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書籍「UXデザインの法則」【備忘録と解説】

オライリーの書籍「UXデザインの法則」を読んだので備忘録としてまとめておく。
オライリー系の書籍は電子化されてないのも多く、読み返しにくいのもあり備忘録と、たまにおさらいして読み返さないと法則と実態が定着しないので定期的に見返す用として。

書籍で語られている法則や効果についての
主な10個のリスト

見慣れないカタカナが並んでいるので、併せて自分なりに要約し、ゲーム開発の視点でもまとめておく。
本書の所感としては粒度感が少しバラけている印象もあったが、基礎知識としてUXの原理原則の知識を持っていること、法則として言語化できることで様々な体験を作る手助けになるだろう。
体験ってやはり言語化しにくいので感覚値で設計されることが多くなりがち、そこを言語化、明文化することで良い体験価値を積み上げて意図的に作成することが可能になるはず。

【学んでもらえそうなこと】
「UXデザインの法則」の基礎学習と要約
・ゲーム作りとの関係性の理解


おまけ部分も記載したので、かなり長くなってしまったが10個くらいまでが書籍で詳細に語られている部分なので10個を中心にまとめておく。


1:ヤコブの法則

「慣れ」に関する法則。
サービスを利用する際に、ユーザーインタフェースを学習する精神的エネルギーが減らせれば目的が達成しやすくなり成功確率が高くなる。
という前提から、「慣れ」の重要性を語っている。

法則としては、ユーザーが持つ経験の積み重ねにおいて「デザインはこうあるべき」という期待を築き上げること。

その期待にそぐわない場合に離脱やストレスを感じやすくなるため、単純に使い勝手が良い、人間工学、心理学などに即した機能を持っていることだけが正解ということではなく、「慣れ」をデザイナーは熟知し、ユーザーのメンタルモデル、期待に即したデザインをする必要がある。

ゲーム視点で例えるなら
パズドラの大ヒットにより”パズドラもどき”のゲームUIがその後のゲームのインタフェースのスタンダードになったようなケース。とかがわかりやすいだろうか。
あれだけ誰しもがプレイしたゲームで同様のゲームメカニクスをもつゲームを模して作った場合にUIをオリジナルに構築しなおすのはメリットがなかったからだ。

FPSゲームがコンソール機で盛り上がってきた頃、CoDのようなビッグタイトルが流行った時にその操作性と違う機能をボタンに持たせたファーストパーソンゲームは非常に扱いづらかった。操作性統一してよ、と。
ぱっと気の利いた例えが思いつかなかったが、こういった経験が似ているのかなと。

この書籍ではスマホやWEBなどのプロダクトデザインを想定して書かれているので、UIとしての配置やアイコンなども一般的に普及している操作や視覚表現からズレなどがないかチェックすべきだろう。

【まとめ】
メンタルモデル不協和を起こさない
ことに配慮する。
1つ興味深い点として、そういった「慣れ」を重視して一般化していくとすべてが同じようなものになっていく懸念がないのか、という問いにはもちろん差別化がされず埋もれてしまう懸念があるが、ユーザーの学習コストを上げないことが最優先であり、その上で個性を出していくことが二の次である

と解釈したが個人的経験則からも腹落ちする内容。

※メンタルモデル:私たちがどう理解しているかという概念のこと
※CoD:コールオブデューティー(一人称視点の世界中で人気のファーストパーソンシューターゲーム)


2:フィッツの法則

インターフェースデザインより具体的な法則。
ターゲットに至るまでの時間は、ターゲットの大きさと近さできまる。

いわゆるターゲットとはユーザーが行動を起こしたい対象。押したいと思ったボタンなどを指す。
その対象は大きさと近さで決まるという法則。書籍ではモバイルインターフェースを主に述べられている。

非常に具体的な法則だが、個人的な経験則からも見過ごされやすい箇所だと感じる部分。
デザインの基礎は他の記事で解説したいと思うが、UIの些細な配慮によって操作性が大きく改善することを多くのゲーム開発者たちは見過ごす。
なぜなら、UI/UXを見通す解像度を持っているのは数少ないデザイナーのスキルだからだ。
目立つ課題は誰でも気付きやすく改善出来るがフィッツの法則のような無意識的な領域の課題を見つけ出すことは難しい。そういった些細であるが操作や認知に重要な課題を見つけられないゲームは往々にして、「面白いのに売れない」「プレイを継続してもらえない」など、理由が分からないまま沈んでいくゲームにはよく見受けられる印象がある。

