Parisian
はい。予告通りに今回はParisianのお話。
あまりオーダーされることのないものだけど大好きなカクテルのひとつ。
とりあえず基本レシピ。
本来これはstirだと思うのだけど、BARによって分かれるのをたびたび目にしたので併記とした。
僕は状況によったりゲストに聞いてどちらにするか決めている。
個人的にはレシピ通りstir。あるいは現代的にBirdy.デキャンタでのスワリングも好み。
つまりshakeはこれにおいて好まない。
あまりに渾然一体となっているよりもある程度の素材感を残してある方が好きなのだ。
より細かく言うとタイト過ぎていたり重すぎるのも好まない。
肝はカシスじゃないかと思う。贅沢を言えばそのクオリティにも拘りたい(今回はやたら口うるさいな…)。
そこら辺を加味した上での僕のレシピ。
レシピには全く手を入れず、氷とカシスにフォーカスしている。
カシスについては複数のブランドを使ってみた結果として現在これに落ち着いている。
ストレート良し、カクテルに良し。価格も程よい。というかクオリティを考えればかなりリーズナブルだと思う。これはぜひ一度、ストレートを愉しんでもらいたい。
さて、見てわかる通りかなり指定が細かい。なんなら自分でも忘れてうっかり作り方が変わる場合があるので気をつけている。
まず氷から。
これの逆の組み方だと、冷却&ミックスのみが目的となってしまうので、敢えて下に製氷機の氷を敷く。
これによって水分を加えて伸ばした作りができて、重過ぎない形に持っていける。
材料どれかでリンスするのも手だけれど(このパターンは多くの場合ヴェルモットになる)、加水率を上げるって考えれば常温の水が一番理屈に適っている。
調合の順番はできる限り全ての材料をメジャーカップからミキシンググラスの中に落とすためがひとつ。
それゆえ粘度が高いカシスを最後に入れるとどうしても誤差が生じる(落ち切らない)。
ならヴェルモットが最後に来るべきだと思う方もいるだろうけど、液体の重さとして最後にやや重めの液体を落とした方が氷の表面についたものまで巻き取れるんじゃないかという、全く根拠のない感覚的な発想からこうなっている。
重いカシスを帯流で僅かでも先にミックスさせておきたいのも理由。というかこれが最大の目的。
わかりやすいイメージに置き換えるなら、カルピスを自分で作るときに水を先に入れる人はあまり多くないと思う。それと一緒です。
そして作るに際してはロングステア。
液体の重量にかなり差があるので、そこを考えれば意識しなくともそうなる(と思う)。
僕の小うるさいレシピの場合は製氷機の氷が下というのがメリットでありデメリット。裏表なのでけっこうシビアだったりする。
ひとつ間違えるとやたら水っぽいものになりかねない。これはもう作って自分なりのスウィートスポットを見つけるしかないのでひたすら作るのみ。
では作り続けた結果として絶品のParisianができるか?というとそんな保証はどこにもない。
ただ、個人的にそうした方がより美味しくできると考えて作っているだけ。
もし今回のnoteを読んで、BARに行った際にオーダーしてくれたら幸いです。
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