ストレスが原因と言われるけれど
われわれは、日常生活環境で遭遇するさまざまなストレッサー、たとえば暑さ寒さ、騒音、混雑、外傷、身体の痛み、病気、筋肉労働、あるいは失恋や仕事失敗に対し、それを緩和し円滑な行動で対処しようとしている。
心理的、社会的なストレッサーであれば、それは個人の情動を介して評価され、それに応じて対処されるであろう。
また身体的作業というストレスや重力、温熱、光といった物理的要因は、われわれの身体に直接作用し、ときには意識とは無関係なストレッサーとして常に影響を及ぼすだろう。
そしてそれらのストレス反応の様相はストレッサーに対する個人の評価や個人の対処能力によって異なり、それに伴ってストレッサーへの対処を支援するホルモンの作用もことなることになる。
1)
ストレッサーとはストレスを引き起こす外部からの刺激のことを言います。
一言に「ストレス」といっても、心理的にポジティブなストレス反応もあれば、
強いストレスがかかったり長く続いたりする場合には心理的にネガティブになって、ストレス疾患と呼ばれるものが発症するというような受動的ストレス反応もあります。
「ストレス」と聞くと良くないイメージがありますが、
生きていく中で様々に起こる物事・出来事に対して生物が得た対処法として大切な知恵でもあり、ストレス反応はわたしたちの生命を維持するためには必要なことでもあるのです。
とすると、
「ストレスフリー」「ストレスを消す」などと言われるように、ストレスがない状態が良いこととされたり、
ストレスが原因でカラダやこころの不調を感じた場合に、ストレスをどうにかして減らそうとしたり、
ストレス(ストレッサー)を、なくす・変える・減らす・解消する...というよりも
ストレスにうまく対処すること
が必要なのだとわかります。
さらには、
なぜ、ストレスに対処することができなくなっているのか?
を知ることが、複雑な現代社会で健やかに逞しく、しなやかに生きていくキーになると考えたほうがよさそうです。
重力でさえ、ストレッサーとなるのですから...
重力はなくせませんしね。
BASEをリセットし、脳内バランスを整えることはストレス社会を逞しく生き抜く術なのです。
後注
1)中原 p.1
参考文献
中原敏憲 『BASE反応とストレスの伝達』
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