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アート×探究学習 - アート鑑賞を通じて多角的な視野と問う力を養う(関西学院 高等部)

この記事では、ベネッセアートサイト直島が学校や団体、企業の様々な目的やテーマに応じて実施した、2023年度の教育プログラムについてお伝えします。

プログラム概要

3日間の体験を通して、多角的な視野と問う力を養い、「資源としてのアートがどのように地域に影響を与えているか」という探究テーマについて考えを深めるプログラム。

■開催日時
2023年8月17日(木)~19日(土)
■参加者
2年生9名+先生2名
■問い合わせ日
2023年4月13日(木)
■認知経路
ウェブ問い合わせ

The Naoshima Plan 「水」の運営に携わっている堀口容子さんにインタビューをする様子

スケジュール

■1日目

11:20 宮浦港着
12:00 昼食、ベネッセアートサイト直島レクチャー
13:30 ベネッセハウス ミュージアム
     (対話型鑑賞、問いのワーク)
15:15 李禹煥美術館(対話型鑑賞、自由鑑賞)
16:30 終了

■2日目

  9:00 地中美術館
11:00 島民インタビュー
12:00 ANDO MUSEUM
12:30 昼食
13:00 家プロジェクト
15:15 宮浦ギャラリー六区
16:00 振り返り@福武財団オフィス
17:00 離島

■3日目

  9:40 唐櫃港着(豊島)
10:00 豊島美術館、棚田散策
11:00 昼食
12:00 心臓音のアーカイブ
13:15 針工場
14:00 豊島横尾館
14:45 離島

特徴

プログラムの特徴

・「アート鑑賞を通じて多角的で柔軟な視野と問う力を養う」、「探究学習:資源としてのアートがどのように地域に影響を与えているかを考える」という2つのテーマを軸に、1日目は対話型鑑賞を中心にアート鑑賞を通して自分なりに問いを立てる内容、2日目以降は探究学習のテーマを主軸に据えたインプット、多様な表現に触れながら視野を広げる内容で構成。
・実際にアート施設の運営に携わっている島の方にお話を聞き、インタビューするパートを設けた。

参加者の反応(アンケート:9名回答)

■満足度

4.7 / 5 点

■理由

いつもとは違う環境下でたくさんの作品に触れることができた。

何人かで行くことによって自分と違う意見を聞くことができ、その考え方を共有できる機会となったことがとても良かったと思います。また、作品について解説をしてくださるのではなく、対話型鑑賞をし、疑問で返してくださることにより1人ではそこまで深く考えることのないところまで自分がどう感じたのか知ることができました。

島民の方の生の声を聞けるので島民インタビューは良かった。

対話型鑑賞がとてもいいなと思いました。私はこの鑑賞の仕方をしたことがなく、正解などないとわかっていても自分の意見に自信がなく不安でした。ですが、他の人の意見を聞きこのように考えることもできると知り、また、改めて正解などなく人によって考え方や見方が違うと知ることができたからです。

各自で自由に美術館などを見てまわれるような時間がもっと多かったら、自分が興味のある作品をじっくりと鑑賞できてよかったと思います。

■アートの役割、地域への影響を考えることができた

4.8 / 5 点

■理由

実際に、アート作品や島とアートの出合いに関わっていた島民の方の意見は、私にとって新鮮なもので、アートの役割や地域への影響について考えるとても良い機会となりました。楽しそうに話してくださるお話には直島がアートの島になるための住民による困難や葛藤など様々な感情が含まれており、充実した時間を過ごすことができました。

現地の方や職員の方のお話を聞き、意見交換をすることができたから。

最後にアートの役割について考えた時にたくさん意見を出し合うことができたから。

企画担当者からの評価

■満足度

5 / 5 点

■再利用意向

5 / 5 点

■コメント

スタッフの方が帯同してくださり、作品解説や対話型鑑賞だけでなく、その作品が制作される過程や、美術館の外の作品における島民との関係性などうかがうことができた。

家プロジェクトなど本村地区は、もう少し時間をとって生徒に自由に鑑賞させる時間をとることができればなおよかったと思う。

「アートの果たす役割」について、現地でひとまずの考えを話し合い、まとめる時間を頂けたことで、学びのパッケージとして達成感も与えることができた。また、帰ってきてからも「特別な経験」をしたというアドバンテージが彼ら(生徒)のアートに向き合うモチベーションにもつながっている。

本校の探究型カリキュラム「アート思考」はアートそのものと向き合い、イノベーションにつながるような多角的な思考や発想を持つことができる生徒を育てたいという目標とともに、課題を設定し解決に向けてリサーチする論理的な思考も求めている。アートが地域に与える役割、アートと行政の問題など、直島をはじめとするベネッセアートサイト直島には様々な学びの資源があると考えている。

まとめ・考察

・対話型鑑賞を通じて自分なりの作品の見方や解釈を言語化できていた。
・作品鑑賞から自分の関心事を考え問いを立てるワークは少し難しそうにしている生徒もいた。冒頭の対話型鑑賞など作品鑑賞を通して思考力を鍛えるパートを長めに設けられるとより取り組みやすかったかもしれない。
・2日目の振り返りではインタビューで聞いたお話や実際に見てきた作品の印象から、それぞれがアートの役割や地域への影響について自分の意見を持ち、発表できていた。(大黒)

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