例えば
パズドラクローンのようなゲームや売れたゲームのコピーのようなゲームが出た時に元祖を超えられずに終わっていくのはこういった要素が大きいと私は考えていた。
※あくまでもパズドラは先行者利益というのもあるのは加味しつつ

法則とは少し脱線したが
ユーザーの期待に対してターゲットを明確に大きさ、近さを意識するだけではなく、その逆もしかり、ユーザー認知の上でターゲットが遠く小さい場所にあればアクセスしづらくなる、などを匠にコントロールしてユーザーの目的へ適切に導く。
そういったコントロールが繊細にされているゲームはうまくいっている印象がある。

【まとめ】
デザインはユーザーの能力や体験を引き出すものであり
邪魔したり抑え込んだりすることではない。
正確に操作でき、誤操作をさせず、見やすく迷わないインターフェースを作ることが目的である。


3:ヒックの法則

意思決定にかかる時間は、とりうる選択肢の数と複雑さで決まる。
というもの。

ユーザーが情報量に圧倒され認知負荷がかからないように、おすすめの選択肢、次に取りうる行動を目立たせようということ。

スマホゲームのようなタッチセンサーを使ったUIを構築するのはコンソールゲームと比較しても特に重要。
なぜなら、コンソールゲームは基本的に操作可能な手段がコントローラの物理ボタンにどんなときも限られるから。
タッチデバイスでは、各ゲームによっても状況によっても行動可能な選択肢が多く存在し、認知負荷があがりやすいため、UI/UX設計が甘いと途端に体験が極端に悪くなる可能性を持っている。

書籍では
Google検索のようなサイトに1つのフォームしかない、どシンプルなサービスをわかりやすさに挙げ
日本のテレビのリモコンのようなボタンがわんさか付いたインターフェイスを著しく情報処理が必要なもの、記憶力が必要なものとして認知負荷が高い例として挙がっていた。
まさしく、機能主義で作られた典型でヒックの法則にあてはまる、並列に並べられた膨大な選択肢による煩雑性である。

【まとめ】
適切なタイミングで適切な選択肢を提示し、タスクが複雑なら小分けに分解。おすすめの行動を目立たせるようにし、オンボーディング(導入プロセスの支援)を活用し煩わしさは回避しつつ認知負荷を避け、ユーザーの目的へ導こう。

ただし、ゲームでは複雑に入りくんだ状態やシーンが存在し、その場に応じた適切なユーザー支援を表現することは非常に難易度も高い。システム自体が煩雑になったり、ヤコブの法則(期待と違う)に反して負荷が上がる可能性も考慮しなければならない。
また、逆に単純化しすぎて抽象度が高くなったりすることで意味が分かりにくくなったり、行動予測が難しくなったりすることもあるため簡素化しすぎることにも気をつけたい。


4:ミラーの法則

普通の人が短期記憶に保持できるのは、7(±2)個まで

短期記憶として、瞬間的に覚えておける数。フィッツの法則と同じようなことを言っているようだが

ミラーの法則はチャンクという塊を作る要素を使って記憶の手助けができると述べている。

例として電話番号など、意味のない数の羅列などを記憶しておくには、数字をいくつかの塊に分割することで遥かに簡単に記憶できる。

同様に、長文がつらつら書かれた文章よりも、noteの記述様式のように見出し、子見出し、改行を使い、文章を塊として優先順位付することで可読性をあげることができている。

人間の記憶や認知に優しい、負荷をかけない情報整理をすることが大事だと汲み取った。

【まとめ】
WEBのレイアウトもゲームのユーザーインターフェイスも
同様に塊を駆使し、階層構造などを扱いクラスター化することでコンテンツを理解、記憶しやすく処理ができるように促すことが大事である。
人の短期記憶の限度に留意しチャンク化階層化などを意識することで認知負荷を軽減すること。


5:ポステルの法則

出力は厳密に、入力は寛容に。

私たちが忘れがちになることは
人間にとってよいデザインを提供すること。
機能に目を向けすぎることによって、利用するユーザーに機械的な振る舞いを求めてしまうことをやってしまいがち。

WEBなどで入力を求めらるケースによく見られる例では
全角の数字を求められたり求められなかったり
時間をかけた入力情報が消えてしまったり
文字の入力自体の難易度が高かったり。

