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セオリーの検証

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記事一覧

投球のテンポは援護に影響を与えるのか

 投球のテンポについてMLBでは2023年に大きな変化があった。ピッチクロックの導入だ。試合時間が30分近く短縮されるなど時短への影響は凄まじいようだ。

 Baseball Savantではピッチクロック導入にあたって2022年にはPitch Tempoが公開されるようになった。

 投球のテンポについて日本では昔からある説が囁かれている。それは「投球のテンポが打線の援護に影響を与えるのではない

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アームアングルは打者の左右の影響を受けるのか

 サイドスローやアンダースローのようなアームアングルが低い投手は、利き手が一致しない(右投手なら対左打者)打者を苦手とするとされる。実際にその傾向があるかと、その要因を探る。

アームアングルの求め方 アームアングルの求め方はまず上記URLから2015年の選手ごとの推定アームアングルを入手。そこからフォーシームの横変化、縦変化、リリース横位置、リリース高さを説明変数として重回帰分析する。

 補正

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各投球コースに対してどんな打球(方向・角度)を放つべきか。

「コースに逆らわない打撃」は有効と言われる。コースに逆らわない打撃は、投球コースに対してどの方向へ打球を飛ばすべきか、というものだがもう1つ打球において考慮すべきものがある。打球角度だ。

コースに逆らわない打撃の有効性まずコースに逆らわない打撃は、実際にどの程度有効だろうか。右打者・左打者でそれぞれ検証した(表1、表2)。内角・外角はストライクコース(高さは考慮しない)の投球に限定している。また

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「ストレートがあってこその変化球」は本当か?フォーシームが他の球種に与える影響

「ストレートがあってこその変化球」「変化球に頼り過ぎると変化球が活きなくなる」と言われることがある。今回は実際にストレート(フォーシーム)が他の球種に影響を与えているのかについて見ていく。

フォーシームの投球割合が他の球種に与える影響を検証ある年と翌年のフォーシームの投球割合とフォーシーム以外の球種のSwStr%(空振り/投球)とxPV/100(予期される100球あたりのPitch Value)

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「ストレートがあってこその変化球」は本当か?球種割合増減の効果を検証

「ストレートがあってこその変化球」「変化球に頼り過ぎると変化球が活きなくなる」と言われることがある。今回は実際に球種割合を増やすとどんな効果があるのかを見ていく。

先行研究上記の記事は投手が球種の割合を増減させた場合に、RV/100(100球あたりの得点価値)やSwStr%(空振り/投球)に、どのような変化が見られるのかについて検証した記事だ。検証した結果、投手がある球種の投球割合を増減させたと

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ホームランダービー参加者は後半戦に調子を崩すのか。

大谷翔平のホームランダービーへの参加が決まって以降、以下のような参加を不安視する意見を目にした。
「ホームランダービーに参加するとホームラン狙いのスイングをしてしまい後半戦に調子を崩す」
「現行のホームランダービーのルールだと選手に疲労が溜まって後半戦に悪影響を及ぼす」
「一部の選手は調子を落とすのを恐れてホームランダービーの出場を辞退することもある」

2015年以降のホームランダービーのルール

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投手は同じ球種を連投するべきではないのか。

投手は狙いを絞らせないためや打者に球筋を見慣れさせないために同じ球種を連続して投げるべきではないと言われることがあります。しかし実際それは正しいのでしょうか。

球種の投球割合を増やしてもRun Value(得点価値)やSwStr%(空振り率)は変わらない。上記の記事は投手が球種の割合を増減させた場合にRV/100(100球あたりの球種の得点価値)やSwStr%(空振り/投球)にどのような変化が見

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前に対戦した投手の影響を打者は受けるのか

日本戦の大逆転勝利から一夜明け韓国代表の金寅植(キム・インシク)監督は「野球はノーヒットノーランじゃなければ、1回はチャンスが来る。則本もいい投手だが、大谷の後ではスピードが遅く感じた」と振り返った。

上記で引用した記事はプレミア12で圧倒的な投球を見せた大谷翔平の後に登板した投手を打ち崩したことについてのものだ。韓国代表のキム・インシク監督は「大谷翔平の後ではスピードが遅く感じた」と大谷と比較

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先発→救援の指標の変化

投手は一般的に救援より先発のほうが難しいとされている。実際に先発と救援ではどの程度成績に変化があるのだろうか。

検証方法NPBでの先行研究に倣い同一シーズンで先発と救援の両方で30打者以上投げた選手に対し成績の差を出し少ない方の打席数で加重し平均をとる。

結果

救援だとBB%を除くとほとんどの指標が改善される。これはNPBの先行研究と一致した結果となっている。
#dfには2017 -2020

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MLBの周回効果を定量化する

投手が何度も同じ打者と対戦すると打者が慣れて打ちやすくなるとは以前から言われていることだが現在、その効果は定量化され認知されMLBでは3巡目になると投手を変えるという戦術をとるチームも存在する。(2020年のワールドシリーズで好投していたスネルを3巡目になるからと交代したことは記憶に新しい)今回は2017-2020年のMLBで周回効果がどの程度投手成績に影響を与えるか定量化する。

検証方法同じ試

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一塁走者のSprint Speed(走力)は打撃成績に影響を与えるのか。

一塁走者に俊足の走者がいるとバッテリーにプレッシャーがかかると言われることがある。主張としては俊足の走者が一塁上にいるとバッテリーは盗塁や長打で本塁に還られることを警戒するというものだが実際に一塁走者の走力は打者の打撃成績に影響を与えるのか。

走力を測る指標、Sprint SpeedMLBAMが運営するBaseball SavantではSprint Speedと呼ばれる1秒に何フィート移動したか

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球審は早く試合を終了させたい?フレーミング指標で検証する

球審がストライクとコールするか否かは捕手のキャッチング、打席の左右、カウントなどいろいろな要素が絡んでいる。今回はその中でイニングと点差の影響を検証する。

イニング別始めにイニング別のフレーミング指標の比較を行う。(フレーミング指標は以前の投稿と同じものを使う。)

折れ線グラフは値が高いほどストライクとコールされやすく低いほどストライクとコールをされにくいことを表している。ストライクと最もコー

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DHが若手育成・選手寿命にもたらす効果

こうした現実からも分かる通り、DHはいまや打撃専門の外国人やベテランの指定席ではなくなっている。長丁場を戦い抜くため、主力の「止まり木」として使われる傾向が強まってきたのだ。

パの野手、セより平均で2歳若い DHが促す新陳代謝

上記はDHは現在、打撃専門の外国人選手やベテラン選手が座るポジションではなく主力選手の休養ポジションとして使われておりそれにより若手育成が促されている、という趣旨の記事

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Statcastデータから見るコースに逆らわない打撃の有効性

内角の球は引っ張り、外角の球は流し打ち、といったコースに逆らわない打撃は有効だと言われる。実際にそのような傾向はあるのだろうか。探っていきたいと思う。

検証2015-2020のMLBを対象にBaseball Savantから入手したStatcastのデータを使い検証する。投球コースは14㎝ずつ内角ボール、内角、真ん中、外角、外角ボールと5分割した。(投球の高さは考慮しない)

打球は3方向、引っ

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