音楽で飯を食う
音楽一本で食べれるようになったのは25,6歳の頃だったと思います。
それまではバーや居酒屋、焼肉にカラオケ、ティッシュ配り、iPhone修理…色んなバイトをやりましたねぇ。
音楽以外の仕事は絶対にしたくなかった僕にとってバイトは苦痛でしかなく、生活のために本当に仕方なくやっていました。雇う側からしたらとっても迷惑ですよね、それは申し訳ないと思っています。
実家から都内は通えるのですが、音楽家として自立したかった僕は、世界一周帰国後早々に実家を出たので、迫り来る家賃の支払いにかなり苦労しました。
さて、音楽で飯を食っているかどうかって、音楽家にとってはよく議論になる話なんです。要はプロかアマチュアかってことですね。
今回はそのことについて書いてみようと思います。
※この記事はプロもしくはプロを目指している音楽家に必要な考え方について思うことを書いています。決してアマチュアだから良くないとかそういうことではありませんので誤解しないでくださいね!
プロミュージシャンには大きく分けて二つの種類がいると思います。それは
花形と裏方
です。花形とはステージの真ん中に立つアーティストさんやバンドです。大前提としてそれなりのスキルは要求されますが、それよりも楽曲の良さ、カリスマ性、スター性、人気とかそういうことが職業音楽家になるために必要になります。
裏方と言えば、アーティストのバックにいるサポートミュージシャンやレコーディングをするミュージシャンです。人気商売ではなく、演奏スキルを買われ、ギャラと引き換えに演奏を提供するわけです。
どちらが職業として安定するかと言えば、後者になります。
裏方は仕事を貰うだけなので手出しは機材代くらいですが、バンドやアーティストはライブハウスに出演費を払い、サポートやスタッフにギャラを払い、スタジオ代を払っています。
相当数の動員が見込めなければ完全に赤字です。今となっては素晴らしいバンドやアーティストの方を身近に知っているので、大きな憧れをもっていますが、当時「音楽で食べれるようになりたい」と考えていた僕の選択肢にはありませんでした。
裏方の仕事はアーティストありきですので、本当にいつも尊敬と感謝の念に絶えません。そして飯が食えてるアーティストというのは本当にすごい存在だと思います。
僕は花形に憧れる裏方なわけですが、裏方について思うことがあります。
それは裏方にとって「音楽のみで生計を立てることが大切なのか」です。
結論から言えば、プロを目指しているのであれば僕は大切だと思います。
それは経験則で思うのですが、仕事に対する情熱と責任感に大きな差が出てくるからです。
勿論、音楽以外の仕事やバイトをしていても、しっかり情熱を燃やし責任感がある人もたくさんいるのですが、食えていない人に限って、生半可な気持ちや態度で仕事しているなと感じたことがよくあったのです。
そして社会人としての常識が守れない方も多いです。ホウレンソウが守れない、仕込みをしてこないからリハでボロボロ、遅刻を繰り返すなど…
僕が仕切る現場ではそういう人は2度呼ばないことにしています。何故なら現場に迷惑ですし僕の信用が落ちるからです。
ミュージシャンの多くは社会経験がないまま社会人として音楽家になるので、こういう当たり前のことが出来ない人も多く、こういった人たちに限って、やっぱり食えてないことが多かったのです。
なので今プロミュージシャンを目指している方は、自分が社会人であり、信用商売であることを是非自覚して欲しいなと思います。
逆のことを言うようですが、音楽で食えないこと自体は全く恥ずかしいことでは無いと思います。CDで制作費が賄えないのでギャラの相場もどんどん下がり、先輩達が安受けし出すと、若手にはなかなか仕事が降りてきません。
かく言う僕もずっと試行錯誤・トライ&エラーを繰り返しながら色んなスキルと人脈を作って、何とか音楽だけに集中できる生活になりました。
「プロになる」と息巻いていた20代前半の僕はギラついていてけっこう怖かったようです(笑)
けれど今までやってきたことは間違って無かったと思います。たくさん失敗して怒られたりもしましたが、メジャーアーティストの仕事をやらせてもらえたり、国民的アイドルグループに楽曲提供できたりと、少しは実績も積めましたが、向上心がハンパない僕は全く現状に満足はしていません。
音楽への情熱を燃やし続け、義を重んじて、信用を大切にすることを心がけてます。より大きなステージで素晴らしいアーティストを支え、作家としても人の心を震わせる、国民的ヒット曲を作りたいと思っています。
今はライブ自粛の世の中なので殆ど仕事がありませんが、半年1年後、次のステップに行くために、着々と準備しています。
義理、筋などの感覚は三国志を読むとよーく分かるのでとてもオススメです!
今回は「音楽で飯を食う」ことについて、想っていることを書いてみました。
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