が生じる。

  • ウ"契約"が労働者派遣契約で,企業Aが派遣元,企業Bが派遣先であるとき,企業Bと労働者Cの間にも,雇用関係が生じる。

  • エ"契約"が労働者派遣契約で,企業Aが派遣元,企業Bが派遣先であるとき,企業Bに労働者Cが出向しているといえる。

解説

出向契約
元の会社との雇用関係および身分を存続させたまま、
長期間にわたり出向先企業の管理および指揮命令下で勤務する契約。
派遣契約との相違は、人材の育成・援助・交流などを目的としてグループ企業間で行われる点。転籍出向と在籍出向がある。

"契約"が出向にかかわる契約で,企業Aが企業Bに労働者Cを出向させたとき,企業Bと労働者Cとの間には指揮命令関係が生じる。
正しい。契約が出向契約ならば、出向先である企業Bと労働者Cの間に指揮命令関係が生じます。

第7問

インターネットで利用される技術の標準化を図り,
技術仕様をRFCとして策定している組織はどれか。

平成31年春期 問80
7問目/選択範囲の問題数69問

  • アANSI

  • イIEEE

  • ウIETF

  • エNIST

解説

  • ANSI
    ANSI(American National Standards Institute)は、アメリカ合衆国の工業的な分野の標準化組織であり公の合意形成のために、さまざまな規格開発をおこなう団体です。

  • IEEE
    IEEE(アイ・トリプル・イー)は、電気・電子技術に関する非営利の団体であり、主な活動内容としては、学会活動、書籍の発行、IEEE規格の標準化を行っています。

  • IETF
    正しいIETF(Internet Engineering Task Force)は、TCP/IP・HTTP・SMTPなどのようにインターネット上で開発される技術やプロトコルなどを標準化する組織です。標準化が行われた規格はRFCとしてインターネット上に公開され、誰もが自由に閲覧できるようになっています。

  • NIST
    NIST(アメリカ国立標準技術研究所)は、アメリカの技術革新や産業競争力を強化するために、経済保障を強化して生活の質を高めるように計測学、規格、産業技術を促進することを目的とする機関です。

第8問

ソフトウェアパッケージのライセンス契約形態のうち,サイトライセンスを説明したものはどれか。

平成18年秋期 問80
8問目/選択範囲の問題数69問

  • ア特定の企業や団体などにある複数のコンピュータでの使用を一括して認める。

  • イ特定のコンピュータ又は一定数のコンピュータでの使用を認める。

  • ウ特定のサーバにインストールし,そのクライアントでの使用を認める。

  • エ特定のユーザ又は一定数のユーザに使用を認める。

解説

サイトライセンスは、
企業や学校など特定の施設(サイト)内に限り複数のコンピュータへの使用権を認めるライセンス形態です。1本のソフトウェアで1つのコンピュータへの使用権が与えられる通常のライセンス契約と比較して、1ライセンスあたりの単価が低く抑えられるため、同一の施設に同じソフトウェアを大量導入するときに利用されます。

第9問

不正競争防止法によって保護される対象として規定されているものはどれか。

平成25年春期 問78
9問目/選択範囲の問題数69問

  • ア自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度なものであって,プログラム等を含む物と物を生産する方法

  • イ著作物を翻訳し,編曲し,若しくは変形し,又は脚色し,映画化し,その他翻案することにより創作した著作物

  • ウ秘密として管理されている事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であって,公然と知られていないもの

  • エ法人等の発意に基づきその法人等の業務に従事する者が職務上作成するプログラム著作物

解説

不正競争防止法は、事業者間の公正な競争等を確保するため、営業秘密侵害、原産地偽装、コピー商品の販売などの不正競争を規制する法律です。

この法律の第2条6項において保護の対象となる営業秘密について「秘密として管理されている生産方法、販売方法その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であって、公然と知られていないものをいう。」と定義されています。

自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度なものであって,プログラム等を含む物と物を生産する方法
特許法の保護対象です。

著作物を翻訳し,編曲し,若しくは変形し,又は脚色し,映画化し,その他翻案することにより創作した著作物
著作権法の保護対象です。

秘密として管理されている事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であって,公然と知られていないもの
正しい。不正競争防止法の保護対象です。

法人等の発意に基づきその法人等の業務に従事する者が職務上作成するプログラム著作物
著作権法の保護対象です。

第10問

裁量労働制の説明はどれか。

平成24年秋期 問75
10問目/選択範囲の問題数69問

  • ア企業が継続雇用の前提として,従業員に対して他社でも適用する技術・能力の維持責任を求める一方,企業も従業員の能力開発を積極的に支援する。

  • イ従業員1人当たりの労働時間を短縮したり仕事の配分方法を見直したりするなど,労働者間で労働を分かち合うことで雇用の維持・創出を図る。

  • ウ特定の専門業務や企画業務において,労働時間は,実際の労働時間に関係なく,労使間であらかじめ取り決めた労働時間とみなす。

  • エ能力主義と実績主義の徹底,経営参加意識の醸成,業績向上へのインセンティブなどを目的に,職務と能力,業績を基準に報酬を決める。

解説

裁量労働制(さいりょうろうどうせい)は、
仕事の具体的な内容や出勤・退社の時間を従業員に委ね、
実際の労働時間に関係なく労使協定によって定めた労働時間を働いたものとみなされる労働制度です。
デザイナーや記事の取材や編集を行う業務など労働時間と利益が必ずしも一致するわけではない特定の職種についてのみ採用することが法律で認められています。

News

画像生成AIについてのnoteも作れたら面白いですが、周りでやられている方にはまだ実力が及ばないので、もう少し力をつけてからにします・・💦
今回のように、一旦は重点的に勉強をし、過去問で復習することはとても効率的なものだと感じました!

今回は40回も続けて来れたので、継続は力を信じて頑張っていきたいと思います!

Index

過去のnoteです。もし観ていただけると幸いです。
基本情報技術者対策として勉強をがんばって続けています。


ここまで見てくださり、ありがとうございました。

少しずつですが、投稿をしております。 noteで誰かのためになる記事を書いています。 よろしくおねがいします。