ゲームの世界というよりは、実世界で扱われるサービスのほうが厳密なアウトプットが求められることが多そうだが、仮想世界においても快適な入力作業が行え、出力はシンプルに厳密に表されることでスムーズにユーザーの目標達成がなされるはずだ。

例えば、ゲームでぱっと思いつくのは
操作としての入力であれば先行入力(操作受付時間の許容度)などのストレス軽減であったり
ある目的を達成させるための操作として複数のやりかたを用意しておいたりすることも誤作動や迷子などの原因にならなければ入力手段として寛容さが増すだろう。

【まとめ】
すべてはユーザーのとりうる行動をよく観察し、メンタルモデルをどれだけ理解寛容性を作り出せるか、こういった行き届いたオモテナシがゲームにおいて神は細部に宿る。ということだろう。


6:ピークエンドの法則

重要な瞬間(ピーク)と最後の瞬間(ピーク)を大事にしよう。
という法則。
いわゆる「終わり良ければ全て良し」は本当。だと思う。

ただし、ネガティブピークはより印象に強く残ってしまうので注意しようとのこと。
人は報酬より損失を強く回避したい生き物。ネガティブイメージのほうが強く残るため、ピークエンドの足を引っ張ってしまうことは避けたい。

しかし、プロダクトにおけるネガティブピークは避けられない場合もあり、何かの障害が起こってユーザーが利用できない状態が起こったり、不可抗力ではないにしろレスポンス(サーバーからの待ち時間やロード時間など)のストレスなどによるネガティブイメージは一定避けられないものもある。

そういったネガティブピークになりそうな箇所を想定し、ストレスを軽減するようなアイデアなどで緩和をするといった工夫が必要。

マクロな視点での法則例として
ゲームのラストの展開やエンディングに満足感があれば途中の展開がそこそこでも評価がそれなりに良いものと(感じやすい)なる印象がある。
ただ、重要な瞬間にピークがなければ終わり良くても高い評価とはなりにくいということ。途中のピークの印象とラストの2点を抑え、ネガティブピークが致命的でなければ良い体験を提供できる可能性があるということだ。

ミクロな視点での法則例として
ゲームの中でタスクをユーザーに課した時に最終的に得られる報酬や褒めてもらえる演出などがなければよい体験は得られないだろう。だから、ゲームでは小さな達成に対しても盛大に褒め称えてくれるのである。
だが、演出に目を向けすぎてはいけない、達成に対して明確にフィードバックしてあげることが本質である。

と、切り取る尺度は違えど、しっかりラストの体験を満足行くものにするというのは大事であるということに変わりはない。


7:美的ユーザービリティ効果

見た目が美しいデザインは人にとってポジティブな印象を与え、使いやすいと感じさせる効果。

良いデザインであればよいことは確かだが、見た目が美しいデザインはユーザービリティに影響を与えるということ。
見た目の美しさはポジティブな印象と共に、認知能力を拡張しユーザビリティが良い。と感じやすくすること信頼性を高めることが可能とのことだ。

自動認知処理
心理学上の概念として、理由を述べられていたので要約しておく。

私達は周囲にあるものすべてに注意深く処理することはできない、そんなことをしていたら膨大な情報処理に埋め尽くされて生活に支障をきたすからだ。
自動認知処理によって私達はすばやく判断を下すことができている。
大きく分けてシステム1システム2の認知処理があるということ。
素早く処理しないといけない直感と複雑な問題解決をする熟考だ。

システム1:直感
・第一印象は時間が経過しても変わらない
・美的ユーザービリティ効果の理由はここにあり
・ウェブサイトを見た人は50ミリ秒以内にそのサイトを評価を下している(らしい)

システム2:熟考
・複雑な問題解決のための思考システム
・考えて判断するフェーズ

美的ユーザビリティ効果はシステム1の直感に大きく紐づくものであり、第一印象で得られた情報がシステム2に引き継がれたとしても判断が持続されるということ。
よって、見た目の綺麗さや印象がいかに重要であるかが分かる。

Apple社がなぜ世界の時価総額1位であるか。ということが裏付けとなっているだろう。

脱線するが
「人は見た目によらない」とはいうものの、第一印象が重要な判断軸となっていることは上記の理由から否定はできない。
営業マンがびしっとスーツを着ているのはこういった効果を知っているからである。


