何かにチャレンジしたくて登山した話
去年の10月、山形県と秋田県の県境にある鳥海山に登ってきた
鳥海山は東北で2番目に高い山であり、標高は2236m(「 夫婦で見ろ 」で覚えられる)
登山に関しては完全素人であった
だが、20歳も越えたのに成長している実感が湧かない毎日に嫌気がさし、
今までやった事ないことにチャレンジしたい
と思うようになり、登山にチャレンジすることにしたのだった
体力にはそこそこ自信があったので、どうせ登るなら多少きついけども達成感も味わえる山が良いと思い、鳥海山に登ろうと決めた
鳥海山は山形県と秋田県の県境にあり、山の西側は日本海とも隣あっている
その日僕は、鉾立登山口といわれるところから登山することにしていたのだが、その登山口には車が数十台は軽く停められるくらい広い駐車場がある
昼間ならば駐車場から、東にはこれから登る鳥海山(頂上の手前に山があるため頂上は見えない)が見え、西を向けば日本海が一望できる
しかし、その日僕が登り始めたのは朝5時10分、それも10月だったため、登り始めた鳥海山の山裏がこころなしか明るくなってきているだけで、視界のほとんどは闇だった
もちろん海もほとんど見えなかった
登山を開始して十数分すると、
やっと視界が明るくなってきた
さらに十数分すると、「 賽の河原 」というちょっとした平地のエリアに着いた
辺りには霜が降りているだけでなく、水溜まりは凍っていた
小さい頃から凍った水溜まりはついつい踏んで歩きたくなるもので、自然と足がそちらに向いた
ミシミシッ、パリパリッ
辺りには誰もいない、ましてや朝も早いとなると鳥の気配もなく、静寂の中に響き渡るその音はなんとも心地いい
夜道を一人で歩いていると、まるで世界に僕一人だけみたいだ、なんて感覚になることがあるが、早朝でも同じ体験ができるとこの時知った
まもなく午前6時になる頃だったと思う
山を登る僕の後ろには日本海があり、そろそろ明るくなってきたし海がくっきり見えるかなと思い、振り向いた
見事な影鳥海だった
影鳥海とは、朝日に照らされた鳥海山の影が日本海に映る光景のことである
波が穏やかかつ天気の良いしか見られないレアな景色なのだ
一人で正直寂しいし、きついし、寒いしと想像したより疲れていたが、この光景を見ただけで一気に疲れが吹っ飛んだ
まだまだ頑張れる!
テンションが上がるとともに、良いものが見れてなんだかちょっと幸せだなと感じた
その後、影鳥海を見ながら5分程休憩をとり、再び登り始めた
それから10分しないうちに中間地点の鳥海湖に到着
鳥海湖は、大昔にできたカルデラ湖だそうな
鳥海湖で休憩をとると、そこからはほとんど休憩無しで一気に登った
道中に「 千蛇谷 」といわれる傾斜がかなりきついポイントがあったが、そこもなんとか気合いで登りきった
ほんとにキツすぎて心が折れまくって、途中で何度も「 俺なんでこんなきついことしてるの?? 」と自問自答を繰り返し
そして遂には
心の複雑骨折や〜
と頭の中の彦摩呂が言いだした
* * *
千蛇谷攻略には、30分くらいかかった
そして、とうとう最後の山小屋が見えた
しかし、鳥海山の頂上はこの山小屋の裏にある岩山を登った先にあるのだ
人の大きさをゆうに超える岩によってできている山を15分程かけて登る
岩、岩、岩
地面と草のある山道を行くだけが登山なのではなく、瓦礫の山みたいな岩山を登るものも登山なのだとはじめて知った
両手を使って登ったり、岩から岩へと飛び移ったりしていると、まるで超簡単なボルダリングやロッククライミングをしている気分になった
(実際、文字通りロッククライミングだと思う)
そして遂に頂上に立ったのだった
(登頂時刻、午前7時40分)
天気、雲一つない快晴
北は秋田の男鹿半島、南は新潟の青島まで
東は庄内平野を一望、西は水平線が望める日本海
視界の上半分は、青しかなかった
語彙力の崩壊でした
* * *
昨年、何かチャレンジしたくて山に登ったけど、結果登ってよかった
登山チャレンジして得られたものは、「 感動と思い出 」という形には残らないものだったが、そんときの写真を見たり、ふとした時に思い出すとなんだか優しい気分になれるので、あの日あの時登山した自分ナイス!って感じ
山以外にも旅行とか食べ歩きとか人によって方向性は違うと思うけど、チャレンジっていいなって思いました!
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