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【恋愛詩】顔色

風通る清水に 風鈴の音色が響き渡る
今 夏がここにいると ささやくように

そんな夏を見上げる僕らは
今 同じ顔をしている

夏の始まりにお預けをくらった後の
愛しむ顔

どしゃ降りの雨上がりとともに
晴れ上がった笑顔

魔法のキスで 奇跡が起きたときの
子どものようにはしゃぐ顔

お互いの気持ちがすれ違ったときの
悲しい顔

夏の夕陽に 名残惜しさを感じる顔

同じ景色を見て 同じことを感じ
同じ顔色になっていく

好きって 顔色まで染めてしまうんだね

このまま ずっと好きでいて
2人同じ顔になってしまったら
いつか いっしょに「そっくりさん選手権」に出場しよう
きっと僕らなら 優勝できる

それまでに いろんな場所に出かけて
たくさんの感動に出会おう
僕の隣には君
君の隣には僕
思い出の数だけ 同じ表情になる

会えない夜は
楽しい話をしよう
星降る晩に 君の顔を浮かべながら


【詩の背景】

 昨年の夏、彼女とはたくさんの思い出ができた。

夏の京都旅行、イルミネーションの中で隠れてキスをしていたら閉園になり閉じ込められたことなど。

そんな夏の思い出を詩にしてほしいと彼女からお願いされ、作った。

2人で撮った写真は、3ヶ月前のものより顔が似てきている。
彼女とは、いつも同じ表情をしていたんだなと感じる。

そんな夏の終わりにかいた詩です。



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