8:フォンレストルフ効果

似たものが並んでいると、その中で他と異なるものが記憶に残りやすい。

若干、分かりづらく書かれているが単純に
同じものが並んでいる中で異なるものがあると記憶に残りやすく、人間は注意を引く能力を持っているということ。

ゲームやプロダクトの例でいうと
スマホのアイコンにバッジが付いたりすることで人は注意を引きつけられたり
ゲームやWEBのメニューなどもアクティブな状態を明示するために並列な項目のなかに特徴づけをしたり
ユーザーへ意思決定の選択肢を求める時など、特別な注意喚起や選択肢へ迷わないように誘導するなど、他と違う特徴付をすることで記憶に残したり、判断しやすくしスムーズな目的達成を促すことに使われている。

この効果については具体的で役割も明確なため深掘りしないが
人間はいつも視野にあるものをすべて認知しているわけではなく、注意がどこに向いているかを知る必要がある。
別の記事で周辺視野について記事を書いていますが、フォンレストルフ効果と共に、視野と認知についても学んでおくとよりユーザーの注意をコントロールできる手助けとなるでしょう。


9:テスラーの法則

どんな機能にもこれ以上減らすことのできない複雑さがある。

当たり前のことなのだが、必要最低限の機能、最大公約数的に削ぎ落としたとしてそれ以上、簡単にはできないよ。という法則。
だから、複雑なものは複雑なものとしてどうやって使い易くするか、難しくミスなく利用できるかなどを考えられるか。
その切り分けを出来るようになることがこの法則の言わんとすることだと思う。

削ぎ落とした複雑さをさらに簡単にしようとするとユーザーにとって不便になったりすることもある、と書籍ではアイコンを抽象化しすぎて意味がわからなくなることでユーザーの認知負荷が上がる例を挙げている。

【まとめ】
機能が持ちあわせる複雑性を見極められることは、必要な複雑性を加味した上でUXを構築していくために非常に重要な視点だ。


10:ドハティの閾値

応答が0.4秒以内のときにコンピュータとユーザー双方が生産的になる。

法則の類ではないが具体的で意識したい値だと思ったので記述しておく。
もう少し詳細に
・0.1秒の応答は人は気づかない
・0.1〜0.3秒で遅延に気づき
・1秒を超えるとユーザーはタスク以外のことを考え始める

とのこと、非常に興味深い数値だ。

深堀りすると
レスポンスが適切に返ってくるとスムーズに処理できるが、遅延が大きくなるとユーザーは別のことを考えるというのが興味深く感じた。

遅延によってストレスを感じるのは
たまごニワトリかもしれないが、脳がタスクと別のことに意識を向け、シングルタスクを維持できないから認知負荷を感じる、という注意散漫さが生みだしている苛立ちであること。
脳はおそらく無意識的に目の前のタスクを放棄していると考えられるので、ユーザーの意思とは関係なくストレスが発生する仕組みになっているといえる。
逆に、遅延に対して閾値を認識できていれば、目の前のタスクを継続できるように何らかのレスポンスを出し続ければ意識が他に向かない=遅延を許容できるということになる。

ゲームのローディング時間にインジケータを出すことで、待ち時間のストレスを軽減するなどの方法も、常に0.4秒以内にはアニメーションによって状態が常に更新され脳がタスク以外に意識を飛ばさないような刺激を与え続けている、という視点からみると納得がいく。

上記ケースはこの0.4秒以内のレスポンスからは離れた例であるが考え方は同じように思える。
逆に、短尺のレスポンスが発生するインターフェース操作において、ドハティの閾値を考えるのであれば非常に精度高くユーザーの意識を外に向けない巧妙なリアクション表示が必要になってくると考えられる。

逆に0.1秒よりも早い応答をしてしまう場合などユーザーが認知できないケースも気をつけるべきだと記載されている。

ゲームで思いついた例でいうと
ポップアップウインドウの表示に演出を伴いながら、情報表示を行う場合、実際は1フレーム(0.1秒)以下でもレスポンスを行えるが画面の変容がどのように行われたか(今見ていた画面の認知から何がどうなったのか)が認知できなかった場合にユーザーは状態把握に負荷がかかる。
ポップアップするウインドウは何をしたからどうなって情報が出てきたのか、画面の変わったところ変わっていないところが瞬間的にでも時系列を持って認識できることで認知の負荷を抑えることができる
当たり前のようにテクニックとして使っている御作法もこうやって解釈することで適切な見せ方が構築できるはずだ。

