福祉と経営を両立させること【理事長のコラム】
業績
皆さんは「業績」と聞くと何を思い浮かべるでしょうか。
まず最初に思いつくのは「会社の売り上げや利益」ですよね。株式会社ではこれが株価に大きく影響するので、そのような会社は予め「業績予想(売り上げや純利益などの見通しを公開する)」を行います。
ちなみに経済のニュースでよく耳にする「上方修正」「下方修正」とは、これが予想よりもそれぞれ上回る場合・下回る場合に行います。
中小企業は外的要因ではなく、内的要因が原因で業績を大きく左右されることがよくあります。例えば、それこそ職員がコロナウイルスに感染してクラスターが起こってしまったとしましょう。それに対してどうにか対抗しようとしなければ、当然十分なサービスが行き届かなくなりお客様の満足度は下がります。
お客様に選ばれないという事は、売り上げが下がるということ。
売り上げが下がるという事は、赤字になるということです。
そのような状況であれば、もしかしたら他の会社も同じような状況で同じように赤字になっているかもしれません。しかし、「同業他社もみんなそうだから自分達も赤字になって良い」という理屈は通りません。
どのような理由があれど赤字は赤字。いくら言い訳をしても、結果が全てです。
ですから、幹部が目標値を決めて、何があろうとそこに到達できるように、一致団結して業績を上げる必要があるのです。
赤字になったらどうなるのか、何度もお伝えしていますから説明は不要でしょう。
赤字が続いたら会社がなくなります。
会社がなくなったら、ご利用者様の居場所も、皆さんや家族の生活も一気に破綻します。
だから、赤字とはトップの甘え、罪悪だと皆さんに教えていますね。
絶対に避けるという意識をもって、1円たりとも損をしないようにし、いかなる状況においても業績を上げる努力をしなければなりません。
では、業績を上げるにはどうすれば良いのでしょうか。
それは
「今やっている事で業績が上がっているかを確認する事」
「上がっていないのなら、データを活用して問題を発見する事」
「必要な仕事を残し、いらない仕事を捨てる事」
です。
業績が上がっているなら何も変える必要はありません。
しかし、下がっているならお客様には何かしらの不満足要因があるはずです。
ならば、質の高いサービスを提供するために何が足りないのか、必要なものと不要なものをはっきりさせて不要なものを捨て、その分のリソースを必要な部分に費やす。
これがPDCAサイクルを回すということであり、福祉のプロフェッショナルとして求められる能力です。
福祉と経営を両立させることに懐疑的な目を向ける人は未だにいます。
しかし、そもそも会社が運営できなければ事業が継続できず、業績が上がらなければ良質なサービスが提供できません。
誰にとっても幸せな未来へ向かうことができるように、「業績」を意識して仕事にあたりましょう。
理事長 笹谷 寛道