森ぶら♪ 六月、雨上がりの楽園
六月に開催した『森ぶら』イベントの記録。この日は朝まで土砂降りの雨。さすがに中止かな、と思っていたら、幸運にも、すうっと雨が上がった——
さぁ、雨上がりの森へ行ってみましょう!
今回も油山市民の森を、さんちゃん先生の後方支援で歩きます(感染症対策の為、分からない事や道順のみ教えてもらいます)。
市民の森の園内では、アジサイが満開をむかえています。先生から配布された資料によると、アジサイは、花びらのように見える部分が「がく」(蕾の時に花を守るためのもの)で、本当の花は真ん中の3ミリくらいの小さなお花。
次の写真のアジサイでは「がく」の下の方に本当のお花が付いています。
雨上がりの朝は、生き物たちがいっせいに活動を始めています。草の上を歩くと、一歩ごとに小さなバッタがたくさん飛び跳ね、まるで水しぶきが舞い上がるような、生命力のスプラッシュ!
葉っぱの上でお目覚めの虫。バッタかな?いいえ、カメムシの仲間!クモヘリカメムシ。細いですね。先生によると、このカメムシは、あまり臭くないそうです。
小さなカマキリが、こっちを見てますよ!
こちらの虫は、とってもかわいいアンテナを広げているけど、こんなピヨピヨが付いた帽子がいつか流行るかもしれないな。セマダラコガネ。
先生は植物だけでなく虫にも詳しく、ふだん私が気にも留めないところで、本当にたくさんの生き物を見つけてくれます。今日は特に盛りだくさんで、なかなか前に進みません。(記録も長いです)
ヤマツツジの木の下に生えているのは、タマゴテングタケモドキ。卵の殻を割って出てきたみたい。
そして目線を上げると、水滴が光る宝石みたいな、大きな豆がぶら下がっています。ヤマフジ(山藤)の実です。
階段を上ると、ピンクのネジバナ(捩花)がお出迎え。螺旋状に付いた小さな花をよく見ると、ガラス細工のようなお花です。観察する時は、虫眼鏡で見てみてくださいね。
ネジバナの横では、きれいなグラデーションのイモムシが朝食中。ハバチの仲間だそうですが、新幹線の窓みたいな模様があります。後で調べたら、この子の顔をアップで見ると超かわいいらしいです。
少し歩くと、先生が「あっ!!!」と驚かれるほどの、巨大などら焼き!?
手のひらより大きいサイズです。そしてその横には、傘が開く前のものが威風堂々と立っています。これは、ヤマドリタケモドキ。キノコの専門家によると、炒めて食べるとシャキヌメっとして美味しいとか。でも素人は絶対に食べてはいけません。キノコのほとんどは毒キノコですからね。
雨あがりって、凄い。何かわからないけど毛虫まできれい。
もみじの種もキラキラ。
みずみずしい世界に魅了されていると、大きなアゲハ蝶が飛んできた。いいや、蝶じゃない!先生何ですか⁈
シロスジカミキリです!すごく大きい!
顔も模様もカッコイイねー。(先生の動画もどうぞ)
先生に教えてもらいながら歩くと、目に映る世界が広がって、時間が足りません。森ぶらは2時間コースなので、ここから早歩きします。
林の日陰に咲いている、ヤブコウジ(藪柑子)の花。別名は十両。冬に赤い実を付けていましたね。
もう枯れていますが、栗の花(雄花)の穂と、これから大きくなる栗の実。穂の付け根に1つだけ雌花があってそこに実が付く。
ウツボグサ(空穂草)と花粉を食べるハナムグリ。
ビオトープ周辺の、ヤゴの抜け殻。セミの殻はよく見ますが、ヤゴは初めて。
さあ、本日のクライマックスです。
イチモンジカメノコハムシ。ムラサキシキブ(紫式部)などの葉っぱを食べて育ちます。よく見ると、体の縁が透明なのです。
先生が用意してくれた資料によると、イチモンジカメノコハムシの幼虫(下の写真)は、自分のうんちや抜け殻を背中に乗せて、外敵にうんちだと思わせるカモフラージュをする。なるほど、そう見えますね。うんちはお尻から管が伸びて、直接背中に乗せるそうです。
すっかり青空。さんちゃん、油山、生きものたち、今日もありがとうございました!雨上がりの油山に、きらきら光る生命の楽園を見たのでした。
『森ぶら』は、こんな感じで観察しながら、福岡市の油山市民の森を歩く、親子イベントです。自主サークルのような形で、行ける人が集まって、毎月1回開催しています。どうぞよろしく。
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