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素直になるためには五感を満たすこと

先日、彼と一泊二日の旅行をした。
“お宿でゆっくりする”をテーマに過ごした二日間。
都会を離れて過ごしたことで
気づいたことがたくさんあった。


分かっていたけど東京に住んで実感したこと

私は生まれてから22年間を田舎で過ごしてきた。
1番近いコンビニは自転車で5分のところにあるし、
最寄駅は新幹線が停まるくらいには大きいから
ものすごい田舎なわけじゃないけど
家の周りには田畑が広がり、
夏にはカエルの大合唱が聞こえ、
夜は星がたくさん見えた。

自転車で通学していた私は、
登校中は「今日も富士山が綺麗だな」
下校の時は「もうオリオン座が見える季節か」
なんて無意識で自然を感じていた。

就職してから5年間過ごした街も
まあまあ栄えていたけれど、
ちょっと車を走らせれば人ひとりいない海岸で
黄昏れることも簡単にできた。

東京に引っ越してから1年と5ヶ月。
駅から徒歩5分のアパートの窓から見える
ビルの明かりは消えることはなく、
ベランダから見える空は狭くなった。
人の声、緊急車両のサイレン、電車の走る音、
騒音が絶え間なく流れ、
排気ガス、甘い香水、中華料理屋さんのダクトから
流れ出るにおい、
どこにいても人とすれ違い、
みんな早足で過ぎ去っていくような気がする。

分かっていたけどやはり東京は、
私が27年間過ごしてきた街よりも
圧倒的にパワーとエネルギーが溢れ、
気が休まる瞬間が少ない。

都会に住むことは憧れだったし
今の生活はもちろん楽しいけれど、
田舎育ちの私にとって、自然に触れ、
ゆっくりした時間を過ごすことは
自分が思っていた以上に
大切なことだったのかもしれない。

五感を満たすことで素直になれた

子どもの頃、
実家から1番近い海だったこの場所には
毎年夏休み(と言っても3回ほど)に訪れていた。
海水浴をして(この時浜辺で波に足を取られて流されそうになった時から水が苦手だし泳げない)、
旅館に泊まり翌日水族館に行くのが定番コース。
だから正直、景色には期待していなかった。

行く前にそんなことを考えていたが
着いたらびっくり。
とにかく土地、環境、利用したお宿も
全てが子どもの頃経験したものとは違っていた。

どこまでも続く広い空と海
波の音や鳥の鳴き声
従業員のみなさんの温かい接客とおもてなし
地元特産品を使ったお料理
潮風や畳の心地よい香り

電車とバスで3時間、雑踏から離れて
視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚、
五感を全て満たすことができた。

そしたら、この数ヶ月
何をしても「いやでも…」と言い訳したり反発したり
自分がどうやっても解決できないと思っていた
心のもやもやが本当にスーッと流れていった。
びっくりするくらい素直に。

五感を満たす食事

自分をコントロールできない本当の意味

この数ヶ月は、自分でも信じたくないくらい
自分をコントロールできなくて、
自分のことも将来も彼のことも
全部が怖くなっていた。

何をしても上手くいかず、
何を言われても反発し、悲観的になっていた。
自分が1番なりたくない自分になっていた。

本当はふたりでたくさん笑いたい
嫌なことがあって落ち込んでも
怒ったり引きずったりしたくない
やりたいことには全力で打ち込みたい

そういう自分の理想に対して
できていない現実を認められなくて
それでも
”そんな自分も自分なんだ”と言っていないと
生きていくパワーが出なくて
怒ることで自分自身を認めてあげるしかなかった。

怒ることで自分を守っていたのかもしれない。

ようやくそのことに気がついたのは
宿泊したお宿のテラスで
お風呂上がりに135mlの缶ビールを飲みながら
空と海を眺めていたとき。

4月終わりからずっと彷徨っていた苦しくて怖い森を
すっと抜けて陽が差し込んだ感覚。

できることならずっとご機嫌な自分でいたいけど
どうしても難しいこともある。

そんな時は、広い空を眺め、美味しいものを食べ、人の温かさに触れ
五感を満たし自分を最大限に労わってあげよう。

朝4時53分

びぃ

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