喫酒幾星/Bar iXey

祇園でバーをしているバーテンダーです。植物の香りをお酒に溶かし込んだ「ハーブリキュール…

喫酒幾星/Bar iXey

祇園でバーをしているバーテンダーです。植物の香りをお酒に溶かし込んだ「ハーブリキュール」と言う酒類を専門としています。ハーブリキュールは時代の写し鏡。記録に残らない歴史の動きを保存しています。ここではなるべく丁寧に説明し、それらを開示して行けたらと思います。ixey26.com

最近の記事

セクレスタビターズを使って「アルフォンソ」を作る

久々の投稿ですが許して下さい。先日フェルネットブランカ友の会のメンバーから「Noteを書くように」とお達しがあったので、いい機会だと思い書き始めました。 さて、今回はまたサヴォイカクテルブック収録のカクテル「アルフォンソ」を作りたい。そう思い立ったので作ってみることにしました。 まずは材料です。  アルフォンソ デュボネ ワイングラス1/4 シャンパン ワイングラス3/4 角砂糖一個 セクレスタビターズ 2ダッシュ レモンピール少々 概ねご家庭でも揃えやすい材料です

    • 日本の固有柑橘種「橘」に会いに行ったら、そこが自分の領地だった話。

      奈良に橘がある。そう聞いた私は奮い立って奈良にすっ飛んでいったのが、7月の終わり。大和蒸留所さんのジン造りを見学した後に、早速橘畑の見学ができないかと伺うと、快諾していただけた。何せ絶滅危惧種である橘のこと。分けて頂ける物なのかまで理解するほど、当時の私は橘について知識を持っていなかった。 時は満ちて12月初旬、ついにその機会を得たので早速、奈良天理は柳本にある黒塚古墳へ向かった。今まで幾度となく待ち合わせをしてきた中で、古墳で待ち合わせというのは初めてだった。黒塚古墳駐車

      • ポーラーショートカットというカクテルのレシピを間違えたら、1920年代の味がした。

        偶然というのはコントロールできないものの、時に私たちに思いもかけない喜びをもたらしてくれるものです。例えばカクテルの、一つのレシピを間違う事で、全体に想像もしなかった変化を及ぼすということがあります。 今回はそんなことから生まれたカクテルのお話です。そもそもポーラーショートカットとは、1957年、コペンハーゲンのバーテンダー、ポール・ドジャール氏が、コペンハーゲンと東京を結ぶ、北極周りの航空路線の開設を記念して作られたカクテルです。 ポーラーショートカット 写真:サントリ

        • 忘れられたカクテル「メルバ」に迫る 後編

          材料を揃えるのに思ったより時間かかったので、後編のスタートが遅くなってしまいました。今日はスウェディッシュパンチから作っていきます。前編をご覧になってない方は意味がわからないと思うので、ひとつ前の記事もご覧ください。 瀬戸内産レモンスライス バカルディエイト バタヴィアアラック とりあえずこちらを6時間漬け込みます。こちらが出来上がったものになります。 さてここで紅茶を淹れていきましょう。 雲南金針紅茶 カルダモン 桂花茶 元のレシピには無いのですが、ここでひらめい

        セクレスタビターズを使って「アルフォンソ」を作る

          忘れられたカクテル「メルバ」に迫る 前編

          1861年に、当時イギリス領であったオーストラリア出身のオペラ歌手、ネリー・メルバ。声楽を習っていたメルボルンにちなんで、メルバと名乗った彼女のために作られた料理は、今でも私たちの舌を楽しませています。一番有名なものといえば、ピーチメルバでしょうか。 ピーチメルバ 料理ばかり有名なのですが、実は彼女にちなんで名付けられたカクテルがあったのです。私もしりませんでしたし、レシピにアブサンを使うカクテルだったので、これは作らずにはおけません。 バカルディ・ラム・・・・・・30

          忘れられたカクテル「メルバ」に迫る 前編

          ジュニパーベリーの蒸留の話

          ジュニパーベリーと言うと、言わずと知れたジンの材料です。松脂のようにとも例えられる特有の香りを持つ木の実です。せっかくnoteに移ってきたので、思いっきり好きな話ができるので楽しみです。 早速このジュニパーベリーに、松脂の香りをもたらしている物質を見てみましょう。 α-ピネン 針葉樹全般に含まれていて、名前のピネンと言うのも英語のpine(マツ)から来ているのでとてもわかりやすいです。 蒸留と言う作業をやってみると単純なのですが、中で起きている化学変化は非常に複雑で、

          ジュニパーベリーの蒸留の話

          菊花とカモミールのカクテル

          毎年恒例のカモミールのカクテルを、今年も始めました。年々少しずつレシピを進化させているのですが、ようやくこれだと言うものが仕上がったので、お祝いの意味も込めて、菊の花びらをガーニッシュとしてあしらってみました。 菊花とカモミールのカクテル。奥はSibona社製グラッパベースのカモミールリキュール。 カモミールの属名であるMatricariaは、もともと婦人病の薬として用いられたことが由来であり、今でもリラックス効果や鎮静効果を期待され幅広く楽しまれています。 種類として

          菊花とカモミールのカクテル

          Noteを始めました

          これからここに僕とハーブリキュールの記録を書いていこうと思います。皆さんどうぞよろしくお願いいたします。最初のうちはうまく書けないかもしれません。まぁ徐々に良くなっていくと思いますので、気長にお付き合いよろしくお願いいたします。 今までFacebookで駄文を綴っていたのですが、Facebookの性質上はあまり長い文章を投稿することができませんでした。ここではそれを改良し、今までには書けなかった少し深く込み入った内容を、皆さんにご覧いただけたらと思います。

          Noteを始めました