アーカイブ・「人形峠の伝説」
レディガガが来日し、巨大な蜘蛛の巣から逃げ出すパフォーマンスをした。日本が今置かれている深刻な状況から抜け出すという暗喩だという。
しかし三朝町には、人々を苦しめる巨大な蜘蛛を、村人自らが退治するという伝説がある。逃げ出すのではなく、退治するところが、ガガを超えているのではないか。伝説を紹介したい。
昔、伯耆から美作へ行くには、旅人を殺しその血を吸ってしまうという化物がでる峠を越えなければなりませんでした。
村人達はどうしたものかと相談をしましたが、なかなか良い知恵がでません。
すると一人の木地師が「俺が人形を作るから、それで怪物をおびき出そう」
と提案しました。
木地師は、三日三晩かかって人形を作り上げました。
次の日
村人達は出来上がった人形を担いで峠を上がりました。
手に手に武器を持った村人もそれに続きました。
人形を木の下に置くとそれはまるで生きているように見えました。
村人たちが木の陰や岩陰で恐る恐る待っていると
生ぬるい風とともに、見たこともない巨大な蜘蛛が現れ、
人形に向かって糸を吹き出し、がんじがらめにしました。
大蜘蛛は八本の足で人形を抱え込み、首を目がけて噛み付きました。
ところが何度噛み付いても一滴の血も出ません。
それを待っていた村人たちは「今だ〜」と叫びながら
手に手に持った武器で大蜘蛛に襲い掛かりました。
死にものぐるいの戦いが続き
さしものお化け蜘蛛もジリジリと断崖に追い詰められ
谷底へと真っ逆さまに落ちていきました。
以来、この峠を「人形峠」と呼ぶようになりましたとさ。
数百年後、人形峠がウラン鉱の産地として全国に知られようとは…。
この切り絵は昔、私が商工会の事業で作ったビデオで
今は無き「じげ風呂」で紹介したものです。
伝説では農民が侍に頼んで退治してもらいますが、
町作りが人任せではだめだろうと
村人達が協力して、お化け蜘蛛を退治するストーリーに変えました😅
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