人生相談ショートストーリー【揺れやすい心とどう向き合うか】
カフェのカウンターで、マスターとお客さんが会話しています。
マ「なにかあったんですか」
客「最近ちょっと自己嫌悪してしまうことが多くて…」
マ「そうでしたか…例えばどんなときに?」
客「例えば、人が怒られているのを見たり、自分のミスに気づいたりすると、すごく動揺してしまって」
マ「あぁ、動揺しますよね…」
客「もっとブレない自分でいたいなって思うのに、なんでこんなにドキドキ・ビクビクしてしまうんだろうって、自己嫌悪しちゃうんです…」
マ「たしかこの間、ご自身がHSPだと気づいたと言ってらっしゃいましたね」
客「そうそう、すごく腑に落ちました」
マ「HSPの方は、そういった出来事の一つ一つに敏感に反応してしまう傾向があるそうですよ」
客「そうなんですか。こうやって自己嫌悪に陥ってしまうのも仕方ないんでしょうか」
マ「自己嫌悪に陥るのは、無理に感情をコントロールしようとしているからかもしれませんね」
客「無理に感情を…?」
マ「ポジティブな出来事にも、ネガティブな出来事にも、どちらにも強く感情が反応するものらしいので、それを抑え込もうとするのはあまり好ましくないのかもしれません」
客「そういうものなんですかね。でもだからこそ、自分の中にブレない軸を持ちたいと思ってしまうというか…」
マ「思いますよね。ぼくもそうやってよく自己嫌悪してました」
客「え、そうなんですか?どうやって抜け出したんですか?」
マ「まずひとつのアプローチとして、”変えられる部分”と”変えられない部分”を明確に分ける方法があります」
客「変えられる部分と、変えられない部分…」
マ「たとえば、”動揺してしまう”のは、もはや”変えられない部分”として受け入れてしまう」
客「えっ」
マ「”動揺するのは仕方ない”と決めるんです」
客「決める…」
マ「自分にとって”当たり前のこと”だと」
客「当たり前のこと…その視点はなかった。無理に感情をコントロールしようとしないってことですね」
マ「そうです。そのスタンスなら、自己嫌悪を軽減することができるかもしれません」
客「”こんな自分じゃダメだ”と考えなければ、自己嫌悪はなくなるということか…」
マ「そうそう、その調子です。一方で、”変えられる部分”はどこがありますか?」
客「ん~…動揺しちゃうのは仕方ないんだから…気持ちを落ち着けるなにかをすることとか?」
マ「いいですね!起きてしまった後の具体的な”行動”は、きっと”変えられる部分”ですよね」
客「たしかに。ちょっと席を立ってコーヒーを飲むとか、一人になるとか、できそうなことはあるなぁ」
マ「感情の反応を否定せず受け止めて、”さて、どうする?”を考えられるとよさそうです」
客「そうですね、できること全然ありそうです。もっと自分の心にやさしくありたいなぁ」
マ「おぉ、いい表情になってきましたね!」
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どうしてもぼくらは無意識に自己否定感を感じ、そこから自己嫌悪を感じてしまいやすいものですね…
感情を抑え込むのではなく、受け止め、”さて、どうする?”を上手に考えていきたいものです。
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