📕 見落としていた、相手のいいところ拾う。

我ながらいうのもなんだけれど、私は自己肯定感というものが高くない。小さなことでくよくよする。しまいには、どうせ私なんてと卑下することが多い。新垣結衣さんのような容姿で生まれてきたら、多分こんなに悩まなかっただろう(というのは飛躍しすぎだ)。

新垣結衣さんのくだりは置いておいて(容姿端麗な著名人だって悩みも苦労もあることは前提)、マイナス思考に陥ったときに覚えておきたいことがある。これは私の両親の教えだ。

自分を卑下するようになったときこそ、相手のいいところを見つけよう。

馬鹿言ってんじゃないよと、当時は思った。こちとら自信を失っているというのに、どうして相手の良いところを見つけられるっていうんだ。私は半ばキレ気味だ。家を破壊しそうな勢い。反抗期の娘なんて大体そんなもの。幾分成長したのか、今になってその意味がわかる。私の解釈で言葉を変えると、こんな感じだ。

見落としていた、相手のいいところを拾う。

言葉のあやではないけれど、見つけようと躍起になるのも違う。人の良いところって必死になって探すものじゃない。いつの間にか見つけていたというのが、私の感覚に近い。長所はそこかしこに落ちている。灯台下暗しではないけれど、近いがゆえに見えていない。そんなもともと存在している相手の『良いところ』を拾うのだ。

心が荒み余裕がないときの顔、恐らくとてつもなく意地悪。邪悪な表情だからこそ、自ら心の余白を作りにいく。逆説的なやり方であるけれど、苦しい状況にいるときこそ光を求めるのは大切だ。恐らく、両親はそういいたかったのだろう。

そしてもう一つ大事なこと。その良いところを相手に伝える。誰しも気分が良くなるし、そこに苦しみは存在しない。そうやって徳を積むではないけれど、前向きになることに注力する。いつの間にか心の余裕ができている。私は大半を、そうやって乗り越えてきた。

相手の良いところを拾えたら、自信にも繋がる。そうやって相手の素晴らしいところを拾えるのは、立派な『長所』だからだ。大切なことなのでもう一度書くが、無理やり探し出そうとしない。わからなければ、わからないでいい。何か些細なことでもあったらいいな、その程度に留めておく。

こんなに色々なことを書き続けておいてなんだけれど、私は本当に何に対しても自信がない。それをカバーするために、好きなことを続けている。たったそれだけ。生まれ持った容姿がどうにもならなかったので、何かしらの腕前で自分の人生を支えたい。そうやって今日まで生きてきている(大分顔気にしてんな)。才能もない、能力もない。だから続けることだけにしがみついて、今を必死に生きている。

そうやって度々卑下するので、そのときは自分に注目するのをやめる。自分が主人公の人生でありながら、自らに固執して疲弊するのであれば周囲を見渡す。周りを見すぎて疲れたら、興味の対象を自分に戻す。それを何度も何度も繰り返している。正解、不正解はわからない。ただいえるのは、相手の良いところを拾うことで、自信に繋がるということ。

―――

生き方が不器用でどうしようもないので、時々自分に言い聞かせるような文章を書いています。いや、全部自分宛だった。両親から目一杯愛されて育ってきた実感はありますが、どうにも自己肯定感が低いまま今日まできてしまいました。

いい大人なので、周囲に褒めてもらうことを期待して生きてはいません。他人に評価を委ねると、それこそ心が腐っていくことを知っているからです。自分のことくらい自分で認める。その手段の一つが、相手の良いところを拾うことにあります。

そうやって人に対して優しい目を向けると、自分に対しても優しくなれる気がします。まぁ、常にストイックに生きているわけではないですが、私は100の成功より1の失敗が気になって仕方のない性分なのです。たった一つの失敗なのに、全てが終わったかのような気持ちになってしまいます。

そういう意固地な部分を含め、私ってこんなもんかと受け入れてもいます。否定しても苦しいだけですから。ただ、よそさまに『私ってこういう人間だから』と突きつけるような真似はしません。

自分を卑下するようになったとき、相手に対しても厳しい目で見ていることが多いように感じます。だからこそ優しい目で見る(良いところを拾う)行為がとても大切なのだと感じています。ネガティブな気持ちを背負い込むより、前向きなことを考えた方が有意義でしょう。人生の大半がマイナスの感情に支配されるほど、辛いことはありません。

SNSを見ればキラキラした人ばかりで、自分なんてと思うこともあろうかと思いますが、自分は自分。疲れたら見渡そう、そこかしこに宝物は落ちているはずです。