ばしー

長期スマホゲーム運営/開発を行っていたゲームデザイナ。 2023年2月から個人でお仕事…

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長期スマホゲーム運営/開発を行っていたゲームデザイナ。 2023年2月から個人でお仕事始めました。 ゲーム制作のための個人的note。 UI/UX、グラフィックデザイン、ゲームデザインなど中心に記事を公開しています。

最近の記事

「ゲーム」の違いによるミスマッチ

「ゲームビジネスによってゲームデザインが変わる」 という 当たり前だけど、ゲーム開発者も認識が曖昧な概念を 若手のプランナーに伝える機会があったので簡単に要約します。 なぜ、ビジネスの違いによってゲームデザインが変わるのかは以下の記事に売り切りと基本無料ゲームにおける事情があるということで書いたので興味あれば見ていただくとして 今回はなぜ、知っておく必要があるのかについて書いてみたいとおもいます。 改めて、売り切りゲームと基本無料ゲームについては 現在、ゲームビジネスの

    • 長期運営ゲームを後世に託した

      約10年ほど、とあるスマホゲームを開発運営の指揮を取り、ゲームデザインを担ってきましたがこの度、今年の2月から後任に引き継ぎました。 厳密にはプロフィールにも書いている通り、去年2023年の2月からすでに社員の立場を離れ一線を退いていたのですが、ゲームデザインのサポートなど判断のところで業務を引き継ぎつつ、そこから約1年越し、この1月末に正式に意思決定を後任に譲り手を離れました。 まだ、それほど実感はないですが、ふと立ち止まり、いちプレイヤーとして体験する側に回りだすこと

      • 文字にドロップシャドウを使ってはいけない

        というお題で 今回はゲーム開発というよりはグラフィック寄りのお話で デザインの基礎的な解説をしてみたいと思います。 特にノンデザイナーズの方やデザイン初心者向けの内容。 一見、曖昧で難しく思えるデザインの理屈の手がかりを掴んでもらい 小手先のデザインテクニックより基礎的な理解を伝えられればと思います。 結論文字にドロップシャドウという装飾を例にして伝えたいこと グラフィックデザインにとって、曖昧性を生むような装飾や処理は情報伝達において悪手だということ。 情報を伝える

        • 【2023年読んで良かった本】 書籍「勘違いが人を動かす――教養としての行動経済学入門」

          行動経済学の書籍は個人的に興味があるのもあって、ちょくちょく買って読むのですが「お!これは、行動経済学の決定版では?」と感じた良書だったので紹介するとともに、この書籍でもメインテーマに挙げられてて共感した 「ハウスフライ効果」 について書いてみたいと思います。 ※私の記事はゲーム開発関連に紐づけて記述しているのでちょくちょくゲーム関係と紐づけて書かれています。 ハウスフライ効果とは? めちゃくちゃ要約すると 小便器の的を作ったら、「飛び散って掃除が大変…」という課題がそん

        「ゲーム」の違いによるミスマッチ

          ポップアップウインドウは、ポップアップさせてはいけない

          ポップアップウインドウを題材にして ゲーム開発におけるUI/UXの理解向上についての記事を書いてみました。 タイトルで扱っている「ポップアップ」は上記の英語の意味で引用したように ふいに現れる=瞬間的に出現する、という意味でこの記事では扱います。 「ポップアップウインドウがダメ」というような内容ではなく ポップアップウインドウの出し方を例にUIの体験設計を紐解いてみたいと思います。 結論何を伝えたい記事か 「ポップアップさせてはいけない」の理由はポップアップしてくるウイ

          ポップアップウインドウは、ポップアップさせてはいけない

          【雑記】chocoZAPのメリット・デメリット

          どこでもあるような雑記だと思いますが この11月からchocoZAP行き始めたので軽く日記としてまとめておきました。 なぜ書こうと思ったかというと 思ってたより良かった〜!んですよね。 割と周りにも良さを伝えてたりします。(回し者じゃない) chocoZAPのメリット 「ジムに行く」という心理的ハードルの低さ これに尽きるのですが、以前にジム通ってたことありましたが、着替えとかタオルとか荷物を持っていくという準備ハードル。ジムに行って受付やらロッカーやら着替えやらのスタ

          【雑記】chocoZAPのメリット・デメリット

          クライミングゲーム「Jusant」備忘録

          「Jusant」というクライミングゲームをクリアしたので 個人的に気になったゲームデザイン視点のポイントを書きました。 発売元:DON'T NOD(ライフイズストレンジを作った会社) 発売日:2023年10月31日リリース 対応プラットフォーム:PC / PS5 / Xbox Series X|S https://store.steampowered.com/app/1977170/Jusant/ ゲームの感想(ネタバレなし) どんなゲームか、ちょっと気になってた、とい

          クライミングゲーム「Jusant」備忘録

          スイカゲームはなぜ面白いのか?

          スイカゲームはなぜ面白いのか、その仕組みについて解説してみようと思います。 ※前提として「面白い」について語ることは、どのような視点で何をもって面白いとするのか難しい話なのであくまでこの記事では私が定義する主観で解説するので予めご了承ください。と一応前フリ。 まず、ユーザーとしてのUX(感情体験)のリストアップから始めてみます。 「ゲームをプレイしていて、こういう体験をして、こういう感情になるよねーっ」てのを共通認識としてピックアップしてから、体験ごとに面白さを解析し説明し

          スイカゲームはなぜ面白いのか?

