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まだ出会っていない、世界の人々に問いを贈るとしたらどんな問いを送りますか?【問いを贈ろう】9月23日

 8月から開始されていた、PICES の問いを贈ろうキャンペーンも、ついにあと残り3問。
 もう、へろへろだけど、あともうすこしでゴールだ!
 がんばりきるぞ、私!

 今回も勝手ながら、note から参加してみたいとおもいます。

 主催している NPO法人 PIECES は、「子どもの孤立を防ぐ」ことをテーマにしている団体のようです。
 それゆえ、キャンペーンで贈られる20の問いの種類は、自分を見つめ直すものから社会のあり方を考えるものまで、幅広いものとなっています。

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9月23日の「問い」

 まだ出会っていない、世界の人々に問いを贈るとしたらどんな問いを送りますか?

 今回の問いは、まさかの「あなたも出題してみよう!」ではないですか。
 予想外の角度からパンチがやってきた気分です。
 それはともかく、私も「問い」を考えてみます!

 

 まず。
 自分は、フィールドが広すぎるととたんに迷子になるタイプなので、範囲をせばめます。

 問いとして、満たしておきたい条件は、こんなとこかな?

 ① 問われた人に、深い思考を呼び起こすもの。存在するとか、生存するとかの、根本的な部分に接続できるもの。
 ② もしかしたら、来年の「問い」に採用されてもおかしくないもの。
 ③ 自分の興味関心を反映したもの。

 ということで、考えみた問いが、これです。

 次の世代をになう子どもたちにあなたが引き継ぎたい歌は、なんですか。

 こだわりポイントは、「伝えたい」じゃなくて、わざわざ「引き継ぎたい」という言葉を選んだトコ、かな。

 

 「歌」は、ことばを音楽にのせたものです。ことばは理屈です。そして、枠組みをもっています。いっぽう、音楽は感情です。枠組みをもたない不定形のものです。「歌を歌う」というのは、感情とともに理屈を伝達する、ということになるかと思います。だから、「歌を引き継ぐ」ことは、ことば以上に、その人やその社会、その民族が抱く魂のようなものをまるごと伝達することになるのではないか、と私は考えました。
 魂、って、結局、価値観とか世界観、ってことになるのかな……それがより生々しく、生きている実感をもって伝達される、それが「歌という形で引き継ぐ」ことなのではないか、と思います(イメージしているのは、アイヌのユカラです)。

 ちょっと、はなしはそれますが。
 何年か前、「残したい日本の名歌」みたいな視聴者投票番組があって、1位が「天城越え」だったか「津軽海峡冬景色」だったかであったことに、愕然とした記憶があります。この問いを思いついた原点のひとつは、このときの悪い意味での驚愕にあります。
 これらを歌う石川さゆりさんの歌唱力が抜群で、両方とも歌詞もメロディもグッとくる名曲であるのはいうまでもありません。だけど、1位にくるのは違和感しかなかった。それはおそらく、これらの歌が、価値観や世界観を引き継ぐ器としての機能は備えていなかったからだと、いまあらためて思います。
 そのときの番組制作者は、生きる覚悟を口移しで伝えるような歌を国民的に共有することを番組に求めてなかったし、視聴者も歌にそこまでの覚悟を求めてなかったのでしょうね。それにそもそも、日本人はそんなふうな魂の格が高い、とでもいうべき歌は、なにも持ってないのではないか、という危惧も感じています。

 

 はなしをもどして。
 誰かに伝え残す歌をなにかひとつえらぶ、というのは、歌を伝える人にとって大切な価値観のなかから、歌をうけとる相手にとっても生きていくはげみになるような価値観を選ぶこと、にほかならないと思います。
 さらにそれが、次世代に、となると、これからの社会を支える価値観として、譲れないものはなにか、という視点がはいってきます。

 デンマークには、 Højskolesangbogen (和訳すると、高等学校の歌の本)っていう、国民的歌集があるんだけど……
 (このリンク↓のタイトルにある om は、この場合は英語の about = 〜について、にあたる単語と思ってください)

 この本は、時代ごとに歌を入れ替えて、改訂されながら、100年以上引き継がれています。これはまさに、歌を取捨選択することを通じて、譲れない価値観を次世代に伝達していく活動だと思うんですよね。私は、デンマーク語にはまだまだ不自由しているので、歌詞の翻訳はいまだにグーグル翻訳だよりなのですが、グーグル翻訳の覚束ない翻訳を通してであるにもかかわらず、この歌集には国境も民族もこえて心を打つ歌が揃っていることに、感動と畏敬の念を覚えます。
 たとえば、比較的新しい1980年代の歌の中には、同性の恋人をおもいながら書かれた詩にメロディをつけたもの↓なんかもあるんですよ!

 じつは、歌集に収録した当時は、作詞者が同性愛者であることは、公表されてなかったそうです。
 想像するに、事実の公表後は、作詞者とこの歌に対してどのような態度をとるか、この歌を知る人たちひとりひとりが自問せねばならくなったのではないでしょうか。そして、自問自答のすえに、この歌を自分たちの歌として、新たに「性的マイノリティーが記した愛の歌である」という物語とともに、受け入れたのでしょうね。

 

 と、……以上のような思いで、「問い」を考えてみたわけです。
 即興で思い着いたアイデアなので、まだまとまりきってなくてすみませんm(_ _)m

 もし、自分の考えた問いのとおりに、全世界の人から、

 次の世代をになう子どもたちにあなたが引き継ぎたい歌

 を集めて歌集を編んだら、どんなことになるでしょうね。
 ことばはわからなくても、メロディからメッセージがダイレクトに伝わるのは、歌ならではの利点だとおもいます。
 とはいえ、お互いに一致できるところもあれば、なんでそのチョイスか腑に落ちないところもあるだろうし、いろいろでてくるとは思いますけどね。

 ただ、残念なのは、日本の歌の中に、そこまで強く推したくなるような歌が、なかなか見当たらないことです。
 やっぱりここは、「アンパンマンのマーチ」ですかね。やなせたかし先生のメルヘンは、どれも、「生きるとは、共に生きること」というメッセージを、やさしく、たかく歌い上げているとおもうのです。



#問いを贈ろう #歌 #音楽 #社会 #価値観 #世界観 #とは

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いま、病気で家にいるので、長い記事がかけてます。 だけど、収入がありません。お金をもらえると、すこし元気になります。 健康になって仕事を始めたら、収入には困りませんが、ものを書く余裕がなくなるかと思うと、ふくざつな心境です。