次世代女性ヒーローCamp Copeの魅力|初来日公演に向けて
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次世代女性ヒーローCamp Copeの魅力|初来日公演に向けて

・Camp Cope

オーストラリア・メルボルン出身の女性三人組インディー・ロックバンド、Camp Cope。アメリカの音楽メディア・Pitchforkが発表した「2010年代のベスト・ソング TOP200」で52位にランクインしたり、自国では音楽業界の性差別問題を改善するために立ち上がるムーブメントを牽引したりと、楽曲も活動スタンスも、どちらもエモーショナルに世に訴えかける力を持っていて世界的に注目を浴びている。

そんなCamp Copeは今月ついに初来日ツアーが開催される。最終日11/10(日)は渋谷LOFT HEAVENにて僕らBearwear主催でツアーファイナル公演を行うので、今あらためて彼女たちの魅力に迫っていこうと思う。

・楽曲の持つ魅力

パワーエモを自称するCamp Cope。

2015年結成。ギター/ボーカルのGeorgia Maqを中心に、ベーシストKelly-Dawn Hellmrich、ドラマーSarah Thompsonの3人で活動をスタート。

良い意味で”最終的な音像を想像せず、直情的に組み立てはじめて制作しているようなバイブ”、ギター片手にスリーコードだけで誰でも言うべきことを言えた70年代のパンクロックを思わせる表現。

まるで、他者に役割を強要することはなく飽くまで自由に、それぞれのパートが伸び伸びと自分のフレーズを展開しているようにも伺える。

スリーコードとは言ってもパワーコードをかき鳴らす往年のパンクフォーマットとは異なり、add9コードや感傷的な不協和音が響く”エモ”を通過したコードだ。

90年代のPavementBuilt to Spillのようなインディロックから、2010年以降のTigers JawPity Sexのような、メランコリーでサッドなエモを、ガレージで一発録りしたようなイナタい音像で体現した”エモ・インディロック”。それらが由来であることは間違いないだろう。90年代の魅力であるラフで力の抜けた空気感とセンチメンタルを燃料にエネルギッシュなパンクを繰り広げている。

「stove right」のリリックにtigers jawUV raceの名が、「West Side Story」でWHY?の「these few presidents」の歌詞が引用され、アウトロに登場することがそれを証明している。

最新型にアップデートされた現行エモやインディロックの存在自体は2010年代以降、一定数存在はした。その中でCamp Copeの特に異質な点といえば、”フェミニズム”に関するメッセージが根幹にあって、歌詞や言動から社会的なムーヴメントを形成している点だ。

楽曲の新しさやクールさ、音楽シーンのニュー・ムーヴメントとしてだけでなく、シーンを飛び越え社会問題に触れる姿勢が本国オーストラリアを中心に世界中で評価されている。社会を動かすムーヴメントに必須な、クールなアートであること、最新であることも取りこぼすことなく、また軽々と高いクオリティを維持し、人々を熱狂の渦に巻き込んでいるのだ。

90年代に起こり、00年代に商業的にアップデート、10年代にリバイバルとしてクリエイティブに復興した”エモ”が持つ、心が締め付けられるようなパーソナルなエネルギーを、社会を動かす力へと昇華したCamp Copeの”パワーエモ”を是非生で体感して欲しい。

・次世代女性ヒーローと言わしめる求心力

音楽メディアPitchforkが発表した「2010年代のベスト・ソング TOP200」では52位にランクイン、先日発表された米エンタメ雑誌Paste Magazineの2010年代のベスト曲 100選」にも選出された。

どちらも選ばれた楽曲は「The Opener」。一体この楽曲はなぜ人の心を動かし、新しい世代の女性を代表するアンセムとなったのか。

この楽曲は音楽業界の女性蔑視を糾弾する声明文である。ボーカルGeorgia Maqが心の奥底から叫ぶ歌詞によって、この曲は恐ろしいほどのパワーを持つ剣となり、女性差別がはびこる音楽業界を叩き切った。

セカンド・アルバム『How to Socialise & Make Friends』の1曲目に持ってきた「The Opener」はライブのオープニング・アクト(前座)とかけたもの。「どいつもこいつも女性のアーティストに前座をやらせやがって」と怒りを込めて業界を批判している。

何よりも話題になったのが、Camp Copeが自国オーストラリアのフェス『Falls Festival』に出演した際に、そのフェスの女性出演者の少なさを抗議する歌詞をステージ上で歌い訴えたことだ。

「The Opener」の歌詞は原曲では

“It’s another man telling us we can’t fill up the room / It’s another man telling us to book a smaller venue"
この男もまた『女アーティストじゃ会場を埋められない』と言ってくる
この男もまた『女アーティストはもっと小さい会場でやるべきだ』と言ってくる