ゲーム開発において陥りやすい落とし穴でもある。
エンジニアリング中心に構築していると、機械は瞬間的に処理できるが、人の認知能力を無視し処理した内容を画面にいっぺんに表示してしまうと、体験がまったく加味されないゲームが出来上がったりするのはこのため。

【まとめ】
ドハティの閾値は定量的にストレスのないUI/UXを構築するために、応答の共通認識が持てる基準として有効な知識となるはず。
レスポンスを網羅的にチェックすればストレスのないプロダクトを目指せる。

以上

本書で紹介されていた主な法則について自分なりの解釈を踏まえて書き記した。
1つ1つの法則とじっくり時間をかけて例を捻り出したわけではないのでわかりにくかったり、ズレている部分もあるかもしれませんがそこはご容赦ください。
名前から法則がぱっとイメージしにくいものも多かったので私自身も読み返して法則の効果や経験則とマージしながら定着させていこうと思う。



おまけの要素

本書の前書きに記載されていた、本書で詳しく扱わなかった効果や法則も合わせて記事の終わりに掲載しておきます。結構なボリュームになったが…
※多少自分なりに解釈して記載しています。

目標勾配効果

簡単に言うと、目標に近づくにつれ、より、目標達成しやすくなるという効果

成長の実感やゴールに近づくことで達成への道のりを感じやすくなるということ。感覚的にわかるが、意外となぜそうなるのかを理解しておくことは重要。
ゴールへ近づくこと、すなわち不確実性が収束していくことで可能性を現実的に捉えられたり、期待感が増すこと、現実的な結果を前払いで体験するイメージがつくなどがあるのかなと思った。
例としては、WEBなどではゴールまでの道のりをインジケータなどで常にユーザーに可視化したり、お店のスタンプカードのようなものに利用されている。


共域の法則

それほど難しい話ではなく

領域を明示することによって、グループ化されているように見えるということ。
視覚的にここまでが領域ですって枠でくくったり、背景を敷いたりすることで近接したものであっても、共域が優先されてグループ化されていると見なされる。

ということだと解釈した。
デザイン的にはよくある手法だが、一定強制力を働かせたい場合に利用することが多い印象。余剰さを出してもグループとして見せたい場合(複数要素の選択項目を一時的にハイライトしたり)などに利用するイメージ。

わかりやすい記事があったので引用も置いておく


近接性の法則

近くにあるものは同一グループとして見なされやすいというデザインの原則にも使われる法則。

デザインのお話で良く出てくる馴染みのある法則だとおもうので、群化、グループ化と呼ばれるものですね。非常に重要な法則だが誰しも知ってると思うので以上。結局、意識して使いこなす経験値は必要だと感じる。


プレグナンツの法則

曖昧な画像や複雑な画像を単純な形として認識し解釈。
認知的な負荷をかけずに処理するための脳の機能。

であるから、アイコンとかを使って分かりやすく認知しやすい記号化を意識してデザインすることを目指すわけですね。単純化しすぎて、認知負荷をよけいに上げてしまうことは注意が必要。


類似性の法則

類似の特徴をもつものはたとえバラバラに配置されていたとしても同様のグループとして知覚されるということ。

ゲームではたくさんのアイテムなどを記号化してデザインする時に同様の機能をもつものはフォーマット化された同じ特徴を持つデザインにして、画面内にバラバラに表示されたとしても認識しやすくするなどの効果を果たしているなどが例として挙げられそうだ。
近接性の法則は近くに集めること、類似性は似ている特徴を持たせて1つの塊として見せることで認知の手助けをするということ。
身近な手法だが、言語化して覚えておくとよさそうだ。


連続性の法則

上記で扱ってきた法則と似ているが

色や線、フレーム、その他の形状を介して視覚的に接続されている状態のものは関係性が高いと認識される。

当たり前な感じがするが改めて言語化するとこういうこと。
たとえば、図解において矢印などによって接続された情報が関係性ある目線の流れであることを示唆することもこれに当てはまるし、(ゲームのチュートリアルのような)一時的にでも関係性の深い状態を表したいときにも視覚的に接続することでユーザーの認知の手助けをすることが出来るだろう。


