見出し画像

ペルガモン博物館へ行こう!@ドイツ

躓きの石と看板を見終わって一時間後…。12時15分…。

私は博物館島に立ち尽くしていた。

行きたいのはペルガモン博物館だけ、12時30分からのオンラインチケットも予約している。だが、ペルガモン博物館の入り口が分からない。博物館島、巨大すぎ。

12時30分入館のチケットは、12時15分から30分の間の入館という意味らしく、「12時30分を超えての入館は許可されない場合がありますのでご注意ください」という注意書きも無慈悲に書かれてあった。

更に運が悪いことに、SIMカードを購入しているもののドイツではインターネットが通じにくく、自分が現在いる位置情報をうまく取得することが出来なかった。ナビに従って移動しても、タイムラグによって一気に数10メートル移動して通り過ぎているということが頻繁に起きていた。


博物館島の外に入口があると思い走っていけば、川と島を繋ぐ橋は一切なく…。博物館島に再び入り、写真を撮っていた方にペルガモン博物館の場所を聞くも、「僕たちも探してるんだよねえ」と言われ…。


やっとのことでロビーに辿り着いたときには12時25分。オンラインチケットを購入していたものの、今までどの美術館にもあった「オンラインチケットを購入した方はこちら」みたいな表示がない。並んだ挙句、「ここは博物館島総合のチケット売り場だから3階に行ってね~」と言われる。そうなんっすね…。


2階のクロークでリュックを預け、いざチケットカウンター&再び長蛇の列。12時30分超えてるけど!そしてお姉さんから「オンラインで買ってるなら並ばなくていいよ~」と言われる。なんじゃこの徒労は!!!

さらに去り際に一言「あ、そのポシェット、クロークに入れてきてね」と言われ、びっくりした。今までどの美術館でも荷物を預けてきたけど、このポシェットは注意されたことがなかったからだ。


う~~、これもかよ。。。と思いながら再び2階へ。ロッカーも預けるために1ユーロ入れないといけないタイプ(めんどくさい)だし…。

バッグから最低限のものを取り出す。モバ充、そして…。ペットボトルの水…。これ大丈夫か…? しかし私は走り回って喉が渇いていたので、大博打することにした。俺は水を持って入るぞ…!!!


どきどきしながら次はオーディオガイドを受け取りに向かう。「チケット拝見します」と言われたので画面を見せると…。


「これ、日本語で書いてあるじゃん。俺読めないから本当にペルガモン博物館のかどうかわかんないよ」


ハ、ハァァァァァァ!?!?!

確かにこのチケット、公式サイトからではなく日本のチケット代理店みたいなところから買ったものだった。ユダヤ博物館は許してくれましたけどね!?!?!

しかし、隅にちっさく英語表記もあるのを発見したため、拡大してみてもらう。お兄さん、無表情でオーディオガイドを渡してくれた。正直一番ドキドキしたよ。


(いろいろあったが)いざ行かん!と勇んでエントランスに向かう。
すると警備員さんに「ちょいちょい…」と止められ…


「水持ってるよね?クロークに預けてきてね」


大博打外れじゃん。本日3回目のクロークじゃん。もうちょっとで1時来るじゃん。


ちなみに午前中2時間弱歩き続けているので、体力も気力も割と限界だった。しかも病み上がり。しかも3か国目。


自分の荷物があるコインロッカーまで見なくてもたどり着けるだろレベルにまでなり、もう一度エントランスに向かい、今度はスムーズに入れてもらう。

やっと…!やっと入れたぞ…!


それだけで達成感いっぱいというか、既に疲れてしまって、入ってからすぐに入口のベンチに腰掛けてしまったほどだ。

しかし、それにしてもすごい…。入った瞬間に、他の博物館ではそれだけで目玉になりそうな大きな石像がゴロゴロと展示されているのである。すごい空間に迷い込んでしまったような気がする。

鳥の石像(かわいい)
メソポタミアから連れてこられた虎たち(実物)


入る前は正直「そんなに厳しくなくても…」と若干苛々していた私だが、博物館へ入るとそんな気持ちはどこかへ吹き飛んでしまった。むしろ、「これだけ展示にこだわり、実物にこだわる博物館なら、そりゃ厳しくもなるわ…」と納得してしまうほどである。

ちなみにこの博物館は本物の石碑をガッツリ持ってきている場合もあれば、大きさや迫力を体感してもらうための、原寸大で作られたレプリカが展示されている場合もある。しかし、どの展示を見てもその「本物、それに準ずるものの魅力を体感してもらいたい」というような気概が感じられる。

遺跡をそのまま再現してしまったゾーン


そしてこの博物館の目玉に到着!

イシュタル門である!!!!!

巨大すぎて全く画角に入らなかった(悲)
造形も色も動物も、何もかもが可愛らしい


一目では見渡すことのできない大きさ、手の込んだ装飾、そして古代バビロン王国にあったとは思えないほどモダンで可愛らしい姿…!

深みのかかった青色に、ライオン・空想上の生き物が連なっている。本当に、なんてかわいいんだ。こんなものが古代に実在したなんて…。


これだけでも相当な大きさだが、実物はさらに大きな門が奥に続いていたらしい。しかし、ペルガモン博物館はなるべく実寸大でこのイシュタル門を再現したということである。

一緒に撮ってもらってもこの大きさ


さらに、超個人的この美術館の魅力をもう一つ。
中東の文化・美術(特にトルコ)の展示が多いのである!!!

イスラム教のお祈りで使うもの
壁側に向かって聖典を唱えると、
凸凹によって声が反射し至る所に声が届くのである!


現在トルコに留学しているのだが、トルコ国内にいたとてなかなか遺跡や歴史的な場所を見に全国を飛び回るのはハード。さらに、トルコ語&トルコの交通システムを把握していなければ旅の難易度は激増するため、思うように動けない。

トルコにいるのに、トルコのこと何にも知らないなー、となんとなく寂しく感じていたのだ。

しかし、まさかドイツで学ぶ機会があるとは…!


特に、絨毯だけの展示室があったのが印象的だった。

トルコで作られた絨毯は特に「絶対にほどけない」と言われるほど、時間をかけ、手間暇をかけ、強固な結び方がされているのだ。(とこちらの授業で習った)

絨毯の結び方についての解説
真ん中が1番時間がかかり、丈夫で、高価である。

それが図解されており、実際に見ることもでき、なんと虫眼鏡を用いて細かく知ることも出来る!

ムガル帝国時代の絨毯も展示されており、これが何より私には興味深かった。

ムガル帝国時代の絨毯!


例えば、石像を見て「スゲー!」と思って感動はするけど、そこで感想が止まってしまうというか…。

ムガル帝国だって、「世界史で習ったなあ」ってくらいで、それ以上あんまり想像もできないし…と思っていたんだけど…。

絨毯て…!絨毯は私たちも今も使っている物だし、なんかめちゃくちゃ親近感湧いてしまう。これを使ってた人がいるんだなあとか、もしかしたら王様が踏んだやつかも!とか。


大充実でペルガモン博物館を出る。最初はどうなることかと思ったが、本当に「楽しい」博物館だった。駅へ向かい、ピザとチャイティーラテを頼み、一息つく。明日はドイツから出国し、トルコへと帰るのである。楽しみなような、少し残念なような…。

ほうれん草とチーズのピザ。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?