ブルんブルん エンジンの音 始まりの訪れ さあ、出発さ ドライブデートでルンルン気分 君の車は何色だい? 真っ赤な太陽 僕らを照らして Radioから愛のメッセージ 二人で大合唱 盛り上がるテンション 今日は二人の結婚記念日 今夜のディナーは何食べよう?
廃墟の街の煙突けむりが ゴーゴーと咳を出す 鉄に覆われた工場の奥 女は首を傾げて とっても嫌な臭いのする街ね 速歩きで去っていった けむりは時間を忘れて黙々と 晴れた夜空に雲をつくる 捨てられた廃墟の街で 見上げた空は美しかった
私は小さな種をうめました 芽が生えて木になりました さて、これはなんの木? これは小さな種のなる木 やがてこの小さな種のなる木は どんどん増えて森になりました そこには たくさんの生き物たちが住んで 小さな世界ができたのです 小さな世界のとなりには もう一つの小さな世界があります やがて小さな世界が集まって 大きな世界ができたのです 君の前には一本の木があります さて、これはなんの木? これはやがて大きな世界を創る 小さな種のなる木です 私は君にこの小さな種のな
恥ずかしくて 言葉にできなかったこと 貴方に聞いてほしかったこと あなたに恋しています それだけがどうしても言えなくて でも伝えなければ後悔するから ずっと貴方に言いたかったこと
同じであるはずの 違うものを感じて 互いに共感して 二人は心で握手する
やっぱやーめた。 中途半端に描かれた顔 右目と鼻と口とそれから、 それからあとは描かれてない 中途半端に描かれた誰か 続きは後ででいっか。 いつか、とかいって 必ず描かれない未完成の絵 その絵とも言えない何かに 成長途中の自分を重ねていた
暑中お見舞い申し上げます 二〇二七 年を生きる私へ 生きているなら、 今を全力で楽しんで。 頑張り過ぎないように して ほしいです。
私達は矛盾している 「好きだけど好きじゃない」 「嫌いじゃないけど好きでもない」 つまり 結局 どっちなのだ 好きなのか嫌いなのか はっきりさせてくれないか 「どちらでもあり どちらでもない」 はっきりしてない というのが ある意味正解だったりするこの世界で 私達はいったい何者なのか 「私も貴方も人間だけれど 同じ人間ではないの」 私は耳を疑った 何を言っているか理解できない なら私は誰?貴方は誰? いったい私達はなんなのだ 「私達は私達よ」 私達は矛盾してい
私は初めてが苦手 全ての「はじめまして」に 人見知りをする方だ もう17歳の、 背伸びをすれば大人と言える そんな年齢になっても なかなか直らない私の悪い癖 コンビニ弁当なんかにも 人見知りをしてしまうから 私はお弁当を自分でつくる だって 中に何が入っていてどんな味か 「はじめまして」は朝のうちに できるでしょう これはなに?どんな味? 食べたことないから、 なぁんにもわかんない そんな「はじめまして」は 不安で食べられないのだ でもだからって 私は初めて
夢の中で会える貴方に あたしは甘えている 甘えてしまう 夢の中でなら あたしはいつだって素直だから うれしいこと かなしいこと たのしいこと くるしいこと ぜんぶぜんぶ 話せるから むしろ貴方に聞いて欲しい なんて思っちゃうくらいには あたしは貴方のことが好きなのよ そんなふうに言えたらいいのに いつまで経っても素直になれないの あたしは あたしは 昼寝してる猫さんにご報告 今日も今日とて愚痴をこぼした
おはよう と同時に私は耳を塞いだ 私には五月蝿すぎるその雑音に 手で耳を塞いだ 父と兄が喧嘩している 朝からよく元気に話せるなぁと 他人事のように考えなきゃ あまりににも辛すぎる現実が そこにはあった 母が最近毎日泣いている 慰める勇気がでなかったから 私は耳を塞いだ
昼間、私は外の熱気に目眩がして ふらりとその店に立ち寄った。 昭和レトロな喫茶店と古本屋を 足して2つに割ったような 古臭さに趣を感じる店だった。 看板の文字も見ずに入ってしまい ここがどんな店かは分からない。 ただ、喉が渇いていたものだから 席についてすぐ水を頼もうとした。 「セルフサービスです」 確かに、そう言われた。 仕方なく水を取りに行ったが、 「しまった、ここはどこだ」 どうやら私は道に迷ってしまった。 この店は迷うほど広かったろうか、 しかも、ここには
愛を知るのに言葉は必要ない 愛を失うのに言葉は必要ない 自分の声を消してまで 叶えたかった恋は終わりを告げた ぷかり ぷかぷか ぷかぷかり 海に浮かんだ二酸化炭素が 陸まで飛んで行きますように 私の愛が貴方の恋を どうか叶えてくれますように
初めて炭酸を飲んだ日は、 私が初めて勝利を手にした日だ。 保育園の帰り道、必ず自販機の横を通った。 家の目の前にある、あの赤いやつ。その自販機の前で私は立ち止まる。 そして決まって母におねだりをした。 500㎖のサイダーのカンカンを見つめながら 「あれのみたいなぁ、、かって?」 母は決まってダメと言った。 「カンカンは飲みきれないでしょ」 これもお決まりのセリフだ。 けれどあの日、いつもは何も言わない兄たちが 私と同じようにサイダーをねだった。 だから決戦の時がきたと私は
何かを詰めようとしても もう中がいっぱいいっぱいで 何も入らないみたいだ でも、あれもこれも全部大切なモノで 持って行かないなんて考えられない でも、鞄は一つしかないから 私はどうにかしてこの鞄に 全てを詰め込まなければいけないのだ 成功はしなくてもいいから 失敗したくないと思う だから大切ななものは全部抱えて そうしてから旅へ出て行きたい 皆はそれは難しいことだと言う なぜって、君が持っていけるのは その鞄一つだけだろ と やっぱり全部は無理だろうか? 確かに、
シャリ シャリ 西瓜を囓ると ジュワっと果汁が 私を包み込んだ ジャリ ジャリ 果実に夢中で気付かなかった 種という来訪者が 咀嚼の邪魔をしてくる 軽い苛立ちの後私は慌てた 彼は未来の西瓜だった だけどもやはり煩わしく 私は西瓜の種を吐き捨てた