オッカムの剃刀 (カミソリ)

同じような精度で予測する仮説が競合しているなら
仮定が最も少ない仮説を選択する必要がある。

その通り、としか言いようがないが、なぜそうするべきかと考えるならば
複雑な仮説はより複雑な課題になり、複雑さを回避することで課題をシンプルに解決できるということ。
逆にいえば、仮説を立てる時に削ぎ落とす要素が多ければ多いほど、すでに解決しないといけない課題が削ぎ落とされ課題解決はシンプルで制度の高いものになる。ということだと解釈した。

ゲームの企画などにおいても、実はこんなに複雑な仕様にしなくても機能したのではないか、みたいなことは往々にあったりする。最初の仮説定義の段階でそぎ落とせるものが多ければ多いほどよいのは頷ける。


パレートの法則

ある現象や問題において、一部の要素が全体の大部分を占めているという法則です。具体的には、たとえばある会社の売り上げにおいて、20%の商品が全体の80%の売り上げを占めているというような状況。

働き蟻にも例えられることが多い有名な法則ですね。
全体の2割が8割の効果を出している。最近では必ずしもそうならないという研究もあるようですが、重要な要素が成果の多くを占めることは想像にたやすく、ソシャゲのフリーゲームでは一部の課金者で成り立っていることも考え方的には近いといえる。
全体を作り出している結果は一部によって作られていることを認識しておくことは大事。


パーキンソンの法則

夏休み症候群です!以上。

どんなタスクも時間を使い切るまで膨れ上がる。というやつ。

有名な法則だが、仕事や勉強をする我々にとって最も身近で攻略が難しい法則ではないかと思う。
個人的にはタスクの締切を適切に設定することがタスクをこなし成長する上での一番重要なことだと感じる。

締切は適切に設定する。これ重要。


系列位置効果

リストの最初と最後の項目が記憶に残りやすい。


いくつかの情報を同時に覚えようとするとき、覚える順番によって記憶の差異がでる、ということ。
最初と最後はよく覚えていても中盤はあまり覚えていない、みたいなことは実体験としてイメージできる。あのこと。

テクニックとしてはWEBならば、ハンバーガーメニュー(リスト)の項目の順番を考慮する際に
最初の項目を見てもらいたいものに設定し、ユーザーを誘導するなどが挙げられる。

ちなみに
冒頭の記憶しやすさを初頭効果
後半の記憶に残りやすさを親近効果
という。

なぜ、そうなるかというのは割とイメージ通りで
冒頭は気力の新鮮さ、第一印象の効果、集中力などの理由で記憶しやすい。
後半は中盤を経て集中力の復帰や序盤よりも後半に覚えたことの短期記憶としてのアドバンテージなど
なんとなくイメージできて頷ける、理由だったりします。

記憶を手助けするということよりは、記憶に差異のある現象を踏まえて体験を設計することが大事である。


ツァイガルニク効果

完了したタスクよりも、未完了や中断したタスクが記憶に残りやすいという効果。

「心理的リアクタンス」という現象が原因となるようだ。
心理的リアクタンスとは他人から行動を制限されると、逆にやりたい欲求が高まる心理現象のこと。
要は中断したタスクは制限された行動となり、気になって仕方がないという状態が生まれるということ。
頭の中にタスクを抱えてしまうのでストレスになったり生産性が落ちたりすることにもなる。

逆に、未完了のタスクが気になってやり遂げてしまいたくなる気持ちを逆手にとり、業務をやり遂げる意欲に繋げたり。
マーケティングの手法として、コンテンツの続きを引っ張って継続させるようなやり方を構築したりすることにも利用される。

ゲームの場合にも、継続性を高めたりするのに多く使われている。

あげるとキリがなさそうですが、スマホゲームのログインボーナスなどのテクニックもそうだし、壮大なストーリー性のあるゲームにおいて序盤の伏線(謎や意味深な出来事)を中断されたシナリオとしてとらえ、ゲーム進行と共に回収していくのもそれに当たるといえる。

ゲームの成長要素とも関係が深い。
ツリー化され可視化された成長要素などは常に経過が見えるので最後まで成長させたいと進めていく意欲につながる。

このように言語化してみると、効果的な要素を分解して考えられるようにもなるので改めて学びになった。


といったところで、かなり長文になってしまいましたが
以上です!
辞書代わりにでも利用ください。


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