📒同担拒否は『悪』じゃないと思うんです。

同担拒否
という言葉を聞いたことはありますか。

そう、同じ推しを持つ者同士とあまり関わりたくないと『Noサイン』を出すことです。かつて私は、この心情が理解できませんでした。

同じ人を応援しているのになぜだろう。むしろ、そのような考え方に心が狭いのではないかとさえ思っていたのです。

しかし、それは大きな勘違いでした。

最近よく感じるのは、好きなものが同じだからといって仲良くなれるわけではないということ。価値観の似た者、相手の考え方を受け入れられる者同士が仲良くなれるのです。

振り返ってみれば、私の友人もそうです。

野球が好きな人はごくわずか。それぞれ別の趣味を持っていますが、なぜか気が合う。それは相手を受け入れられているからだったのです。

私にも野球を通じて出会った友達がいます。彼女たちと長く付き合えるのは、先述した通りです。同じ選手を応援しているわけではないし、同じチームを応援しているわけでもありません。

それでもなぜか、居心地がいいのです。価値観の似た者同士の中で、たまたま同じものが好きだったというだけなのです。

同担拒否を掲げる人は、単に『独占欲』があるからなのでしょうか。私は違うと思います。恐らくトラブルの未然防止のために、そうせざるを得ないという人も中にはいるのではないかと考えたのです。

同じものが好きでも、方向性やジャンルが重なるとは限りません。当然、熱量も異なります。どんなふうに好きなのか、どんなふうに推しているのか。好きの形は人それぞれなのです。

多種多様な『好き』の中に、ずれを感じると途端に人間関係は破綻します。相手を不快にさせることもあります。そしてどんどん疲弊していくのです。それらを防ぐための苦渋の決断。それが『同担拒否』を掲げなければならない理由なのではないでしょうか。

私も時々趣味で疲れることがあります。それでも平穏にいられるのは、趣味以外の友達がいること。また、私自身を理解してくれる観戦仲間がいるからです。自分の世界はここだけではないと、それが救いなのです。

同担拒否は自己中心的だ、攻撃的だ。もしかしたら、そのように考える人もいるでしょう。

ただ、みんながみんなそうではないと私は伝えたいのです。

攻撃的にNoを掲げるのはスマートではありません。だからそっと一人で楽しむ。多様な『好き』を互いに認めることが大切ではないでしょうか。

攻撃し合っても、何も生まれません。そういう人もいる、そういう考え方の人もいる。良い、悪いはない。それでいいのではないでしょうか。

人は、必要なとき必要な人と出会います。

流れに身を任せて、相手を認められるように。違うと思えば、それはそれで。つかず離れず縋らず。相手を思いやりながら、心地よくいられる場所を作りましょう。