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「本好き」たちの無知な傲慢さを憎む著者

おはようございます。昨日はかなり雨が降りましたが、やっと今の時間になって止み、今日の午後は雨に遭わずに済みそうです。

さて昨日主治医にも話しましたが、ここのところ読書が快調に進んでいます。そんな中この作品を読んで、自分の読書を考えさせられました。


読んだ本の紹介

出版社 ‏ : ‎ 文藝春秋
発売日 ‏ : ‎ 2023/6/22 
単行本 ‏ : ‎ 96ページ

この本を選んだ理由

芥川賞を受賞した作品であること、著者が重度の障害を持っておられることが決め手となりました。

あらすじ

井沢釈華の背骨は右肺を押しつぶす形で極度に湾曲し、歩道に靴底を引きずって歩くことをしなくなって、もうすぐ30年になる。両親が終の棲家として遺したグループホームの、十畳ほどの部屋から釈華は、某有名私大の通信課程に通い、しがないコタツ記事を書いては収入の全額を寄付し、18禁TL小説をサイトに投稿し、零細アカウントで「生まれ変わったら高級娼婦になりたい」とつぶやく。ところがある日、グループホームのヘルパー・田中に、Twitterのアカウントを知られていることが発覚するー

Amazon内容紹介

感想

「本を読むたび背骨は曲がり肺を潰し喉に孔を穿ち歩いては頭をぶつけ、私の身体は生きるために壊れてきた。」

本文

私にとって衝撃的、鋭いパンチを食らった感じがしました。

若くして芥川賞を受賞した作家たちの多くが賞賛の言葉を口にしていますが、本当に著者の思いを受け止めておられるのでしょうか?
この作品が芥川賞に値するのか、疑問に思う描写を多く見受けられました。好き嫌いをいえば、嫌いの部分に入るでしょう。

「私は紙の本を憎んでいた。目が見えること、本が持てること、ページがめくれること、読書姿勢が保てること、書店へ自由に買いに行けること、ー5つの健常性を満たすことを要求する読書のマチズモを憎んでいた。その特権性に気づかない「本好き」たちの無知な傲慢さを憎んでいた。」

本文

障害による紙の本、読書に関する著者の想いは本物だと感じ、読書を愛する者の一人として考えさせられました。
そういう点では問題提起のある作品として読む価値がありそうです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。週末の金曜日、あなたにとってかけがえのない1日となりますように。

昨日の本の記事はこちら

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