森保監督のマネジメント&コミュニケーションは、世界が求めるマネジメントになる
世界中のメディアから森保監督のマネジメントが注目されています。
日本の文化習慣からすれば、選手への気遣い、ファンへの気遣い、関係者への気遣いは当たり前でも、海外から見れば信じられないほどの礼儀正しさに映ったことだと思います。
世界からみれば羨望されるほどのジェントル マネジメントだったのではないでしょうか?
ひょっとしたら、これはニューカルチャーとして海外に模範を示せるチャンスかも知れません。
今日はそれについてお話します。
1.サムライジャパンのマネジメント
わたしが衝撃を受けたのは、ドイツ戦の後半でメンバーを入れ替えた瞬間、ムードが一変したことです。
この選手交代は、決して前半の選手がダメだったワケではなく、後半のメンバー交代への布石として、きちんとした戦略戦術に基づいたマネジメントした結果であると感じました。
1)なぜムードが一変したのか?
ドイツの監督は日本のチームをこう評価していました。
・日本は統率力があり、選手全員が一体となって動いていた
・私のチームに一番欲しいものが、このチームは持っていた
つまり、目的、目標、選手個々の役割とミッションをチーム全員で共有し、自主性を重んじたチームだった言うことです。
このことは、森保監督のインタビューで「選手の自主性」、「貢献」、「献身」に敬意を払っていることが分かります。
つまりチームマネジメントです。
その結果、前田選手や長友選手のように献身的に長時間走り続けたり、選手交代で下がった選手が、献身的に水分補給を手伝ったりという行動に現れていました。
これに対して欧州の監督のインタビューでは、自分の戦略戦術の評価と、選手がそれに応えていたか?という視点で語っていました。
つまり、トップダウン マネジメントです。
2)サムライジャパンのマネジメント
ここからは、私が勝手に推測した森保監督のマネジメントですが、こんなコンセプトだったのではないでしょうか。
試合や練習は単なる仕事の場ではなく、学習の場としてフレームワークを作り、それを選手と共有していた。
つまり日本国民への貢献というフレームワークを、チームと選手のコミュニケーションを通して、監督自身も含めて一緒に学習しながら成長する組織だった。
ひょっとしたら森保監督のメモ帳は、選手のプレーが目的、目標、戦略、戦術に対してどうだったのか?何が欠けていて何を学ぶべきかをチェックし、プレー後に選手達とのコミュニケーションのツールにしているのではないでしょうか?
もしそうだとしたら、私のロジラテ思考のUXノートとコンセプトが同じかも知れません。苦笑
※ご興味あれば、この記事をお読み下さい。
これに対して、欧州チームはトップダウンのマネジメントです。
目的は、優勝すること。
目標は、監督が与えた役割とミッションを全うすること。
つまり、自分の仕事を全うし、成果は自分のミッションを果たして勝つこと。
3)森保監督のマネジメントが、世界に影響を与えたこと
目標のベスト8は残念ながら達成することはできませんでしたが、今回、私達は大きな収穫を得たことを、しっかり自覚しなければなりません。
それは日本のチームマネジメントは、世界が羨むマネジメントだということです。
ドイツの監督のインタビューを聞いたとき、ドイツの某自動車部品メーカーを視察したときに見た、ある光景を思い出しました。
メーカーの上席役員と工場内を歩いていると、彼の足元に紙くずが落ちていました。
私はてっきり彼が拾ってゴミ箱に捨てると思いましたが、なんと近くにいた作業員を呼んで、ゴミを指さして捨てるように指示したのです。
日本企業では、どんなに大会社のトップでも足元にゴミが落ちていたら自分で拾ってゴミ箱に捨てるはずです。
この違いはなんでしょうか?
恐らく欧州の階級社会では、それぞれやるべき役割と仕事が決められていて、個々に自分の仕事を全うすれば、全体として成果があがる仕組みになっていると思います。
しかし多様化した現代社会では、それでは通用しなくなるでしょう。
サッカーも、VARや選手の世代交代などのように多様化が進んだ今、これまでのマネジメントでは通用しなくなってきているのかもしれません。
今回のサムライジャパンの奮闘ぶりを見て、日本は新たなマネジメント カルチャーを世界に広めるチャンスがきたと予感しました。
ひょっとしたら、日本のマネジメントが商品となって新たなイノベーションを起こせるかも知れません。
皆さんはいかがお考えでしょうか?
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