          書籍「UXデザインの法則」【備忘録と解説】

          オライリーの書籍「UXデザインの法則」を読んだので備忘録としてまとめておく。 オライリー系の書籍は電子化されてないのも多く、読み返しにくいのもあり備忘録と、たまにおさらいして読み返さないと法則と実態が定着しないので定期的に見返す用として。 書籍で語られている法則や効果についての 主な10個のリスト見慣れないカタカナが並んでいるので、併せて自分なりに要約し、ゲーム開発の視点でもまとめておく。 本書の所感としては粒度感が少しバラけている印象もあったが、基礎知識としてUXの原理原

          書籍「UXデザインの法則」【備忘録と解説】

          デッサンがクリエイターになるために最強の基礎スキルである10の理由

          なんかブログっぽいタイトルになってしまいましたが、デッサンについて今回は書いてみたいと思います。 はじめに私自身、学生卒業からの就職に失敗し、その後、20代をうだつの上がらない10年を過ごした苦い経験がありまして、それでも30代からでも仕事になんとかありつけて、ゲーム開発者として食っていけるようになった背景として、何が自分の血肉となっただろう。と ふと、振り返った時に「デッサン」から恩恵を大きく受けたことを思い返し、誰かの為になるかもと書き記しておくことにした。 まず結論

          デッサンがクリエイターになるために最強の基礎スキルである10の理由

          ペライチのゲーム企画を評価する時に考えること

          もしペライチでゲームの企画書をコンテストに応募するために書くとしてアドバイスを求められたら、この記事を見てもらおう。 てことで書いてみます。 ペライチ企画の評価をするとき、審査する側も必ずしも明確な基準を設けられているわけではないという状況かつ、個人の主観による評価を加味して複数人による評価、またオーディエンスからの投票によって決められる多様な評価軸を持つものであると仮定します。 という認識の上で、自分自身の審査の基準などを記載しつつ もし、誰かの企画作成の参考になればと思

          ペライチのゲーム企画を評価する時に考えること

          僕らはそれに抵抗できない【備忘録】

          読んだ気で積読になっていた「僕らはそれに抵抗できない」を読んだので備忘録を書き残しつつ、アップデート出来る思考があったのでまとめながら書き記す。 読んでなかったことを後悔するくらい、実のある良書でした。 表紙にもあるように”「依存症ビジネス」の作られ方”の裏側にある人間の行動嗜癖(こうどうしへき)を軸に「人間の抗えない行動」について詳しく書かれており興味深い内容。 ※2019年の書籍なのでちょっとだけ今と状況が違う部分もあるかも GPTに聞いてみると上記が出てきたけど、主

          僕らはそれに抵抗できない【備忘録】

          DREDGE:夜襲われる魚釣りゲーム考察

          Xbox版のDREDGE(ドレッジ)というゲームをクリアしたのでプレイログとして個人的感想もしくは分析を書き記す。 ゲームの良し悪しをレビューするのではなくゲームの分析と構造の言語化を書き残し自らの思考の備忘録とする取り組み。 「このゲーム気になってた」「雰囲気が良さげで気になる」と思ってた人もどんな感じのゲームか知ってもらえると思います。 インディーゲームのいい感じのゲーム探してるって人も、ネタバレは特になく、どんなゲームかというのをゲーム開発者目線で考察していくので何か

          DREDGE:夜襲われる魚釣りゲーム考察

          京都でLUUPに乗ってみたレビュー

          京都の街でLUUPをよく見かけるようになって 家の近くにも設置されているので、昼乗るにはまだ恥ずかしさもあり、初乗りに不安がないわけではないので夜散歩がてらに乗ってみた。 レビューとタイトルに書きましたが、たいそうなものではなく、ただの感想ですので興味のある方のご参考までに。 LUUPの評判などは、現状維持バイアスが強く働く過渡期だと思うのでSNSなどで見てると賛否の否のほうがどうしても強く出ている現状のような気がしますが、個人的には何事も変化には肯定的に捉えたい。 新し

          京都でLUUPに乗ってみたレビュー

          【認知科学】中心視野と周辺視野

          視覚と認知に関する座学としての簡単なまとめ。 ゲームに関する考察として書く記事とその複合的な要素を下支えする科学的な裏付けとして、個人的なリファレンスとして書き記しておく。 人間の視覚は非常に多くの特性を備えていますが この記事では視野に中心視野と周辺視野があることについて理解してもらうためのものです。 ゲームは映画などと違って、UIやキャラクター、背景、演出など複雑な情報を可視化しないといけないため、人間の視覚についてより理解していることが重要になってきます。 ざっく

          【認知科学】中心視野と周辺視野

          ゲーム作るには解説#1

          桜井さんのYoutubeチャンネル「桜井政博のゲーム作るには」 ゲームに関わる開発者にとっても、ユーザーにも分かりやすいゲーム作りの解説を配信しておられる、ものすっごいチャンネル。 電ファミニコゲーマーでも語っておられますが、「ゲーム全体をより良くする」という信念をもって配信しておられて、動画のクオリティも志も行動力もすべてがすごい! そんなすごい動画 私もゲーム作りに関わる端くれとして、微力ながら何か貢献できないか、と思い 自身のゲーム作りの言語化や頭の整理も含めて、(

          ゲーム作るには解説#1