と歌っているが、その日は歌詞を変えて

“It’s another man telling us we can’t fill up a tent, it’s another fucking festival booking only nine women.”
この男もまた『女アーティストじゃ小さいテントのステージすら埋められない』と言ってくる
このフェスもまた女性を合計9人しか出演させないクソみたいなフェスだ

と即興の替え歌で直接そのフェスを非難。

#metoo 運動などが世界で認知される前からこの率直なフェミニズムを貫いて活動してきた彼女たち。公の場で面と向かって女性蔑視と戦った彼女たちのスタンスを多くの人が讃えた。賛同するアーティストも次々と現れ、オーストラリアでは音楽業界の女性差別をなくそうとする大きなムーブメントもこの件をきっかけに起きた。

「The Opener」だけではなく、実際に受けた性被害について歌う「Face of God」などを始めとし、人生の苦悩、友人や家族に対する愛、音楽業界のこと、社会問題など生々しくリアルなGeorgia Maqの歌。会話体の歌詞は直接的に人々の胸に響き、励まされ勇気づけられる人もいれば、自分の過ちに気づき明日からの行動に変化が起きる人もいるだろう。

セカンドアルバムはファーストアルバムよりもさらに、深い社会意識がテーマとなっている。「Face of God」など直接的なメッセージが含まれるこの作品を世に出すのは本当に正しいことなのか、本人達も悩んでいたとインタビューで語っている。しかしちょうどそのタイミングで目にした#metoo運動にに背中を押され、声を上げる重要性を再認識し作品を公表。その後、世間や周りの人にも変化が起き始めているのを実感し、このムーブメントは一時的なものではなく今後も大きくなり続けると確信しているという。

音楽で社会や人々の行動を変えようとしている彼女たちは、本当のパンクロックとも言える。Camp Copeの活動に感化された#metoo世代がギターを手に取り自分たちのストーリーを歌い始めるなんてこともあるかもしれない。そういう意味で人々は彼女たちを次世代の女性ヒーローと呼び、この10年を代表するバンドに選出するのだ。

・ツアーファイナル公演に込めた思い

Camp Copeの初来日ツアーは来週11/6~11/10に開催されます。今年3月に僕らがPetalの来日公演を企画した時と同様、RNRから機会をいただき11/10(日)のツアーファイナル公演をBearwearオーガナイズで企画します。

来日イベントは、1回目のツアーが良いものになれば、また次のリリースでも日本に来てくれたり、何度か来日するうちに日本でそのバンドのリスナーが増えて、回を経る毎にライブがどんどんエキサイトしていく様子が垣間見えたりする

俺らも今年6月にタイに行って、現地の人たちがどういう音楽聴いてるかとか、どういう風に普段生活してるかみたいなのを見た上でライブして、具体的に何かが変わったって言葉にするのは難しいけど新鮮な空気を吸ってきました。

Camp Copeも日本の風景を見ながら、東京、大阪、京都を回って、日本に住んでる俺らが当たり前のように普段見てる光景に感動して、新鮮なインスピレーションを持ってライブをしてくれるはず。それを見た俺らもきっと新鮮な何かをもらえると思います。

そして彼女たちの率直なフェミニズム精神も、ライブを見た人に大きな刺激を与えるはず。日本ではなかなか音楽業界の性差別問題が公の場で話題になることもないので、彼女たちの来日ライブを見たことをきっかけに、周りの人とそういう社会問題をテーマにして話し合ってもらえたら、この来日公演にも大きな意義があるのではないでしょうか

一人一人がどういうムードで遊ぶかによってシーンが変わったり、自分自身の生活の感触が変わったら最高ですよね。海外では超注目されてるバンドですが、正直な所日本での知名度はどうなのか...不安なところもあったりします。新しい刺激求めてる人は是非一度Camp Cope、動画とか配信とか沢山上がってるのでチェックして欲しいです。

それでハマったら生で目撃しにきてください

・CAMP COPE JAPAN TOUR ツアーファイナル公演

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Bearwear pre.
<Camp Cope Japan Tour 2019 Tour Final>
11/10(SUN) @渋谷LOFT HEAVEN
Camp Cope (AUS)
Bearwear
Lucie,Too
LIGHTERS
SigarDown
OPEN/START 18:00/18:30
ADV ¥3,500 DOOR ¥4,000

チケット予約はこちら:https://tiget.net/events/69401
またはbearwearjp@gmail.comまで。
ツアー全日程はこちらから

・プレイリスト

記事内に登場した楽曲たちをまとめたプレイリストも公開します。是非来日公演の予習に聞いてみてください。


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Tokyo Indie rock/Emo band東京で活動するインディエモバンドBearwear。Kazma(作詞・ボーカル)、Kou(作曲・ベース)