マガジンのカバー画像

日刊弁慶2022.8月号

4
運営しているクリエイター

記事一覧

戦争に対する反-立場表明

エマニュエル・トッドの『第三次世界大戦はもう始まっている』という本を読んだ。ウクライナにおける戦争を「ダークホース=アメリカ」というスタンスで論じていく本だった。日本に住んでいるので、反ロシア的な報道が飛び交うなか、本書は——不謹慎を承知で言うが——スリリングな主張を展開していた。

さて、ここでトッドに賛成するか否か、という問題には触れない。彼は本書で、世界情勢に対する具体的な立場以上に重要な指

もっとみる

ブラッド・ピット健康法

夏はメンタルの調子を崩しやすい。暑さと不規則な生活リズムで自律神経が狂うからだろう。大学に入って以来、夏休みは毎年、程度の差こそあれ、なんとなく調子が悪い。

今年の夏もご多分に洩れず調子が悪い。そして比較的悪い方である。過去いちばん悪かった年は精神科(心療内科だっけ?)に行くことになったが、その次くらいに調子が悪い。

さて、あらゆる問題に対して、俺は対処療法が苦手だ。その場その場で問題を処理し

もっとみる

特別講座 : 血の騒ぎ

・「オンラインとオフライン、同時並行で開催します。」

・そしたら、オフラインの方に顔出そうかな。もう感染予防のために行動を控えることはほとんどなくなったし。コヴィッドに感染してから、肉体的にも精神的にも対コヴィッド免疫ができた。同時並行で。

・大好きな東横線に乗りながら、昔ハマっていたバンドDream Theaterを改めて聴き、そして同時並行でこの日刊弁慶を書いている。

「……同時並行って

もっとみる

『大西洋も超えて』/イントロダクション

フランスドラマ評をやってみようと思う。ドラマ評というのは、批評のジャンルとしては小規模なものだろう。上位互換として映画評があるだろうが、都合の悪いことに、私はドラマ評も映画評も読まない。だから映画評・ドラマ評というものが普通どういうものなのか知らない。そして音楽評も絵画評もファッション評も読まずに生きてきた。そういう方向に知的好奇心が向かないまま育ってしまった。

だが、せっかくフランスドラマを観

もっとみる