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  • 新夢十夜

    夏目漱石の『夢十夜』の下位互換です。

記事一覧

新夢十夜 第四夜~釣り堀~

こんな夢を見た。 釣り堀に来ている。 小学校のプールくらいの大きさの堀池が幾つも一列に並んでいて、堀の向こうには木々が鬱蒼と茂っている。 溜水は深緑色に澱んでいて…

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新夢十夜 第三夜 〜バッファロー〜

こんな夢を見た。 私は片田舎の小さな平家建ての家で暮らしている。 そこには一頭のバッファローがいて、休むことなく、ずっと家の周りをぐるぐると走り回っている。 バ…

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頑張るくらいなら死ぬ

そもそも、「できないこと」というのは頑張ってもできない。 「頑張ってできたこと」というのは、それすなわち「できること」なのだから当然である。 一方で、「これは頑…

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『空も飛べるはず』の歌詞の意味

名曲にして迷曲と名高い、スピッツの『空も飛べるはず』の歌詞がなんとなく分かった気がするので記事にしようと思う。 過大な自意識のなかで がんじがらめになっていた"僕…

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おあげ

赤いきつねと緑のたぬきだったら、俺は断然赤いきつね派だ。 カップうどん特有の安っぽい麺が好きだし、フワフワの黄色い卵の食感もたまらない。 なにより、スープの染み…

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新夢十夜 第二夜~レゴ~

こんな夢を見た。 レゴを作っている。 山盛りの部品が入った薄緑色の箱が目の前に幾つか並んでいて、私はその中から白い棒状のパーツを探している。 京都タワーを作り…

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新夢十夜 第一夜 ~ネギ~

こんな夢を見た。 師匠と共に苗を買いに来ている。 こじんまりとした素朴な雰囲気の店内には、壁一面に古びた木製の棚が備え付けられていて、いろいろな作物の種苗が陳…

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新夢十夜 第四夜~釣り堀~

こんな夢を見た。

釣り堀に来ている。
小学校のプールくらいの大きさの堀池が幾つも一列に並んでいて、堀の向こうには木々が鬱蒼と茂っている。
溜水は深緑色に澱んでいて、魚の気配はまるでない。
天気は良いはずだが、なんだかどんよりと暗い感じがする。
私のほかに人は誰もいない。

私は、風変わりな釣り堀だなと思いながら、堀池の縁をぼんやりと歩いている。
足下には古びた簀が敷いてあり、歩くとキィキィ音を立

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新夢十夜 第三夜 〜バッファロー〜

こんな夢を見た。

私は片田舎の小さな平家建ての家で暮らしている。
そこには一頭のバッファローがいて、休むことなく、ずっと家の周りをぐるぐると走り回っている。

バッファローは、鍵のかかっていないドアや掃き出し窓を見つけると、器用に頭の角を使って戸を開けてしまう。
そうして家の中に入ってくると、開いてる戸のある部屋に差しかかるまで、不規則に家の中を駆け回る。

だから私は鍵の開け閉めに気をつけて生

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頑張るくらいなら死ぬ

そもそも、「できないこと」というのは頑張ってもできない。
「頑張ってできたこと」というのは、それすなわち「できること」なのだから当然である。

一方で、「これは頑張ったからできたことだ!」と思うことは、よくよく冷静に振り返ると、頑張らなくてもできたことだったりする。

ということはつまり、頑張るだけ損である。

だから、なにごとも頑張らないスレスレの労力で物事に取り組むのが一番よい。
頑張った分だ

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『空も飛べるはず』の歌詞の意味

名曲にして迷曲と名高い、スピッツの『空も飛べるはず』の歌詞がなんとなく分かった気がするので記事にしようと思う。

過大な自意識のなかで がんじがらめになっていた"僕"を受け入れてくれた"君"の話。

幼い微熱を下げられないまま 神様の影を恐れて
隠したナイフが似合わない僕を おどけた歌でなぐさめた
色褪せながら ひび割れながら 輝くすべを求めて

まず、《幼い微熱を下げられないまま》というのは、夢

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おあげ

赤いきつねと緑のたぬきだったら、俺は断然赤いきつね派だ。

カップうどん特有の安っぽい麺が好きだし、フワフワの黄色い卵の食感もたまらない。
なにより、スープの染みた「おあげ」が旨い。

そういえば、「おあげ」ってなんだ?

俺は20余年の半生の中で、幾枚もの「おあげ」を食べてきた。
それなのに、「おあげ」の正体をいまだに知らない。

「おあげ」とは一体なんだろう。

まさか「おあげ」が木になってい

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新夢十夜 第二夜~レゴ~

こんな夢を見た。

レゴを作っている。

山盛りの部品が入った薄緑色の箱が目の前に幾つか並んでいて、私はその中から白い棒状のパーツを探している。

京都タワーを作りたいのだ。

白い棒は無いわけではないけれど、どれも太すぎたり長すぎたり半円柱だったりで、あらかじめ作っておいた輪っかのパーツと合わない。

それもそのはずだ。
これらは本来、太陽の塔を作るためのパーツだからだ。

太陽の塔は大

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新夢十夜 第一夜 ~ネギ~

こんな夢を見た。

師匠と共に苗を買いに来ている。

こじんまりとした素朴な雰囲気の店内には、壁一面に古びた木製の棚が備え付けられていて、いろいろな作物の種苗が陳べられている。
農家見習いである私は、まるで別世界の店に来たような心持ちがした。

「いらっしゃい」

朴訥とした声と共に、奥の部屋から店主のTOKIO城島が顔を出す。

「ネギの苗をいただけませんか」

私がそう告げると、店主は目当て

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