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一粒の砂に集中する、すぐそこに、己の手のひらに宇宙があると烈しく信じて(37-50)

昨夜は持病の投薬により、本当はアルコールを控えないといけないのですが、気持ちが揺れて夫婦で飲んでしまいました。今covid-19の蔓延が止まらないので、田舎町の古い風習の中で私たちは、この町の外に出ることができない状態であることが大きいです。早くワクチンが有効になって出かけることができれば、モヤモヤも収まる気がするのですが。

読書の方は着々と進めています。
今図書館から3冊貸し出し可能の通知が来たので、来週までに今手元にある3冊を読み終えようと頑張って、昨日はこの作品を読み終えました。

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魔法の鏡磨きが男と恋人の心にもたらす光と影を描く「ミラクル・ポリッシュ」。町に謎の自殺願望が流行した半年を記録する「私たちの町で生じた最近の混乱に関する報告」。一本の決定的本塁打がたどる驚異の軌跡を描く表題作など、多彩な奇想、緻密な筆で壮大かつ深遠な宇宙を描く8篇。著者自身による短篇小説論も収録(日本版のみ)(「BOOK」データベースより)

収められているのは短編は8篇で

ミラクル・ポリッシュ
息子たちと母たち
私たちの町で生じた最近の混乱に関する報告
十三人の妻
Elsewhere
アルカディア
若きガウタマの快楽と苦悩
ホーム・ラン

さらに著者の短編小説に対する思いが書かれた

短篇小説の野心 スティーヴン・ミルハウザー

というエッセイが日本版のみ単行本に収められています。

著者のスティーヴン・ミルハウザーの名前と作品は、この本の訳者でもある柴田元幸氏が責任編集されている雑誌「MONKEY」で知りました。

今回の本書に収めれれている2作品は既に雑誌で読んでおり、また本国では単行本未収録の作品2本を雑誌で読んでいます。

短篇は一粒の砂に集中する、そこに―すぐそこに、己の手のひらに―宇宙があると烈しく信じて

エッセイで述べていた、見出しにも使用したこの言葉どおり、緻密な筆致で、壮大かつ深遠な宇宙を描いた短編を吸い込まれるように今の私は読んでいきました。

特に表題作「ホーム・ラン」は、たったの4頁、しかもたったひとつの文というその発想と文章のうまさに脱帽です。

年齢を重ねてますます翻訳本の人名が頭に入りにくくなり、そのため物語の理解にも時間がかかるようになっています。そんな中で楽しめるのは短編集です。今回も秋のひとときにピッタリと寄り添ってくれた1冊でした。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
今朝からあまり気温が上がりません。どうか皆様ご自愛ください。

バックミュージックは軽快なこちらでした


いつも読んでいただき、ありがとうございます。これからも励みますね。