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ログホライズンTRPGtips集

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ログホライズンTRPGに関する記事です
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記事一覧

[偵察]を実のあるものにするには

[偵察]を実のあるものにするには

先日、[偵察]タグに関する議論を見かけた。ざっくり言えば、(演出面の話を除けば)データ的に[偵察]をすることで得られるメリットは、実は非常に少ないのではないか、という問題提議だ。
事実、通常は戦闘シーンの直前でエネミーの大まかな姿かたちを知ったとして、その情報を(データ面で)活かす手段がなければ、敢えて[偵察]に取得特技枠を用意するのは特別の事情がなければ不要となるだろう。

では、ディベロッパー

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想定通りに動くエネミーを作る

想定通りに動くエネミーを作る

エネミーは戦場作成の主たる要素だ(といいつつも、筆者はエネミーと同格以上にプロップを愛しているのだが)。
少し言い直そう。戦場の内容がシンプルであるほど、エネミーデータの重要度は増していく。バランスの整ったエネミーを適切な位置に配置できれば、それだけで戦場はほとんど完成すると言って良い。

本稿では、LHTRPGのエネミーを自ら作成するための、私なりのエッセンスを紹介する。エネミーの作り方には様々

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選択肢を調節する

選択肢を調節する

前回の記事で「シナリオサイドもプレイヤーサイドも、用意したものが最初から無かったように扱われるのは不本意だ。だから、すげなく無効化して終わりというのはやめにしませんか」ということを書いた。

しかし、積極的にPCの一部能力を無効化すべき状況というのも実は存在する。行動の選択肢が多すぎる場合である。

多すぎる選択肢は導線を見えなくするあなたはセッションの最初に「100種類のキャラクターから好きに1

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プロップで戦場を規定する-プロップの活用(1)

プロップで戦場を規定する-プロップの活用(1)

プロップは舞台用語で小道具類を表し、LHTRPGではシーンに設置するもののうち、アイテムやキャラクター以外の様々なデータ群を指す。識別難易度などの数項目以外に共通の制限要素はなく、組み合わせることで極めて多様な方向から戦場を定義づけている。

本稿では[壁][空間]など、種別ごとのプロップの特性を中心に基本的な運用方法やアイデアを紹介する。

探知・解析・解除の可不可を決めるプロップ共通の項目に、

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戦闘遭遇をデザインする

位置取りを制する者はLHZを制する、という言葉がある(らしい)。
前記事にも書いたとおり、LHTRPGのスクエアタイル制戦闘は、位置どりや移動の阻止が戦術面でかなり大きなウエイトを占める。このゲームではエネミーは基本的に[ヘイトトップ]のキャラクターを攻撃するよう設計されているため、特定のキャラクターに攻撃が集中しやすい。そのため、プレイヤーは最適な移動経路を予測し、より安全と思われる場所で、耐え

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満足度の高いシナリオを作る

満足度の高いシナリオを作る

本連載では、満足度が高く、多くのプレイヤーに楽しんでもらえるログ・ホライズンTRPG(LHTRPG)のシナリオを作成するためにはどうすればいいのかを解説する。

当然のことだが、シナリオの質を高めることは必ずしも重要ではない。時間的な制限の枠内に収まり、その場にいる参加者が楽しめるようなシナリオを遊ぶことができれば良いのであって、表記上のシナリオの「出来」とそれを遊んだ参加者の満足度が一致するとは

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すぐ使える!LHTRPGシナリオの骨格セット

すぐ使える!LHTRPGシナリオの骨格セット

シナリオをはじめて作る人が、シナリオの何もかもを用意するのは非常に困難だ。(そも、いくつもシナリオを作っている人でも文章化は大きな負担となることが多い。)

この記事では、とりあえず戦場だけ組んでみた!という人に「それ以外」のシナリオパーツを提供する。記事中の(A)〜(G)だけは、あなたが任意の文章を書き込むようになっている。それ以外はそのままコピーあるいは改変して頂いて構わない。まずは、自作要素

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「無効化競争」を終わらせる-プロップの活用(2)

「無効化競争」を終わらせる-プロップの活用(2)

ゲーム中に、ある障害を無視する・無力化する操作があることは一般的だ。上手く困難を乗り越えられたとき、プレイヤーは達成感と喜びを感じてくれるだろう。しかし、そのデータを作って配置しているのも人である。最初からそれが無かったように扱われるのは正直不本意で、できるなら障害物にも尊厳ある滅びを与えたい、と筆者は考えている。

プロップの2回目となる本稿では、[オブジェクト]と[地形]を中心に解説する。実は

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