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ペライチのゲーム企画を評価する時に考えること

もしペライチでゲームの企画書をコンテストに応募するために書くとしてアドバイスを求められたら、この記事を見てもらおう。
てことで書いてみます。

ペライチ企画の評価をするとき、審査する側も必ずしも明確な基準を設けられているわけではないという状況かつ、個人の主観による評価を加味して複数人による評価、またオーディエンスからの投票によって決められる多様な評価軸を持つものであると仮定します。
という認識の上で、自分自身の審査の基準などを記載しつつ
もし、誰かの企画作成の参考になればと思います。


評価するために定めた基準

は以下の3つ

  • ゲームロジックが斬新かどうか

  • 企画書が伝わるように書けているか

  • 売れるのかどうか

評価基準に明確に「面白さ」という指標はを含めません。
「面白さ」を定量的に評価するのは難しいのと、ペライチで伝えるべき「面白さ」には限界があるので、その可能性を感じられるかというのを上記の3指標に内包するようなカタチで基準を定めてみました。
そして、3要素が揃っていることが高評価を得る前提基準としています。

では、3つの基準を解説していきます。

ゲームロジックが斬新かどうか

これは応募される作品の傾向も加味し、アドバイスの意味も込めて基準にしました。
面白いかどうか、というのは、あまたあるゲームロジックの中で要素抽出し、実際に面白いと評価されているものを拝借してくれば、「面白さ」軸では企画として成立出来てしまいます。でも、それは違いますよね。
ゼロイチを生み出す必要はないですが、今あるゲームロジック、あるいは面白いと思う要素をどのように掛け算し、新しいアイデアとして昇華しているかは重要なポイントになるはずです。
すでにある面白いものを企画として提出すれば、それはすでに面白い企画だから評価する側も判断が難しくなるんです。
特に審査員の目というのは、「あーこれは過去のあのゲームと一緒だな」とか「あのゲームのパクリだな」というのを見分ける審美眼に長けているので、参加する側の経験値などの差が出やすいところで落とし穴になりやすいかなと思います。

ガワがテーマに沿ったものでゲームプレイは過去にある「スタンダードなゲームロジック」のような企画、で躓いている企画も少なくないので斬新かどうかという基準が一つ参考になればと思います。

企画書が伝わるように書けているか

この評価軸はそのままなのであまり書くことはないですが
個人的には装飾によって楽しそうに見える部分については加点はせず、どれだけ伝えたいことが明確に伝わるようにレイアウトされているかで判断しています。

ただ、装飾をうまく使われたり絵をあしらってうまくレイアウトされている企画書というのは往々にして情報伝達のデザイン知識もある方が多い気がしており結果的には評価としては良くなっていると感じます。

ペライチの企画書を伝わるように書く、というのはデザインの知識を有しているかどうか。
というのとほぼ同義なので、学ぶ必要があると思います。

例えば以下、「ノンデザイナーズ・デザインブック」のような

こういった書籍などで、情報整理の技術を学ぶことは必須

デザインの基礎を知らずして企画書を書くというのは
頭の中にある「最高のアイデア」
ペライチにまとめる構造のところで劣化
人に伝える表現ところでも劣化します。

自分でキャラクターの絵を描いたり、魅力的なアートを用いて装飾をする(できればこしたことないですが)ことが出来なくともアイデアを伝え理解に努めることは可能です。
自分の頭の中のアイデアを要点を絞って適切に伝えられるかどうかは適切な優先順位を付け、要点を絞って、伝わるようにデザインできるかどうか
というのが評価に大きく関わってくる1つです。

売れるのかどうか

この評価軸は個人的にも悩ましいところで、個人差があるということは前置きしつつ

ペライチのゲームの企画書として、面白いゲームの企画書であれば「売れる、売れない」など関係なく面白ければ評価すべきではないか。
という考え方も正しいと思うのですが次のような考えから判断しました。

  • 「面白さ」が定性的になりすぎるため
    どこまでいっても面白さが審査員の主観によるところが大きくなるのと面白さのゴールがどこへ向かえばいいのか。をある程度定量的に判断できること。

  • 審査員の暗黙知
    基本的に審査員はゲーム開発を生業としている人が評価している、それは企画が最終的に売れるものになるかどうかを暗黙的に判断していると思います、それが評価に必要かどうかはさておいたとしても良し悪しの判断に加味されるだろうということ。

  • ゲームの耐久性
    ペライチ企画なのでインパクトとしての面白さが伝わればOK。
    というのは一定あるものの、多角的に見てゲームが破綻なく成立して楽しめることや、何度も楽しめるかどうか、楽しさのバリエーションや深みによって、ボリュームを作ることが出来るか、などを耐久性とし
    遊びにどれだけ厚みがあるか、プレイヤーに十分な遊びを提供出来るかも、切り離せない指標であると考えます。

上記のような判断軸をひっくるめて「売れるのかどうか」という評価軸に繋がると考えました。


まとめ

いち評価者として、どういった目線で企画を審査しているのかということをあくまで自分なりに記載してみました。
ゲームの企画というのは非常に定性的な部分も多いに含まれますし(実際はロジカルに分解出来ることも多いですが)、ゲームという定義も解釈が人それぞれいろいろあってこそ、アイデアとして意外性なものが出てくると思います。

かといって、どのようにゲームを考えればよいか、アイデアを醸成させていけばよいかなど、企画経験が少なかったり学んでいる最中という人にとっては「よい企画ってなんだろう?」と迷うこともあると思います。

その一助として、評価をする側の目線で
1つの考え方ではありますが、普遍性のある部分もあると思うので、この記事が何かしらゲームの企画を立てる際に誰かの参考になったりお役にたてると嬉しいです。

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