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変わりつつある請負契約

近年の急激なインフレにより、建設業界を取り巻く環境も大きく変わりつつある。大きな建設事業となると、数年に渡るものもあり、初めに取り決めをした価格で事業を遂行するのが難しくなってきている。

しかし、施主すなわち建物を建てる人にとって初めに取り決めをした価格よりも価格が上がると言われれば、憤慨するのは自然のことであろう。「値上げ後の価格であれば、契約しなかったのに」という言葉が返ってくるに違いない。施主がその価格を受け入れられなければ、建設業者や下請けなどどこかがその値上げ分を負担しなければならなくなる。

今の、供給不足で生産側が強い状況では、生産側も素材の値上がりのリスクを取りたくないがために、最低限の価格の保証にして、それ以後は値上げを強いてくることが多い。需要側からすれば、では値段が下がった時には、値下げを途中で受け入れてくれるのかということを生産側に言うと、それも約束はできないと言う。それでは、フェアーではない。

そこで、考えたのは、インフレ目標2%と政府日銀が唄っているように、経済は生産効率の上昇で基本的に成長するのだから、価格は下がらないという見方もできるが、人口減少などいろいろな要因で下がることもあるということも否定できない。だから、需要側の主張は成り立つとも言える。人間も年齢による成長もあるが、高齢による衰退もあるように。

結局のところ、需要側が強いときは需要側の要望が通り、供給側が強い時は供給側の要望が通りやすいというような、強弱の話でしかないということであると思った。生産側からすれば、需要が少ない時には買い叩くではないかという文句もあるのだろう。

こういった問題を解決するには、法律の制定ということになってくるのだろうが、自由経済の中で全ての人にとってフェアーになるような法律を制定することは難しく、制定されたとしたも実際に浸透するのも難しいだろう。

そこで、仲介業者として何ができるかということを考えると、その都度、生産者側、需要者側に配慮しながら、ベストな納得できる選択肢を探していくしかないということであろう。AIの選択に頼るということもでてくるかもしれないが、できる限り機械的に選択をとるのではなく、経験や勘に基づいて選択する必要が多いにでてくると感じている。

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